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キャプティブ 2020.04.20

CA14 キャプティブで得る新型コロナに対応する保険 Insurance available through Captive against damage caused by covid-19

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

英国は、「古くさい国」と思われることが多いが、実は、昔は産業革命、近年ではビートルズ等を産み、何事にも「時代の最先端を創る国」でもある。

そのロンドンにいる旧友から、久方ぶり、先月3月24日に「新型コロナでロックダウン(都市封鎖)になったが元気でやっているから安心して」という電話があった。ひとしきりロックダウン(都市封鎖)の状況を話した後、英国の新聞「デイリー・ミラー」紙に載った記事のことを彼は話し始めた。

「Hatani、英国で時代の最先端の結婚式があったよ」と。「え、どういうこと?何か変わった形式?」と答えると、彼は「クロイドン(ロンドン南部)に住むカップルが、『Zoom』(ズーム:オンライン会議システム)を使ってオンラインで結婚式を挙げた話しをロイズの連中から聞いたか?新型コロナ・ウイルスのため、200人規模の結婚式の予定をキャンセルしなくてはならなくなったため、式を9月に延期することにしたが『こんな時期だからこそ皆の顔が見たい』と考えて、安全な距離を取りながら互いに顔合わせができる、オンライン結婚式をあげたんだよ。

オンラインだから参加者も膨れ上がり、当日は家族や友人300人ほどの仲間たちに見守られ、誓いのキスをしたりケーキを食べてみせたりして、オンライン上で皆と幸せを分かち合ったと、デイリー・ミラーにあった、どうだい英国らしいだろう?」と笑いながら。

電話を終わりかけた時、「そうそう、『おばあちゃんが新型コロナ・ウイルスに勝った』とTVで報道していたよ。幾つだと思う?1913年9月生まれの106歳だって、バーミンガム(英国中部)に住むおばあちゃんで3週間入院して、終に新型コロナ・ウイルスを打ち負かした、凄い生命力、英国人の誇りだよ」と。

1.リスクマネジメントの本場、英国

日本でも、東京オリンピックを筆頭に、多くのスポーツ大会が延期されたり、中止になっている。プロ野球も、Jリーグも、開幕が延期され、いつ開幕されるかさえ、まったく判らない状況となっている。

英国でも同様である。英国が世界に誇る伝統のスポーツ大会が、新型コロナ・ウイルスの感染拡大の影響で中止となった。テニスの世界4大大会の一つ、「ウィンブルドン選手権」と男子ゴルフのメジャー大会、「全英オープン・ゴルフ選手権」である。それぞれ、6月、7月に開幕する予定だったが、新型コロナ・ウイルス感染の終息がよめないため、選手や関係者の安全を考えて、延期ではなく中止とされた。

だが、この中止の背景には、20年近く前からリスクマネジメントの周到な検討、検証そして実行がなされ「興行(イベント)中止保険」に入っていたこと、更には本年の予想収益の約半分の金額を保険会社から保険金として得られることができるために延期ではなく中止としたことはあまり知られていない。

電話をかけてきたロンドンの旧友は、長く、ロイズ(Lloyd’s of London)に認定された「ロイズ・ブローカー(保険仲立人)」の職にあり、現在ではロイズ・ブローカーの一社のCOO(Chief Operating Officer)を務めている損害保険のプロ中のプロである。ということから想像されると思うが、彼の電話の主目的は、「Zoom結婚式」ではなく、「ウィンブルドンや全英オープン・ゴルフ選手権は、新型コロナ・ウイルスも補償する内容の『興行(イベント)中止保険』に入っていたのが分った」ので知らせようというものであった。

2.興行(イベント)中止保険とは

日本でも、新型コロナ・ウイルスの感染拡大で多くのイベントが中止に追い込まれるなか、「興業(イベント)の中止による損害を補償する『興行(イベント)中止保険』への関心が高まっている。最近は雪不足で冬のスポーツ大会や祭りの中止も相次ぎ、同保険の利用も増えたようであるが、今回のように「感染症が直接起因して中止」となった場合、「ウィンブルドン選手権」が補償されることとは違って、日本で販売されている「興業(イベント)中止保険」では補償されない。被害やリスクの規模を把握しづらいため「保険化」されていないことが、その主な理由である。

日本で販売されている「興行(イベント)中止保険」は、イベントが中止・延期になった場合、主催者側がそれまでに支出した費用や中止・延期に伴い発生した費用等を最大90%まで保険会社が補償、保険金として支払う仕組みである。ただ、保険金が支払われる条件は、「台風や豪雨といった悪天候」や、「交通機関の事故」、「出演者の病気やけがによる出演取りやめ」等、被害とリスクの規模がある程度予測できる場合に限られている。

