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リスク対応策 2020.05.04

RM33 「ソーラーパネル」の備え Preparing for solar panels

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

昨年暮れ、2019年12月4日上場企業の社外取締役の設置義務化、株主総会資料のオンライン提供の導入を柱とする、改正会社法が成立した。役員報酬の透明化を図る方策も盛り込まれ、「コーポレートガバナンス」(企業統治)を強化して海外からの投資を呼び込む狙いがある。

上場企業は「社外取締役」を置かなければならなくなるが、既に東証は2015年より上場企業にコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を適用、経営から独立した立場の社外取締役(独立社外取締役)を2人以上選ぶよう求めたことで導入が進み、現在では東京証券取引所のほとんどすべての上場企業が社外取締役を既に導入済みである。

 

1.独立社外取締役

・・私には、この委員会等設置会社はいずれ乗り越えられていく宿命にあるような気がしてならない。本当に社外取締役を必要とする勢力が現実に力を持つようになれば、自らの利益のために会社を効果的に監視しようとするに違いなく、そのためには委員会等設置会社(の最低限を満たすだけ)では微温的だと感じるだろうと思うのだ。現に、エンロン事件をきっかけに生まれたアメリカのサーベインズ・オックスレイ法では、単に社外かどうかではなく独立の取締役であるかどうかも問うている。委員会等設置会社は独立取締役を要求しない。いずれ、過半数が社外取締役でなくてはならないということになり、次には、その社外取締役も独立取締役でなくては話にならない、という時代がやって来るだろう。

その時に、果たして日本でどのような人たちがそうした厳しい条件を満たした独立・社外取締役になることができるのか?

(牛島信著 幻冬舎刊「社外取締役」あとがきより)

企業小説家としても著名な牛島信弁護士が2004年2月に出版されたのが、この「社外取締役」であり、16年以上も前にすでに時代の先を予見された大変示唆に富んだ小説である。

2.コーポレートガバナンス

「コーポレートガバナンス」という言葉が日本に上陸して既に40年以上が経過する。しかし、その訳語「企業統治」ではなく、いまだに「コーポレートガバナンス」という言葉が使われ続けているところからも日本語でその内容を正確に言い表すことが困難であることが解る。

定義は各企業によって様々に異なるが、「企業は誰のものか」という点に立脚、「株主、経営者、従業員、債権者、また地域等、企業を取り巻く様々な利害関係者(ステークホルダー)に充分に配慮しつつ取り組む企業内部の意思決定や経営監視の仕組みのこと」である。

かつて、40年前、1980年代米国では多くの「貯蓄貸付組合(S&L)」が倒産して大きな問題となった。低・中所得者を対象に住宅抵当付融資を行う非営利の組合だったS&Lが1982年の法改正で銀行並みの業務ができるようになり不動産投機やジャンク債(信用度の著しく低い社債)投資などを活発化させた結果、その多くが経営不振に陥り1988年には229社が倒産、預金保険機関による支援合併や精算措置を受けた。

1989年8月、米国議会は救済法案を可決、10年間に金利負担を含めて1660億ドル(約20兆円)を投入することになったが、引き換えに次の二つが実行された。一つは「経営責任の明確化」であり、多くのS&L経営者が刑事・民事の責任を問われた。そして、もう一つ「内部統制システムの構築責任」が求められたのである。後年、この20兆円の公的資金のほとんどが国庫に滞りなく返済されたのを見て米国会計検査院(GAO)は「内部統制が企業経営を健全化させるためには非常にいい方法であり、これを一般事業会社にも義務付けるべきである」と1996年に提言したが、企業、会計事務所、証券取引委員会(SEC)がこぞって反対、結局、一般事業会社への適用は見送られた。

3.内部統制

「内部統制」に関するこれまでの歴史を振り返ると非常に興味深いものがある。米国では、企業会計及び監査にかかわる5つの民間団体の手によって1985年「不正な財務報告に関する全米委員会」が設立され、委員長の名前から「トレッドウエイ委員会」と呼ばれた。1987年、委員会は2年半にわたる調査を終え、会計不正の事前防止策等からなる「49の改善勧告」の報告書を提出したが、その核となったのが「内部統制の概念をどう定義して、共通の枠組みをつくるか」ということであった。

