リスク対応策 2020.05.18
RM35 新型コロナとファンドの戦い The New Corona and the Battle for the Fund
For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.
新型コロナ・ウイルスの世界的感染拡大(パンデミック)を受け、ソフトバンクグループの10兆円ファンド、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが1兆4000億円を超える巨額損失を計上することが各種マスコミに報道されている。ファンドの主たる投資先である企業価値10億ドル(約1070億円)以上のスタートアップ企業「ユニコーン」に当初の予想とは大幅に違ったマイナスのインパクトが起きているからである。
グローバルレベルで過去20年間続いた低金利を背景に、ベンチャー・キャピタルが大型化、膨大な「マネー」がベンチャー市場に参入してきたことで、多くの資金がユニコーンに一斉に流れ込んだ。
しかし、そこに突然降って湧いたのが新型コロナ・ウイルスのパンデミックである。「接触型事業モデル」は、インターネット等を介した「非接触型事業モデル」へと「コペルニクス的転回」を余儀なくされ、「これまでの常識」は「非常識」へと変わる「新しいビジネス世界」が出現、「人と人が会うのがビジネスの鉄則」であったものが「人と人は会わないことが求められている」のである。
1962年、「ある時代に支配的な物の考え方、認識の枠組みや規範」のことを米国の科学史家トマス・クーンが、パラダイム(paradigm)と定義、この定義が一般に浸透した結果、その概念は広範に変化して「ある時代、特定の分野において『定説』と思われ、信じられている考え方」という意味で使われるようになったが、新型コロナ・ウイルスのパンデミックは、世界中の人々、企業へ、それぞれの行動に関して、この「パラダイム」の根本的変化、「パラダイムシフト」を求めている状況である。
本年1月末より、これまで本コラムに64本のコラム記事を投稿してきたが、その全てを通じて「骨子となっている考え方」はこの「パラダイムシフトの提言」であった。これまでの常識を疑い、非常識に挑戦していく、そういう「パラダイムシフト」の発想のなかで、新たなビジネスチャンスを獲得する手法としてキャプティブを提案してきた。
世界中に大きな惨禍をまき起きしている新型コロナ・ウイルスのパンデミックであるが、人類はウイルスに負けることはできない。個人、企業の行動の全てに、「パラダイムシフト」をおこない、また再びの安穏、安寧の日々を取り戻していかなければいけないのである。
そのためにも、企業は、いま「できること」から着実に具現化していくことを最も求められている。新型コロナ以降の世界における企業活動において、「遭遇するリスクを検証して、そのリスク量を測り対応策を決めていくこと」である。この「リスクマネジメント」を本当の意味で本格的におこなっていくことが今最も求められているのである。
1.ハゲタカの没落
10年以上前になるが、2007年 NHKで放送された土曜ドラマ「ハゲタカ」は、原作である真山仁著「ハゲタカ」「バイアウト」の秀逸さ、斬新な演出等によって玄人受けするドラマとして大変好評であった。「ハゲタカ」の流行語を生み出し、2009年には続編となる映画『ハゲタカ』が製作された。さらに、一昨年2018年秋には、テレビ朝日系の木曜ドラマ「ハゲタカ」として再び世に出された。「ハゲタカ」とは、1990年代後半、「経営破綻した企業、業績が悪化した企業の株式を買い叩いて購入、資産価値を上げて第三者に売却するファンド」のことを、ハゲタカが獲物を食い漁るさまから、そう呼ばれるようになった。
国内企業が、現金を使わず自社株式の交換によって他の企業を買収することは20年程前、1999年の商法改正で認められた。しかし、海外企業が受け皿となる子会社を日本国内に設立して合併をおこなう「三角合併」は、2006年の会社法によって認められたが、外資系による敵対的買収への警戒感が強く、施行は1年先送りにされ、2007年にようやく施行され、企業の「買収合戦」の解禁を見たのである。
そこで「活躍」したのが投資ファンドであるが、なかでも世間の耳目を集める行動をした外資系のファンドを「ハゲタカ」と呼んだ。しかし、最近では企業買収だけではなく、株、債券、為替、コモディティを始めあらゆる投資側面に登場するファンド勢がこう呼ばれるようになっている。実態は、投資ファンドであったり、ヘッジファンドであったりと、ハゲタカには様々なプレーヤーが存在する、またすべてがテレビや映画のなかのように収益をあげているわけではない。