もともと、日本の損害保険では、欧米のように「引受のすべてが会社の判断に委ねられている状況」とは全く異なり、「危険度に応じて保険料を負担しなければならない」という監督官庁が決めた原則があり、「危険度の査定=妥当な保険料設定」ができなければ「保険として商品化できない仕組み」になっている。

「『大数の法則』に従い事業をおこなうことが保険」という明治時代以来の考えから、「多くの母数=多くの個人に販売、提供されるもの」として保険制度、商品が組み立てられてきたため、「個々の企業や組織の特別なリスク・ニーズに応えること」は等閑にされている傾向が強い、「日本の保険業界・保険行政の限界」と言われているものであり、キャプティブが日本では一般化していない最大の理由であり背景でもある。そして、そのツケは今回のような「不測の事態が起きたときに国民、企業に跳ね返ってくる」のである。

3.興業(イベント)中止保険の内容

日本で販売提供されている「興業(イベント)中止保険」で「補償される主なケース」と「補償されない主なケース」は、概ね以下のようになっている。

補償される主なケース
悪天候。交通機関の事故。開催会場が火災等で損害を受け使用することができない。出演者が傷害や病気等で出演することができない。展示物の不着や破損で興業(イベント)が開催できない。

補償されない主なケース
政変や戦争、地震、また主催者の法令違反や過失によって開催できない。主催者の資金の不足や観客の不測によって開催することができない。感染症の発生や発生の恐れがあり開催できない。

このため、今回のような感染症の発生の他、地震や戦争等、被害の規模がどこまで及ぶか、その予測が難しい場合は、「保険免責(=補償の対象外)」となっている。

但し、この保険の特性として、季節や地域性などを考慮し、「興業(イベント)ごとに補償内容の詳細を決めるオーダーメイドで設計されるため、約款構成からは感染症による中止も補償対象に追加できる可能性も存在するが、保険約款(保険引受条件)の「保険金をお支払いできない主な場合」には、「 次のような場合は、保険金のお支払いができません」として以下の記述が明確にあるため実態面では、その引受は不可能となっている。

感染症予防法第6条に規定する次の感染症の発生または発生するおそれに起因する損害
・重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナ・ウイルス属SARSコロナ・ウイルスであるものにかぎります。)
・鳥インフルエンザ
・新型インフルエンザ等感染症(新型インフルエンザおよび再興型インフルエンザをいいます。)

英国で、「ウィンブルドン選手権」が保険で補償されることと大きく違うことが理解されるであろう、このような欧米の保険との商品面での差が「興行(イベント)中止保険」以外でも多くの保険で見受けられる。同じ名称であっても、欧米、英国では補償され、日本では補償されないことが多いのである。

同じ「地震保険」であっても、日本で一般的に販売されている地震保険が「物的損害」のみを補償するのと比べて、欧米で販売されている地震保険は「物的損害」に加えて、地震による事業の中断等による「収益の低下」を補償していることと似通った事象である。

3.「ウインブルドン」の保険内容は

本年、3月1日に開催された「東京マラソン」では、新型コロナ・ウイルスの感染拡大への懸念から一般ランナーの参加が中止になった。しかし、一般ランナーが支払った参加料は返金されなかった。主催者である「東京マラソン財団」の規約では、「積雪や大雨で大会が中止になった場合は参加料を返金する」と規約に定めているが、「新型コロナ・ウイルスは規約に定める返金の条件に当てはまらない」ことから、返金はなされなかったのである。東京マラソンの一般ランナーの参加が中止になり、縮小になっても、東京マラソン財団が契約しているであろう「興行(イベント)中止保険で損失が補償されないからでは」と筆者は推測している。

テニスの全仏オープン、また男子ゴルフで全英オープン・ゴルフ選手権以外のメジャー3大会は、いずれも8月以降に延期された。しかし、新型コロナ感染の問題が収束しなければ、全て中止になる可能性もある。その場合は延期に伴う追加経費が無駄になり、主催者にとっては更なる痛手となる。

「疫病が要因で大会の中止を余儀なくされた場合に補償できる保険に入っているのは、テニスの世界の四大国際大会ではウィンブルドンだけであり、ウインブルドン大会を主催する『The All England Lawn Tennis Club (AELTC):オール・イングランド・ローン・テニスクラブ』は、17年前、興行(イベント)中止保険に加入して、過去17年間で総額約3000万ポンド(約40億円)の保険料を支払っていて、『保険金(保険会社から補償される額)は今年開催された場合に得られる見込みであった収益金の半額で、1億ポンド(約135億円)を超える』とのことだった」と、冒頭の3月24日の電話でロンドンの旧友が教えてくれた。