「内部統制」という言葉で広くその名前を知られるようになった「COSO(トレッドウエイ委員会支援組織委員会)」は、元々この「トレッドウエイ委員会」を財政的に支援する団体であったが上記の勧告を基に「不正防止と内部統制に関する活動」を「後継の委員会」としておこなうようになり、1992年から1994年にかけ「COSOの内部統制フレームワーク」、「COSOⅠ」と呼ばれる報告書を纏めた。

1997年、これが「米国の上場会社における内部統制の標準的なツール」となり、更には同年のアジア危機を契機として、金融界においても「バーゼルの銀行監査委員会」が「COSOをベースにした銀行組織における内部管理体制のフレームワーク」を1998年に作成した。これは、1999年「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」、いわゆる「金融検査マニュアル」として日本にも取り入れられた。こうしてCOSOは「内部統制のフレームワーク」として世界中に一気に広がった。更に2004年、内部統制をより広い視野で捉えた概念、「ERM(Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)」により「COSOⅡ」と呼ばれる報告書が纏められた。

世界に大きな衝撃を与えた、2001年のエンロン、ワールドコムの経営破たん、これによって内部統制の流れが一気に加速した。開示不信を一掃するため、会計、監査にとどまらず、内部統制を中心としたコーポレートガバナンスまで含めた三位一体の大改革をおこなう法案制定論議が始まり、2002年「米国企業会計改革並びに投資家保護法」通称サーベインズ・オックスレイ(SOX)法が成立した。

この波は日本にも押し寄せ、日本版SOX法と呼ばれる「金融商品取引法」が施行された。金融商品の最たるものである「株式」を発行するのが企業、そのリスクマネジメントの真価が問われる時代に入った。

そして今般の会社法の改正である。「コーポレートガバナンスはよく解りません」とはもう言えない時代である。「企業そのものが金融商品」として取引される時代に入ったからである。「昔『ハゲタカ』とも呼ばれた外資系投資ファンド」を含め様々な企業から買収が仕掛けられる時代、その対応策を決めるのは取締役会である。もし、それが敵対的買収であれば、対応策の是非を巡っていずれ裁判で争われる可能性が極めて高い。

その時に、取締役会の誰がその対応戦略を組み立てていくことができるのであろうか。社内取締役がその任に堪えるのであろうか、経営各分野の専門家である「社外取締役」の本来の意義を知悉して、社外取締役を産業界挙げて「ただのお飾り」ではなく、本格的に積極活用する、「本物のリスクマネジメント」を実践する必要があるのではないだろうか。

いま、また新型コロナ・ウイルスの感染拡大、企業活動の低下によって、多くの企業の存続が危ぶまれている。現に「対面販売」、今の言葉で言えば「接触型営業」という、つい昨年まではごく当たり前の営業手段・事業行動であったが、この「接触型営業」を事業推進の中心に置く企業は「見込み客・顧客」に会えないため、その「事業モデル自身」の存続に大変な危機感を持っている。そして、それは世界の企業の大半に及び、逆に「非接触型営業」で事業活動を行える企業の方が非常に少ないという状況ではないだろうか。

「感染症」は「新型コロナ・ウイルス」に始まったことではない、今般と同じく中国に感染の起点を持ち、いまだに治療法は確立していない「SARSコロナウイルス (SARS-CoV) によって引き起こされたウイルス性の呼吸器疾患」、SARS(サーズ:Severe acute respiratory syndromeー重症急性呼吸器症候群)が、2002年11月から2003年7月に掛け感染が拡大、パンデミック(世界的大流行)が起きた。また、同じく、 2012年中東へ渡航歴のある症例から発見された新種のコロナウイルス「MERSコロナウイルス (MERS-CoV) により引き起こされたウイルス性の呼吸器疾患」による感染症、MERS(マーズ:Middle East respiratory syndromeー中東呼吸器症候群)が発生、感染が拡大した。

こういった事例があるにも関わらず「リスクマネジメントをおこなわず、その対応策も十分に決めず、『企業活動に対して甚大な影響を与える可能性のある、将来発生するリスクを予見、接触型のみならず非接触型コミュニケーションの営業手法を確立して事業モデルを革新しなかった、不作為」に対しての責任は誰が取るのであろうか。

