キャプティブ 2021.06.25
CA28 mRNAワクチンが教える「キャプティブの効用」What mRNA vaccines can teach us about the benefits of captives
For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.
新型コロナワクチンとしてにわかに脚光を浴びている言葉が「mRNA(メッセンジャーRNA)」である。
中学校の理科で習った言葉にDNA(デオキシリボ核酸)があった。上図のように細胞の中に存在する二重らせん構造を持つ組織である。このDNAが折り重なって、染色体という大きな組織体ができる。「なぜ親子は似ている」のか、この質問には「親のDNAを受け継いでいるから」との答えが聞こえる。DNAは「遺伝情報を収めている存在」だからである。そのDNAのなかで、遺伝情報を持っている領域を「遺伝子」と言い、親から子へその生物の特徴を伝える存在そのものである。
DNAは、人間では数十兆個にも及ぶすべての細胞に存在する。このDNAの情報に基づいて身体の細胞、器官、臓器がつくられていくため、「身体の設計図」とも言われるものである。このDNAは当然、精子と卵子の中にも存在している、だから受精を経て親の特徴は子へと遺伝していくのである。
DNAが有する情報によって、体格、顔、髪や目の色等の外見的な特徴やその他親の様々な特徴が子孫に受け継がれていく。生体を構成する、骨格、内臓、筋肉、皮膚等の細胞の中心には「細胞核」がある。この細胞核は酸性を示すことから、細胞核に存在する物質を「核酸」と呼んでいる。この核酸には、上述のデオキシリボ核酸(DNA) とリボ核酸(RNA)の2つがある。
DNAは、親から子へ、細胞から細胞へその性質を伝える遺伝子の本体として働いており、RNAはDNAの情報に基づいてタンパク質を合成する働きを担っている存在である。RNAが合成するタンパク質は、筋肉、骨、臓器、皮膚、また生体内で働くホルモン、酵素など、人体のすべてを構成する生体にとって不可欠な物質である。生体の細胞は日々刻々生まれ変わっているが、これらのタンパク質を作り続ける上で、非常に大きな役割を果たしている存在がDNAとRNAである。
1.RNA
ダーウィンが「種の起源」を発表した頃には、既に「DNAは細胞核の主要な物質」として発見されていた。その遺伝情報を「一時的に作成する」役目を持ったRNAの種類の一つに、細胞核に於いて「DNAの遺伝情報を転写もしくはコピー」する、冒頭述べたメッセンジャーRNA(mRNA)があり、細胞核の外側の細胞質で、「遺伝子の暗号」をアミノ酸に「翻訳」してタンパク質を生成、生体を形作っていく存在である。
このRNAは,「DNAの遺伝情報をコピーする存在」であるが、化学構造がDNAと少し異なっているためDNAと比べると「非常に壊れやすい」特徴を持っている。ワクチンの主体としてこの「壊れやすいRNAを使う」という手法は,遺伝情報を制御するには非常に都合が良い、「その存在が必要無くなったときにはすぐに消えてくれること」が期待できるからである。だからこそ、新型コロナワクチンとして使われる存在となったのである。しかし、そうなる結果を導き出すためには、人生をRNAにかけた研究者達の凄まじい数十年の歴史が存在したのである。
2.ワクチン
人間の体内にウイルス等の「外敵」が侵入した場合、そのウイルスを攻撃する生体の仕組みが発動する。これを「免疫」と言うが、ワクチンはこの生体に侵入してくる「外敵」に対して、人間の免疫機能を円滑に働かせる仕組みを助ける存在のことを言う。
これまで、日本で使用されてきたワクチンは、「ウイルスの一部のタンパク質」を人体に投与して、それに対して免疫が出来ることを期待する仕組みであった。つまり、侵入してくる「外敵」を人体が発病しない程度に薄めて「免疫機能に『外敵』を認識しやすくするため体内に入れていた」のである、これは「生ワクチン」と呼ばれている。生ワクチンは、現在でも「麻疹:はしか」や「水疱瘡:みずぼうそう」等で使われているが、リスクがあると考えられるこの「生きたウイルス」を入れるのではなく、「ウイルスを免疫機能に認識させる」という目的だけのために「ウイルスの断片を入れる」という手法で開発されたワクチンがあり、「不活化ワクチン」と呼ばれている。毎年接種する季節性インフルエンザ・ワクチンに利用されている。不活化ワクチンは、「生きていないウイルス」であるため安全であるが、一方効果が弱く、新型コロナワクチンが有する95%程度という非常に高い有効性に比べて、インフルエンザ・ワクチンでの有効性は低く30~40%程度と言われているものである。もう一つの種類として「トキソイド」というワクチンがある、病原体となるウイルス、細菌がつくりだす毒素だけを取り出して、毒性を無くしてつくられるものである。
この1年全世界で開発されてきた新型コロナウイルスに対するワクチンは、大きく別けて2種類ある。一つが、英国のアストラゼネカ、ロシアのガマレヤ研究所、中国のワクチン、米国のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した、「別のウイルスを使って新型コロナウイルスと闘うワクチン」である。