そして、約1ヶ月後、昨日4月19日、「時事ドットコムニュース」の「ウィンブルドンと全英ゴルフはなぜ『延期』ではなかったのか」と題する記事に、1ヶ月前の彼の話を裏付けるように、

BBCによると、大会が中止となっても保険が適用されるため、主催者は大きな経済的損失を回避できるという。チケットや放映権料の払い戻しに加え、スポンサーへの補償も保険の対象に。延期した揚げ句に中止するより経費がかからない点も、中止の決断を後押しした。複数の欧米メディアによれば、ウィンブルドンは四大大会で唯一、疫病によって中止になった際に適用されるこの種の保険に加入している。過去17年間に支払った保険料は総額で約36億円に上る。今回の中止で受け取れる額は151億円ほど。当初見込んでいた収益の約半分になるという

という記事が掲載された。「ロンドン・マーケット」のニュースは、BBCの取材よりも遙かに速く、流れ、世界へ伝わっていくということである。

そして、4月16日英国国会の下院は、「テレビ会議システム『Zoom(ズーム)』を審議の一部に導入する」と発表した。無論、700年の歴史を持つ英国国会では初めてのことである。「日本の国会では考えられない先見性の一端である」と考えている。

今回のまとめ

「リスクマネジメントは単なる保険の手配の作業ではなく、企業戦略の根幹を成すものである」と繰り返し本コラムで述べ、これまでそのようにグローバル・リンクは主唱してきたが、今回のウインブルドン大会は、そのことを明確に多くの人々に知らしめる証左となったのではないだろうか。

興行(イベント)中止保険に17年前より加入して総額約40億円の保険料を支払ってきた、「そんなこと無駄だから止めたら」という声が、リスクマネジメントの力を知らない企業のトップであれば出てくるだろうが、ウインブルドン大会の主催者は違っていた。

「リスクマネジメントは絶対に必要である」と考えて17年間保険料を払い続けてきたのである。その結果が、全世界パンデミックの非常事態になり機能したのである、しかも支払った保険料(コスト)の4~5倍の「収益」となって。

本物のリスクマネジメントは、134年間ウインブルドン大会を主催してきた、「The All England Lawn Tennis Club (AELTC):オール・イングランド・ローン・テニスクラブ」に、これからも長く「経営できる原資」を与えることになった。リスクマネジメントが「Turning Risk to Profit®」(リスクの収益化)になったということではないだろうか。

ウインブルドン大会の興行(イベント)中止保険を引受けた保険会社を探して、「再保険の補償)」(カバー)を確保、キャプティブを設立することによって、地震保険と同様、上記の「日本の『興行(イベント)中止保険』では補償されないリスク(感染症リスク)の補償を可能にする道が開ける」のである。

「大変なとき」とは「大きく変わるとき」と書く。コロナウイルスの感染拡大によって大きな損失、損害を受けたいまこそ、ソリューション・キャプティブ®を検討して企業のリスクマネジメントを万全にしていく好機ではないだろうか。

執筆・翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

Captive 14 – Insurance available through Captive against damage caused by covid-19

The UK is often thought of as an “old-fashioned country,” but in fact, it was the birthplace of the Industrial Revolution in the past, and in recent years it has given birth to the Beatles and others, and is a country that is at the forefront of everything.

An old friend of mine in London called me on March 24 for the first time in a long time to say, “The new corona has caused a lockdown, but I’m doing fine, so don’t worry”. After telling me about the lockdown, he began to tell me about an article he had read in the Daily Mirror, a British newspaper.

“Hatani, there was a cutting-edge wedding in England,” he said. ‘What do you mean? What’s the unusual format? “He replied, “Have you heard from the guys at Lloyds of London about a couple in Croydon (south London) who got married online using ‘Zoom’ (an online conferencing system)? Due to the new coronavirus, they had to cancel their 200-person wedding plans and decided to postpone the ceremony until September, but they thought ‘it’s that time of year when we want to see everyone’s faces’, so they had an online wedding where we could meet each other from a safe distance.

It’s online, so the turnout was swelled, and on the day, they shared their happiness online with about 300 of their family and friends, kissing their vows and eating their cake, according to the Daily Mirror, how very British is that? “, he laughed.

As he was ending the call, he said, “Yes, I saw a report on TV that grandma has beaten the new coronavirus. She was 106 years old, born in September 1913, she was a grandmother from Birmingham (in central England), she was hospitalized for three weeks, and finally beat the new coronavirus”.