「リスクマネジメント」とは、単なる「リスクの洗い出し・列挙の作業」のことを言うのではない。「想定が困難なリスクの発生も予見しながら企業の存続に関わるリスクを検討、検証して対応策を決め、事業の存続、拡大を図ること」である。そのために経営陣の存在があるのである。

4.D&O保険

英文名は、Directors and officers liability insurance、頭文字を取って、通称「D&O保険」、和文名「会社役賠償責任保険」という保険がある。役員が業務に関わる内容で株主や企業から賠償請求された際、賠償金や弁護士費用などを補償する保険である。企業が加入し、保険料も企業負担が多い。犯罪行為などで賠償請求された時は保険金が支払われない。

「不祥事で賠償責任を問われた企業役員を保険でどこまで救済すべきか」等、これまで様々な議論があった保険である。その保険の適用範囲拡大を巡り、損害保険会社の対応が割れているとの報道がなされている。大手電機メーカーの不正会計など不祥事が相次ぎ、社外取締役の成り手不足に悩む企業にとっては、今や保険加入は必須であるが、保険に頼り、役員が経営監視の目を緩める懸念もある。企業が役員を守る保険を手厚くする背景には社外取締役の成り手不足がある。

冒頭の「コーポレートガバナンス・コード」では、2人以上の選任が求めてられており、人材不足が顕在化した。しかも近年は賠償請求が高額の株主代表訴訟が増えているため、損害保険業界は保険の適用範囲拡大に動いた。その焦点は「企業が自社の役員を訴える場合に保険を適用するかどうか」である。

企業が不正会計を巡って元社長ら5人に3億円(のちに32億円に増額)の賠償請求を起こした上記の大手電機メーカーのケースでは保険金が支払われなかった。しかし、保険需要が高まりから、メガ損保一社は、その「大手電機メーカーの訴訟」にも対応する、企業訴訟のケースも含めて保険金を支払うパッケージ商品の販売に踏み切った。別のメガ損保は特約として企業訴訟もカバーできる商品設計であり、また他メガ損保も同様の対応を開始した。

気になるのは、本年2020年1月1日から売り出された「新型のD&O保険の謳い文句」である。「欧米で提供されるカバーと同等の”充実した補償“」と説明書に記載されているのである。「2015年7月に経産省報告書において会社法上の解釈が明確化され、会社が取締役会決議等の一定の手続きを経ることにより、会社補償が可能との解釈が示されました。」との但し書きはあるものの、この表現を見ると、「では、他の企業向け保険商品も今は同じように『欧米の商品に劣る商品』なのではないか」とその説明書から考えるのは筆者だけであろうか。

今回のまとめ

保険の名称が同じであっても、内容はその保険契約書、その引受け条件の詳細が記された「保険約款」を見なければ一概には「同じ」とは言えない。

筆者が大学を卒業して入社した大手外資系損害保険会社では、当時「米国式自動車保険」が普通の自動車保険とともに「外国人、外資系企業」向けに販売されていたが、2年ほど経って「大蔵省からの要請により販売を中止する」との決定がなされた。その差は、驚くことに当時の「米国式自動車保険」では、「進駐軍」の名残か、「酒気帯び運転でも、酒酔い運転でも事故を起こしたら、『事故は事故として処理され保険金が何ら変わりなく支払われていた』」のであった。

事ほどさように、「日本と外国で販売されている保険は名前が同じでも補償内容は大きく違うことがある」ということに留意してなければならない。このことはまた、欧米で販売されている保険の補償内容が良いもので自社にとって必須の内容であれば、キャプティブを設立して再保険の手段により日本に導入することを真剣に検討する必要性があるということであり、リスクマネジメントに関わる議論が企業戦略のレベルの議論である証左といえよう。

また、SARS(サーズ:Severe acute respiratory syndromeー重症急性呼吸器症候群)、MERS(マーズ:Middle East respiratory syndromeー中東呼吸器症候群)という「コロナウイルス」による世界的な感染拡大は、既に2012年に起きていたのである。「一過性のリスク」と考えて対応策をとらなかった、事業構造の変革をしてこなかった責任は経営陣にあることは自明の理であろう。