むしろ、多くのヘッジファンドで大量の損失を抱えることになったり、また閉鎖に追い込まれたりと自らの存在すら危うい状況が多くなっていて、ハゲタカ自身も安定的な存在ではなくなっている皮肉な状況が現出している。それほど、金融市場のグローバル化が進展して、多くの要因が連鎖しながら動いていくため、単一の投資視点や戦略では投資の動向を見誤る可能性が高いことを示唆している事象である。このような「ハゲタカの没落」は、金融投資が非常に複合的な要因の変動をみせて動いていることを実感させられる状況であり、企業のリスクマネジメントについても、貴重な示唆を与えている事象である。
2.日本企業同士のTOB(Take-Over Bid:株式公開買い付け)合戦
近年、M&Aの分野では投資家から集めた資金を元手に、経営再建中の企業に出資して再生を手がける「ターンアラウンド(企業再生)」「バイアウト(企業買収)」をおこなう“プライベート・エクイティ”といわれる外資系投資ファンドが脚光を浴びたが、企業再生に関する法整備が進んだことに加え、不良債権の処理に追われる銀行が企業再生に深くかかわる余裕がなくなったこと等によって、表舞台に押し上げられた、その結果であった。
しかし、昨年2019年秋よりメディアを賑わしている「買収合戦」の主役は、この「ハゲタカ」ではなく、日本の伝統的な大企業である。2019年12月14日付「日本経済新聞」紙上には、「HOYA、東芝と買収合戦 半導体装置のニューフレア巡り」、また「コクヨ株取得50%未満、プラス30%未満、ぺんてる混乱長期化も コクヨとの協力協議中止」等の文字が躍るようになって様変わりの様相を見せている。
3.「ファンド」の誕生
19世紀後半、産業革命後の好景気に沸く英国では、富裕層は外国への投資によって一層の富を蓄えていた。しかし、一般庶民は投資リスクに関する情報も少なく、またその投資金額も少ないため有効な投資ができないでいた。ここに商機を見たある企業が、1868年「ファンド」を販売したのがその起源と一般的には言われているが、これは現在の「投資信託」であり、現在「ファンド」と呼ばれる、企業のM&Aに絡む「投資ファンド」は、米国で生まれ、米国を拠点として大きく成長した。
1976年、当時米国第5位の投資銀行・証券会社、「ベア・スターンズ」出身の3人の米国人、「ジェローム・コールバーグ・ジュニア」、「ヘンリー・クラビス」、「ジョージ・ロバーツ」によって、僅か12万ドルを元手に自分達の名前を冠して設立したファンドがKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)である。KKRは「レバレッジド・バイアウト(LBO: Leveraged Buyout) :債務を利用した企業買収手法」の名手として成功を収めていった。
その名を一躍世に知らしめたのが、1989年LBOによって総額264億ドル(約3兆円)のRJRナビスコ買収劇を成功させたことであった。しかし、その頃からファンドに対して、買収後、売却、あるいは閉鎖された事業部門にいた、またLBO買収の梃子(レバレッジ)とするために借り入れられた、膨大な債務を払うために昇給もなく更には解雇された、そんな労働者達の声を背景にマスコミのバッシングが始まった。さらに追い討ちをかけるように、LBOのベースになったジャンク・ボンド市場の突然の崩壊が起き、またインサイダー取引によっても、多くのM&Aのプレーヤーが市場を退場していった。
しかし、LBOの覇者と言われたKKRは、その後も活動の範囲を広げヨーロッパにも進出、全世界に大きく展開している。卓越した技法を武器に投資先企業50数社の年間売上高合計額は、2000億ドル(約22兆円)を超える巨大なファンドとなった。日本でも、買収したばかりの自動車部品メーカー、カルソニックカンセイが昨年2019年10月、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から、自動車部品会社を62億ユーロ(約8000億円)で買収するとの発表があった。日本企業の自動車関連のM&Aでは、過去最大の買収額、カルソニックは世界28位であったが合併後、売上高の合計は2兆600億円となり、世界11位に躍り出る。
彼らが見限ったベア・スターンズは、その後しばらくは大手5社の一角を守っていたが、2007年の「サブプライム問題」が原因で経営が急速に悪化、翌年、銀行最大手の一つであるJPモルガン・チェースに救済買収され子会社となった。
4.ファンドの広がり
企業は多くの事業部門によって構成されている。破綻状態であっても、一部でも再建可能と見た場合、資金をつぎ込むのが欧米流の発想。企業を安い値段で買収して、事業の再編、リストラ、売却等をおこない、利益を出すように再建する。この欧米ではごく当たり前のことを行うのがファンドである。ただ、その動きの激しさから「不良債権を買い叩いてすぐ切り売りするハゲタカファンド」のイメージを持たれているファンドもある。