1. The United Kingdom, the home of risk management

In Japan, many sporting events have been postponed or cancelled, especially the Tokyo Olympics. The opening of professional baseball and the J-League (football) has been postponed, and we have no idea when it will start.

The same is true in the UK. Britain’s world-renowned sporting tradition has been cancelled due to the spread of the new coronavirus. The Wimbledon Championship, one of the world’s four major tennis tournaments, and the British Open Golf Championship, a major men’s golf tournament, were cancelled in June and July, respectively. The two championships were scheduled to start in June and July, but were cancelled due to the uncertainty over the spread of the new coronavirus, citing safety concerns for the players and officials.

It is not widely known, however, that the cancellation of the event was prompted by the fact that risk management had been carefully considered, verified, and implemented nearly 20 years ago and that the event was insured by the insurance company for half of this year’s expected profits.

The caller, an old friend from London, had long been a Lloyd’s of London-accredited “Lloyd’s Broker” and was now the COO (Chief Operating Officer) of one of the Lloyd’s brokers, and He is a professional property and casualty insurance professional who is in the business. As you may have guessed, the main purpose of his call was not to inform me about the “Zoom wedding” but to inform me that he had found out that Wimbledon and the British Open Golf Championship were covered by a “Cancellation Insurance Policy” that included coverage for the new corona virus.

2 What is show (event) cancellation insurance?

As the spread of the new coronavirus has forced the cancellation of many events in Japan, there has been a growing interest in “event cancellation insurance,” which covers damages caused by the cancellation of entertainment (events). However, when events are cancelled due to a direct result of infectious diseases, as was the case here, unlike the Wimbledon Championships, the event insurance, which is commonly sold in Japan, does not cover the event. The main reason for this is that it is not “insured” as it is difficult to ascertain the scale of the damage and risk.

In the event of a cancellation or postponement of an event, the insurance company will reimburse up to 90% of the expenses incurred by the organizer, as well as expenses incurred in the event of the cancellation or postponement. However, insurance payments are limited to cases in which the scale of damage and risk can be predicted to some extent, such as severe weather conditions such as typhoons and torrential rains, traffic accidents, and cancellation of performances due to illness or injury of performers.

In Japan, unlike in Europe and the US, where underwriting is left entirely to the discretion of the company, insurance companies are required to pay premiums based on the level of risk, a principle set by the regulatory authorities.

Since the beginning of the Meiji era, the insurance system has been structured in accordance with “the law of large numbers” to provide insurance for a large number of individuals, so that it tends to leave aside the need to meet the special risks and needs of individual companies and organizations. This is what is called “the limit of Japan’s insurance industry and administration” and is the biggest reason and background of captives not being commonly used in Japan. And the bill for it will come back to haunt the people and companies when unforeseen events like this occur.

3. Details of event cancellation insurance

The main cases in which entertainment (event) cancellation insurance sold in Japan will and will not be compensated are generally as follows

Main compensated cases
Bad weather. Traffic accidents. Damage to the venue due to a fire or other cause, making it impossible to use the venue. Injuries or illnesses of performers that prevent them from performing Inability to hold the event due to non-delivery or damage to the display items.

The main cases for which compensation is not provided
The event cannot be held due to political upheaval, war, earthquake, violation of laws and regulations or negligence of the organizer. The event cannot be held due to lack of funds by the organizer or unforeseen circumstances of the audience. The event cannot be held due to an outbreak or threat of infection.

For this reason, in the event of an outbreak of an infectious disease such as this one, an earthquake, war, or any other event where it is difficult to predict the extent of the damage, the event is considered an “insurance exclusion” (i.e., not covered by the insurance).

However, as this insurance policy is designed as a tailor-made policy that determines the details of coverage for each event, taking into account the season and regional characteristics, it may be possible to add coverage for cancellation of events due to infectious diseases based on the structure of the policy clauses, but in the “Main cases where insurance claims cannot be paid” section of the policy clauses (underwriting conditions), the following statement is clearly stated as “insurance claims cannot be paid in the following cases”, which makes it impossible to underwrite in practice.

Damage caused by the outbreak or threat of outbreak of the following infectious diseases as defined in Article 6 of the Infectious Disease Prevention Law
Severe acute respiratory syndrome (limited to the pathogen being a SARS coronavirus)
Avian influenza
Infectious diseases such as new strains of influenza (new strains of influenza and re-emerging strains of influenza)

Damage caused by the outbreak or threat of outbreak of the following infectious diseases as defined in Article 6 of the Infectious Disease Prevention Law
Severe acute respiratory syndrome (limited to the pathogen being a SARS coronavirus)
Avian influenza
New strains of influenza and other infectious diseases (new and re-emerging strains of influenza).