この種類のワクチンは、「ウイルスベクター・ワクチン」と呼ばれ、人体に無害なウイルスを「運び屋」(ベクター)として使用して、新型コロナウイルスの遺伝子を人間の細胞へ運び、その後ベクターを介して細胞の中に入りこんだ遺伝子から、抗原となる新型コロナウイルスのタンパク質が生成され免疫がつくられるが、人体がベクターそのものに対する免疫を持ってしまう可能性があるため、「変異株に対応するため毎年の接種が必要になった場合、ワクチンの効果が失われる可能性があるのでは」と研究者が懸念していると言われているワクチンでもある。
現実、2007年、この手法で開発されつつあったエイズワクチンでは、「ベクター」となったウイルスに高い免疫を持つ人では反って感染のリスクを高める可能性があることが判明して臨床試験が打ち切られた経緯が、その背景としてあるからである。
もう一つの種類が、日本で接種されている、「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」という全く新しい技術でつくられた、「ドイツのビオンテックと米国ファイザーが共同開発したワクチン」、と「米国モデルナ製のワクチン」であり、このワクチンは「ウイルス退治の為、『ウイルスの設計図』を体内に入れるワクチン」とも言うべきものである。つまり、ウイルスそのもの(生きたモノ、断片)を体内に入れるのではなく、ウイルスの構造が記されたRNA(mRNA)を体内に入れるワクチンなのである。このように、mRNAワクチンは遺伝子をコードしているだけの物質であって、ワクチンの安全性は非常に高いと評価されているものである。
この「生き物」ではない「mRNA」からつくられる「mRNA医薬」という考え方とその開発手法は、欧米では早くから注目を浴びていたが、「ワクチンは卵で培養して作成する」という旧来の考え方を変えられなかった日本は、mRNAに注目することがなかったため、「ワクチンの開発競争」では欧米の後塵を拝することになった経緯がある。
mRNAワクチンとして人間の体内に入るmRNAは、数分から数日といった時間で分解されて「抗体」を作成するステップに入っていくため、mRNAは、人間の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではない。人間の遺伝情報は、DNAからmRNAがつくられる仕組みが人間の体内にはあるが、その流れは一方通行であり「mRNAからはDNAがつくられること」は無く、また、mRNAワクチンを接種しても非常に不安定な物質のため自然に分解され細胞外へ排泄される。このため、mRNAの情報が体内に長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることは無く、非常に安全性の高いワクチンであると言われている。生きたウイルスや死んだウイルス、あるいはウイルスの殻の一部を利用して体内の免疫系を働かせる従来のワクチンと異なり、このワクチンは、私たちの細胞内で、タンパク質の生成を指示できる場所に遺伝子のコピーを運ぶ役割だけを持つ、短命の「運び屋」だからである。
3.新型コロナウイルスの特徴
新型コロナウイルスと呼ばれる、欧米では一般的に「covid-19」と呼ばれているウイルスは、昨年初頭大規模なパンデミック(世界的流行)が起きる前、当時のトランプ前米国大統領が「風邪と同じだ、心配ない」と発言、「この言葉がその後の米国での大流行の引き金を切ることになった」と言われているが、この「風邪と同じだ」という言葉はその感染後の症状に関して、「全くの過小評価である」ということは既に世界中の人々が知っていることであるが、コロナウイルス同士という点からは「ウイルスの姿、性質は風邪と同じである」と言える存在である。
厚生労働省の公式ウェブサイト「2.新型コロナウイルスについて」によると、以下のように新型コロナウイルスの特徴が記されている。
問1 「新型コロナウイルス」とは、どのようなウイルスですか。
「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」はコロナウイルスのひとつです。コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスが含まれます。
ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。
ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。
手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。手洗いの際は、指先、指の間、手首、手のしわ等に汚れが残りやすいといわれていますので、これらの部位は特に念入りに洗うことが重要です。また、流水と石けんでの手洗いができない時は、手指消毒用アルコールも同様に脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。