筆者はリスクマネジメントに長年携わってきた。その経験から、今般の新型コロナ・ウイルスの感染拡大の先に存在する日本にとっての最大級のリスク、「南海トラフ大地震」、「首都圏直下地震」、これらのリスクに対する認識をどうしても新たにせざるを得ない心境に駆られた。「不測の事態は、更なる不測の事態を呼ぶ」というリスク認識をこれまでの長年のリスクマネジメント業務を通して学んできたからである。

万が一にも巨大地震が発生した場合、特にお客さまとのコミュニケーション手段であるメール等の使用が困難にならないように「通常電源の確保」のため、最高峰のソーラーバッテリーとソーラーパネルを調達、「避難所より凄い設備ですね」と言われるほど強固な備えにした。何が起きようとお客さまへの伝達責任があると考えているからである。

一人が、一企業が、それがどれほど大きなものであっても「直面するリスク」だけではなく、「内部(内包する)リスク」、「外部(遭遇する)リスク」を具に検証して「直面していないがリスクの存在が考えられる事項」に対応する必要があるのではないかと考えている。それこそが企業にとっての「本当のコーポレートガバナンス」であると考えているからである。

執筆・翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

33 – Preparing for solar panels and batteries

Late last year, on December 4, 2019, the revised Companies Act was enacted, with the main pillars of making it mandatory for listed companies to have outside directors and to introduce online provision of materials for shareholders’ meetings. The law also includes measures to make the remuneration of directors and officers more transparent, with the aim of strengthening “corporate governance”and attracting foreign investment.

Listed companies will be required to have “outside directors”, and the TSE (the Tokyo Stock Exchange) has already been applying its Corporate Governance Code (corporate governance guidelines) to listed companies since 2015, requiring them to appoint at least two outside directors who are independent of management (independent outside directors), which has led to its introduction, and now almost all listed companies on the Tokyo Stock Exchange have already introduced outside directors.

1. Independent external director

“I can’t help but feel that this ”company with committees” is destined to be overcome in due course. If the forces that really need outside directors become powerful, they will surely try to monitor the company effectively for their own benefit and for that purpose they will feel that the company with committees (which only meets the minimum requirements) is too weak. In fact, the US Sarbanes-Oxley Act, which was created in the wake of the Enron case, asks not just whether a director is outside the company, but also whether he or she is an independent director. Companies with committees and other entities are not required to have independent directors. Eventually, a majority of directors will have to be outside directors, and the time will come when those outside directors will also have to be independent directors.

What kind of people in Japan will be able to meet these stringent requirements to become independent and outside directors when that time comes?”

(From the postscript to “Outside Director” by Shin Ushijima, published by Gentosha)

Written by renowned corporate novelist and lawyer Shin Ushijima and published by Gentosha in February 2004, “Outside Director” is a highly suggestive novel that was already ahead of its time more than 16 years ago.

2. Corporate Governance

It has been more than 40 years since the term “corporate governance” was first used in Japan. However, the term “corporate governance” is not a translation of the term “corporate governance” but is still used in Japan, which shows that it is difficult to express the term accurately in Japanese.

The definition differs from one company to another, but based on the point of “who owns the company”, corporate governance is a system of internal decision-making and management monitoring that gives full consideration to various stakeholders such as shareholders, management, employees, creditors, and local communities.

Forty years ago, in the 1980s in the United States, the failure of many S&Ls was a major problem. A 1982 amendment to the law that allowed S&Ls to operate like banks, increasing real estate speculation and investment in junk bonds (bonds with extremely low credit ratings), resulted in the failure of many of them. In 1988, 229 companies went bankrupt and were subjected to supportive mergers and settlement measures by the deposit insurance agency.

In August 1989, the US Congress passed a bailout bill, which provided $166 billion over 10 years, including interest charges, in exchange for two things. The first was “clarification of management responsibility,” and many S&L executives were held criminally and civilly liable. The second was “the establishment of an internal control system”. Seeing that most of this 20 trillion yen in public funds was repaid to the national treasury without delay in later years, the U.S. General Accounting Office (GAO) recommended in 1996 that “internal controls are a very good way to restore corporate management to health and should be required for general business companies as well,” but companies, accounting firms, and securities firms were not required to establish internal control systems. The SEC opposed to the application of these controls, and in the end, the application of these controls to general companies was not adopted.