It will be understood that in the UK, there is a significant difference between what “Wimbledon Championships” is covered by insurance and what is covered by insurance. This difference in terms of products from Western insurance is found in many policies other than “event cancellation insurance”. Even if they have the same name, they are often compensated in Europe, the United States and the United Kingdom, but not in Japan.

This is similar to the case of earthquake insurance in Europe and the United States, which covers not only property damage but also loss of earnings due to business interruption caused by an earthquake, etc., while earthquake insurance in Japan generally covers only property damage.

3. “Wimbledon” insurance coverage is

This year, the Tokyo Marathon, held on March 1, had to be cancelled due to concerns about the spread of a new type of corona virus. However, the entry fee paid by the general runners was not refunded. According to the terms and conditions of the Tokyo Marathon Foundation, the organizer of the event, the Foundation will refund the entry fee if the event is cancelled due to snow or heavy rain, but as the new coronavirus does not meet the conditions for refunds under the terms and conditions, no refunds were given. This author speculates that this is because if the Tokyo Marathon general runners’ participation is cancelled or curtailed, it would not be covered by the “cancellation insurance” that the Tokyo Marathon Foundation may have in place.

With the exception of the French Open tennis tournament and the British Open Golf Championship, all three major men’s golf tournaments have been postponed to August or later. However, they could all be cancelled if the problem of the new corona infection is not brought to an end. In that case, the additional costs associated with the postponement would be wasted, which would be a further blow to the organizers.

“Wimbledon is the only one of the world’s four major international tennis tournaments to have insurance in place to cover a tournament that has to be cancelled due to disease,” said the All England Lawn Tennis Club (AELTC), the organizer of Wimbledon, in a statement. The Lone Tennis Club took out event cancellation insurance 17 years ago and has paid a total of about £30 million in premiums over the past 17 years, and the “insurance payout (the amount compensated by the insurance company) is half of the proceeds it would have received if the event had been held this year, which is £100 million. ($13.5 billion),”An old friend of mine in London told me in the phone call of March 24, which I wrote about at the beginning of this article.

And about a month later, yesterday, April 19,there is at an article titled “Why Wimbledon and British golf weren’t ‘postponed'” in “Jiji .com News,” he corroborated his story from a month earlier.

According to the BBC, organizers can avoid major financial losses because the insurance will cover the event even if it is cancelled. In addition to reimbursement of ticket and broadcast rights fees, the insurance will also cover compensation to sponsors. The fact that it costs less than postponing and then canceling the event also encouraged the decision to cancel the event. According to several Western media outlets, Wimbledon is the only one of the four major tournaments to have this type of insurance in place that covers the event if it is cancelled due to an epidemic. Over the past 17 years, Wimbledon has paid a total of 3.6 billion yen in insurance premiums. The amount of money it will receive as a result of this cancellation is about 15.1 billion yen. This is about half of the originally expected earnings.

This means that news from “London Market” flows and travels far faster than the BBC’s coverage

Then, on April 16, the House of Commons announced that it would introduce the video conferencing system Zoom as part of its deliberations. Of course, this was the first time in the 700-year-old British Parliament. It’s a piece of foresight that would be unthinkable in Japan’s parliament.

Summary of this issue

Global Link has repeatedly stated in this column that “risk management is more than just an insurance arrangement; it is a fundamental part of corporate strategy”, and the Wimbledon tournament was a clear demonstration of this point.

A top executive of a company that doesn’t know the power of risk management would have said, “It’s a waste of time and you should stop doing that,” after having purchased event cancellation insurance for 17 years and paying a total of about 4 billion yen in premiums, but the organizers of the Wimbledon tournament were different.

They had been paying premiums for 17 years because they believed that “risk management is absolutely necessary”. The result was a global pandemic emergency and it worked, as well as a “return” of 4 to 5 times the premiums (cost) paid.

Real risk management has provided the All England Lawn Tennis Club (AELTC), which has hosted Wimbledon for 134 years, with the resources to run the club for many years to come. It seems to me that risk management has become “Turning Risk to Profit®”.

By finding an insurance company that has underwritten event cancellation insurance for Wimbledon, securing “reinsurance coverage” (cover) and setting up a captive, it opens the way for coverage for risks (infectious disease risks) that are not covered by Japan’s cancellation insurance, as well as earthquake insurance, as described above.

A “difficult time” is written as “a time of great change in Japanese Kanji”. Now is a good time to consider the Solution Captive® and ensure that your company’s risk management is up to scratch, given the huge losses and damages caused by the spread of the coronavirus.

Author/translator: Shinichiro Hatani