しかし、資金提供のみならず迅速な改革を実行して、企業を再建する例が増加してきたのも事実である。
メジャー・リーグのボストン・レッド・ソックス、実はこのオーナーの本業もファンドである。サッカーのチームでもリバプール、ACローマ等、実に様々な分野で多くの投資ファンドが活躍しているのが欧米である。
現在、新型コロナ・ウイルスの感染拡大によって、メジャー・リーグもサッカーも試合の開催ができない状況が続いている、収入の手段が途絶えたとき、果たしてファンドはどのような動きに出るのであろうか。
今回のまとめ
企業とは「法律でつくられた組織体」である。企業のどこを切っても、「法律」が出てこなければ企業ではない。「何の法律に基づいた規定であるか」、「何の法律に基づいた報酬、支払いであるか」等、これを「コンプライアンス」というのではないだろうか。そう考えて、事業をおこなっていけば、「コンプライアンス研修」など全く必要がなくなる。企業のステークホルダー(株主、役職員、顧客、地域等の利害関係者)がこの意識を持ち続ける限り、「法令違反行為」は起きない。
企業のリスクマネジメントで最も重要なことは、この「会社は法律でつくられていて、どこを切っても準拠する法律が出てくる」という意識を持って臨むことである。One of them(多くの中の一つ)として法律を捉えるのではなく、リスクマネジメントの基底部に置くことが重要である。「ごく当たり前のこと」であるが、実際にそうなっているかを検証することが必要である、その行為こそリスクマネジメントと呼ばれるのである。
「キャプティブ」という目的をつくって、このリスクマネジメントをすることで、企業に内在する、遭遇しているリスクがより鮮明に映しだされていく、より明確にリスクが見えてくる。このように、企業を存在する部門ごとに、「事業収益単位=会社=ファンド」と捉えて厳しく検証していくことの大切さを「ハゲタカ」は教えているということではないだろうか。
執筆・翻訳者:羽谷 信一郎
English Translation
Risk Management 35 – The New Corona and the Battle for the Fund
Due to the global spread of the new coronavirus (pandemic), the SoftBank Vision Fund, a 10 trillion yen fund of the SoftBank Group, has been reported in the media that it has posted a huge loss of over 1.4 trillion yen. The fund’s main investment, Unicorn, a start-up company with an enterprise value of more than $1 billion (about ¥107 billion), has been adversely impacted by a far different outcome than originally expected.
The low interest rates that have persisted for the past two decades at a global level have caused venture capital to grow in size and vast amounts of “money” to enter the venture market, bringing a lot of money into unicorns en masse.
But then the new corona virus pandemic suddenly sprang up. The “contact-type business model” was forced to take a Copernican turn to a “non-contact-type business model” via the Internet and other media, and a “new business world” emerged in which the “conventional wisdom” was transformed. What used to be “the ironclad rule of business is that people must meet with each other” has become “people must not meet”.