3. Internal Control

The history of internal control is an interesting one. In the U.S., the National Commission on Fraudulent Financial Reporting was established in 1985 by five nongovernmental organizations involved in corporate accounting and auditing, and was called the “Treadway Commission” after its chairman. In 1987, after two and a half years of investigation, the committee submitted a report with “49 Recommendations for Improvement,” which consisted of measures to prevent accounting fraud in advance, and the core of the report was how to define the concept of internal control and create a common framework.

The Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission (COSO), which had originally supported the Treadway Commission financially, began to carry out activities related to anti-fraud and internal control as a successor committee based on the above recommendations, and compiled a report called “COSO’s Internal Control Framework” or “COSO I” from 1992 to 1994.

In 1997, COSO I became “a standard tool for internal control at U.S. listed companies,” and the Asian crisis of the same year prompted the Basel Committee on Auditing of Banks to prepare “A Framework for Internal Control Systems in Banking Organizations Based on COSO” in 1998. In 1999, the COSO was adopted in Japan as the Manual for the Inspection of Deposit-taking Financial Institutions, or the Financial Inspection Manual. In this way, COSO quickly spread throughout the world as an “internal control framework. In 2004, the concept of “Enterprise Risk Management (ERM),” which takes a broader view of internal control, was compiled into a report called “COSO II.

The collapse of Enron and WorldCom in 2001, which sent shockwaves around the world, accelerated the flow of internal controls. In order to wipe out the distrust of disclosure, legislation was enacted to reform not only accounting and auditing but also corporate governance with a focus on internal control, which led to the enactment of the Sarbanes-Oxley (SOX) Act of 2002, commonly known as the U.S. Business Accounting Reform and Investor Protection Act.

This wave of legislation swept over Japan, and the Financial Instruments and Exchange Law, the Japanese version of the SOX Act, was enacted. It is companies that issue stocks, the most important financial instrument, and the true value of their risk management has been questioned.

And now, with the recent amendment of the Companies Act. It is no longer possible to say, “We don’t really understand corporate governance. This is because we have entered an era in which companies themselves are traded as financial instruments. The board of directors is responsible for deciding how to respond to takeover attempts from various companies, including foreign investment funds, which used to be called ‘Hagetaka (vultures)’. If the takeover is a hostile takeover, there is an extremely high probability that the countermeasures will eventually be challenged in court.

Who on the board of directors would be able to formulate the response strategy at that time? We need to understand the true meaning of “outside directors”, who are experts in various fields of management, and we need to work with the entire industry to ensure that outside directors are not just “an adornment”, but are actively used in a full-fledged manner and that genuine risk management is put into practice.

The spread of the new corona virus and the decline in corporate activities are putting the survival of many companies in jeopardy. In fact, until just last year, face-to-face selling, or to use today’s terminology, “contact sales,” was a commonplace sales method and business behavior. This is the case for the majority of the world’s companies, and the number of companies that are able to do business through “contactless sales” is very small.

“Infectious diseases” do not begin with “the new coronavirus”, but “viral respiratory diseases” caused by the SARS coronavirus (SARS-CoV)”, or SARS (Severe acute acute), which has its origin in China, and for which no cure has yet been established. Respiratory syndrome (severe acute respiratory syndrome) spread between November 2002 and July 2003, causing a pandemic. In 2012, a case of MERS (Middle East respiratory syndrome) caused by a new type of coronavirus, MERS-CoV, was discovered in a person who had traveled to the Middle East. (Middle East Respiratory Syndrome) and the spread of the disease.

Who should be held accountable for the “failure to manage risks, to adequately decide on countermeasures, to foresee future risks that could have an enormous impact on corporate activities, to establish sales techniques for contactless as well as contactless communications, and to innovate the business model” despite the fact that these cases have occurred?

“Risk management” is not simply the process of identifying and enumerating risks, but rather the process of foreseeing the occurrence of risks that are difficult to foresee, examining the risks that affect the survival of the company, deciding on countermeasures, and working to ensure the survival and expansion of the business. It is for this reason that the management team exists.

4. D&O Insurance

It is commonly known as “D&O insurance” (the acronym stands for Directors and Officers Liability Insurance), and its Japanese name is “Company Officers Liability Insurance”. This insurance covers directors and officers for compensation and legal fees in the event that a shareholder or company claims them for compensation in the course of their work. Many companies take out this insurance and the premiums are paid by the companies. It does not pay compensation claims for criminal acts.