In 1962, the American historian of science Thomas Kuhn defined a paradigm as “the dominant way of thinking, cognitive framework or norm of a given era” and, as a result of the prevalence of this definition, the concept changed extensively and was “considered and believed to be ‘settled’ in a given era and in a given field”. The pandemic of the new coronavirus has called for a fundamental change in this “paradigm”, a “paradigm shift”, in the way people and companies around the world behave.
Since the end of January this year, I have contributed 64 articles to this column, all of which have been based on this “proposal for a paradigm shift”. I have proposed captives as a method for capturing new business opportunities in a “paradigm shift” in which we question the conventional wisdom and challenge the uncommon.
The new coronavirus pandemic that is spreading devastation around the world, but humanity cannot be defeated by the virus. We must make a paradigm shift in all that we do, both individually and corporately, to restore peace and tranquility to our days.
For this reason, companies are most urgently required to start by steadily bringing what they can do to fruition. In corporate activities in the post-new corona world, companies must examine the risks they encounter, measure the amount of risk and decide on countermeasures. The most important thing now is to carry out risk management in the true sense of the word.
1. The Fall of the Hagetaka (Vultures)
More than 10 years ago, the Saturday drama series “Hagetaka (Vultures)” aired on NHK in 2007 was very popular with professionals due to the excellence of the original work, “Hagetaka (Vultures)” and “Buyout” written by Jin Mayama, and its innovative direction. It created a buzzword for “Hagetaka (Vultures)”, and a sequel movie, “Hagetaka (Vultures)”, was produced in 2009. Furthermore, in the fall of the year before last, 2018, it was brought back into the world as a Thursday drama series on TV Asahi’s “Hagetaka (Vultures). The term “Hagetaka(vultures)” was coined in the late 1990s to refer to “funds that buy up shares in failing or ailing companies and sell them to third parties at a higher asset value,” referring to the way vultures gobble up their prey.
A 1999 amendment to the Commercial Code of Japan allowed a domestic company to acquire another company by exchanging its shares without using cash, some 20 years ago. Triangular mergers, in which a foreign company establishes a subsidiary in Japan to take over a company, were allowed under the Companies Act of 2006, but the enforcement was postponed for a year due to a strong sense of caution about hostile takeovers by foreign companies, and it was only in 2007 that the ban on corporate “takeover battles” was lifted.
It was investment funds that took an active part in this process, and the foreign funds that attracted the public’s attention were called “Hagetaka (vultures)”. Recently, however, the term “vultures” has been applied to funds that invest not only in corporate acquisitions, but also in stocks, bonds, currencies, commodities, and all other investment areas. The reality is that there are many different players in the vultures, whether they are investment funds or hedge funds, and not all of them are profitable as in TV and movies.
In fact, the irony is that the vultures themselves are no longer a stable presence, with many hedge funds incurring massive losses or being forced to close their doors. The globalization of financial markets is advancing and many factors are moving in tandem, suggesting that a single investment perspective or strategy is highly likely to misjudge investment trends.
This “fall of the vultures” is a situation that makes us realize that financial investment fluctuates due to a complex set of factors, and it is an event that provides valuable insights into corporate risk management.
2. Take-over bid (TOB) battles among Japanese companies
In recent years, in the M&A field, foreign investment in “private equity,” which is a type of “turnaround” or “buyout” that invests in companies undergoing restructuring using funds collected from investors, has become a popular practice. The fund has been in the limelight, but it has been pushed to the front of the stage, largely as a result of legislation on corporate revitalization, as well as the fact that banks busy dealing with bad loans can no longer afford to get deeply involved in corporate revitalization.
However, it’s not these “vultures” that are the main protagonists of the “takeover battle” that has been dominating the media since last fall 2019, but the traditional Japanese giants: in the December 14, 2019 edition of the Nihon Keizai Shimbun, “HOYA and Toshiba in takeover battle over new flares in semiconductor equipment,” as well as “Kokuyo acquires 50% of shares Less than 30% of the total number of shares outstanding, less than 30% of the total number of shares outstanding, prolonged confusion at Pentax, and the cancellation of cooperation talks with Kokuyo” appear to have changed the face of the company.
3. The Birth of the Fund
In the second half of the 19th century, in the booming post-industrial Britain, the wealthy people accumulated more wealth by investing in foreign countries. However, ordinary people were unable to invest effectively because they had little information about the risks and the amount of money they were willing to invest was small. It is generally said that a company saw a business opportunity and sold a fund in 1868.
In 1976, three Americans from Bear Stearns, then the fifth-largest investment bank and brokerage firm in the United States, Jerome Kohlberg Jr, Henry Kravis and George Roberts, established a fund in their name with a mere $120,000 and named it KKR ( Kohlberg, Kravis, Roberts). KKR became a master at leveraged buyouts (LBOs), a method of using debt to acquire companies.
KKR made its name known when it successfully completed the $26.4 billion (about ¥3 trillion) takeover of RJR Nabisco in 1989 with a leveraged buyout. But around that time, the media began to bash the fund with the voices of workers who had been in the business units that had been sold off or closed down after the acquisition, who had been borrowed to leverage the LBO acquisition, and who had been laid off without pay raises or even laid off to pay the huge debt. Then came the sudden collapse of the junk bond market on which LBOs were based and the insider trading that drove many M&A players out of the market.
However, KKR, which is considered to be the champion of LBOs, has since expanded its scope of activity to include Europe and has expanded significantly around the world. The fund has grown to become a huge fund, with combined annual sales of more than 50 companies totaling more than $200 billion (approx. ¥22 trillion), armed with superior techniques. In Japan, Calsonic Kansei, a newly acquired auto parts manufacturer, announced last October 2019 that it would acquire an auto parts company from European and US auto giant Fiat Chrysler Automobiles (FCA) for €6.2 billion (about ¥800 billion). This is the largest ever acquisition by a Japanese company in an automotive merger, Calsonic was ranked 28th in the world, but after the merger, its total sales will jump to 2.06 trillion yen, making it the 11th largest in the world. And, Calsonic Kansei and Magneti Marelli unite under new worldwide brand – MARELLI.
They gave up on Bear Stearns and for a while after that, it remained one of the big five, but the subprime mortgage crisis of 2007 led to a rapid decline in its business, and the following year it was bailed out by JP Morgan Chase, one of the largest banks in the world, and became a subsidiary.
4. Expansion of the fund
A company is made up of many business units. The Western way of thinking is to pour money into a company even if it is in bankruptcy if it is deemed possible to rebuild even part of the company. They buy companies at low prices, reorganize, restructure or sell off their businesses, and then restructure them so that they can make a profit. This is a common practice in the West, and it is what funds do. However, due to the rapidity of their activities, some funds have an image of “vulture funds that buy up bad loans and sell them off quickly”.
However, it is true that more and more companies are being restructured not only by providing funds but also by implementing quick reforms.
Major League Baseball’s Boston Red Sox, in fact, the owner’s main business is also a fund. In Europe and the United States, many investment funds are active in a wide variety of fields, including soccer teams such as Liverpool and AC Roma.
With the spread of the new corona virus, both Major League Baseball and soccer teams have been unable to host games, so we wonder how these funds will react when their ability to generate income is cut off.
Summary of this issue
A corporation is “an organism made of laws”. No matter where you cut a company, it is not a company if you don’t see “laws” in it. Based on what law is the regulation, remuneration and payment based on what law, is this what we call compliance? If a company conducts business with this in mind, there will be no need for compliance training at all. As long as the company’s stakeholders (shareholders, executives, employees, customers, and stakeholders in the community) maintain this awareness, no legal violations will occur.
The most important thing in corporate risk management is to approach it with the awareness that “the company is made of laws, and no matter where you cut it, laws that comply with it will appear.” Although it is a matter of course, it is necessary to verify whether or not this is actually the case, and this act is called risk management.
By creating the purpose of “captive” and conducting this risk management, the risks inherent in the company are reflected more clearly and the risks can be seen more clearly. In this way, the “Hagetaka” (Vultures) teaches us the importance of rigorously examining each division of a company as a unit of business profit (i.e., company = fund).
Author/translator: Shinichiro Hatani