There has been much debate about “the extent to which insurance should provide relief to corporate executives who are held liable for damages in the event of misconduct”. It is reported that non-life insurance companies are divided over the expansion of the insurance coverage. Insurance is essential for companies struggling with a shortage of outside directors and officers due to a string of accounting irregularities at a major electronics company, but there are also concerns that relying on insurance may cause directors and officers to relax their oversight of management. One of the reasons why companies are increasing the amount of insurance for directors and officers is due to the shortage of outside directors.

The Corporate Governance Code, mentioned earlier, requires the appointment of two or more people to the board of directors, and this has created a shortage of talent. Moreover, in recent years, the non-life insurance industry has moved to expand insurance coverage for the increasing number of high-value shareholder lawsuits. The focus has been on whether or not companies should have insurance coverage when suing their own executives.

In the case of the major electronics manufacturer mentioned above, where the company filed a 300 million yen (later increased to 3.2 billion yen) claim against five former presidents over accounting irregularities, no insurance money was paid out. However, due to the growing demand for insurance, one mega non-life insurance company decided to sell a package of insurance products that would pay out for the “lawsuits of major electronics companies” as well as for corporate lawsuits. Another mega non-life insurer has designed a product that can also cover corporate litigation as a special rider, and other mega non-life insurers have begun to do the same.

What is of interest is the “new D&O insurance claims” that were sold from January 1, 2020 this year. The description of the new D&O policy states that it is “the same ‘enhanced coverage’ as that offered in the US and Europe. “In July 2015, the Ministry of Economy, Trade and Industry (METI) clarified its interpretation of the Companies Act in a report, stating that company coverage can be provided by the company after certain procedures, such as a board resolution, have been followed. Although there is a proviso: “The Ministry of Economy, Trade and Industry (METI) has clarified the interpretation of the Companies Act, stating that a company can be compensated by the company through a certain procedure such as a resolution of the board of directors.”, I wonder if I am the only one who thinks from the description of the report that “So, other corporate insurance products are now ‘inferior to Western products’ as well.

Summary of this issue

Even if the name of the insurance policy is the same, the contents of the policy cannot be said to be the same without looking at the contract and the “insurance policy conditions” that describe the details of the underwriting conditions.

At the major foreign non-life insurance company where I joined after graduating from university, “American-style auto insurance” was sold to “foreign nationals and foreign companies” as well as regular auto insurance at that time, but after about two years, the company decided to stop selling it at the request of the Ministry of Finance. Surprisingly, the difference was that under the “American-style auto insurance” at that time, if a drunk or drunk driver caused an accident, “the accident was treated as an accident and the insurance payment was made no differently”, perhaps a vestige of the “Occupation Forces”.

It should be noted that insurance policies sold in Japan and other countries may have the same name, but the coverage may be very different. This also means that if the insurance coverage sold in Europe and the US is good and essential for your company, you should seriously consider establishing a captive and introducing it to Japan by way of reinsurance. This is proof that the discussion on risk management is at the level of corporate strategy.

The global spread of the coronaviruses SARS (Severe Acute Respiratory Syndrome) and MERS (Middle East Respiratory Syndrome) has already happened in 2012. It is self-evident that management is responsible for failing to reform its business structure and failing to take action as a “one-time risk”.

The author has been involved in risk management for many years. Based on my experience, I felt compelled to renew my awareness of the biggest risks to Japan beyond the spread of the new coronavirus, namely, the Nankai Trough earthquake and the earthquake directly beneath the Tokyo metropolitan area. This is because we have learned through our long experience in risk management that “the unexpected calls for more unexpected situations”.

In order to ensure that, in the unlikely event of a major earthquake, the use of e-mail and other means of communication with clients would not be difficult, the best solar batteries and solar panels were procured in order to “secure a normal power source,” and the system is so robust that a friend of mine say, “This is more powerful equipment than an evacuation shelter”. We believe that we have a responsibility to communicate with our clients no matter what happens.

I believe that each individual and each company, no matter how big it is, needs to examine not only the risks they face, but also the internal and external risks they face and deal with matters that they don’t face but may have risks of their own. This is because we believe that this is “the true corporate governance” for a company.

Author/translator: Shinichiro Hatani