新型コロナウイルスが「コロナ」と呼ばれている理由は、上述の「エンベロープ」の外側に王冠 “crown”に見られるような「突起」があり形状が似ている。このことから、ギリシャ語で王冠を意味する「corona」という名前が付けられ、我々が冬になるとひく「風邪」も同様な形状を持っているため、風邪のウイルスも「コロナウイルス」と呼ばれているからである。
この新型コロナウイルスの外側に付いている「突起」を「スパイク(spike)タンパク」と呼ぶが、この突起が人間の細胞に取り付き細胞内に侵入してウイルスの増殖が起き、「新型コロナの病状」を発症する。
4.カタリン・カリコ博士
先月、5月27日放送されたNHKの「クローズアップ現代+」の「ワクチンで危機克服?開発の立役者×山中伸弥教授」では、新型コロナウイルスワクチン開発の立役者である研究者、カタリン・カリコ博士(ビオンテック上級副社長、米国ペンシルベニア大学准教授)と2012年度ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所所長・教授)の対談が放送され、非常に興味深く視聴した。
カタリン・カリコ博士は、彼女が30歳の時、母国ハンガリーは経済が行き詰まり研究資金を全て打ち切られた。「RNA研究の途」を探る彼女は、車を売って得たお金を娘の縫いぐるみの中に隠して、テンプル大学からの招聘をもとに、他に何のツテも無い米国に渡ることを決断した。幸いにも彼女は研究の場所を見つけることができmRNAの基礎研究に没頭するが、当時は「遺伝子はDNA」という時代であり、RNAが特に顧みられることはなく評価もされず研究費も減らされ仕事のポストの降格も経験した。
「CA27ー夏目漱石(「人間万事塞翁が馬」)Soseki Natsume (”fortune is unpredictable and changeable”)」に夏目漱石の生き様を、彼自身が「倫敦消息」に記した以下の言葉で紹介した。
妄(みだり)に過去に執着するなかれ、いたずらに将来に望を属するなかれ、満身の力をこめて現在に働けというのが乃公(だいこう)の主義なのである。
カリコ博士も番組で述べていた言葉も同じであった、「他人や環境は変えられません。自分が今すべきことに集中するのです。」と。
そんなカリコ博士の研究が世界で日の目を見る機会がようやく訪れた。山中教授が発表した「iPS細胞」を世界中が研究するなかで、米国ハーバード大学の研究者達が、カリコ博士が発見、開発した「mRNAの技術を使うとiPS細胞が効率的に作れること」を突き止めたのである。ハンガリーを出てから30年の時が経とうとしていた。
昨年、2020年12月23日、米国東部のペンシルベニア大学は、新型コロナウイルス・ワクチンの接種を推奨する宣伝活動として、新型コロナウイルス・ワクチン開発の立役者である2人の研究者、カタリン・カリコ博士(同大学准教授)とドリュー・ワイズマン教授がワクチン接種を受ける映像を公開した。「mRNA」に基づく技術を開発した彼ら2人の発見のおかげで、ワクチンは着手から1年もたたないうちに製造され、治験を経て、接種が実施されたのである。
日本で「大規模接種」に使われている「米国のモデルナ(Moderna)」ワクチン、地方公共団体が主導して接種している「ドイツのビオンテック(BioNTech)と米国ファイザーとの共同開発ワクチン」、このどちらのワクチンも、彼らの発見をもとに開発されたものであり、多くの医薬関連企業がその可能性に気付かないなか、ビオンテックはこの研究成果に注目、カリコ氏を招聘、現在はビオンテックの上級副社長として勤務している。
5.今後へ
新型コロナウイルス・ワクチンの開発の成功は、パンデミック(世界的流行)を終息させる可能性を持つだけでなく、「mRNA」が医薬品製造の新たな手段になる可能性を示している。例えば、mRNAワクチンのように「一時的な遺伝情報を細胞内に届けるタイプのワクチン」は、ヘルペス、マラリア、HIV(「エイズ」:ヒト免疫不全ウイルス)等に対するワクチンの開発、また従来型のワクチンの有効性を高める可能性があると考えられている。
これだけ「絶大な力」を評価されているmRNAであるが、長年どの医薬品にも利用されてこなかった。このmRNAを利用して動物にタンパク質を生成させる試みが最初に実施されたのは1990年のことだったが実用化できるまでの道のりは険しいものであり、ようやくその体制が整ったときに今回の新型コロナウイルスのパンデミックが起きたのである。これが、もし、10年前、否5年前であっても、ワクチン製造の体制は整わず、新型コロナウイルスのパンデミックについてその終息の可能性を語ることはできなかったと言えよう。
今回のまとめ
1.NHKの「クローズアップ現代+」の「ワクチンで危機克服?開発の立役者×山中伸弥教授」の対談のなかで、「世界を驚かせた”常識にとらわれない発想”」として以下のような会話がなされていた。
世界が驚く発見をしたカリコさんと山中さん。対談で2人が共鳴したのは、「常識にとらわれない」研究姿勢についてでした。
カリコさんの研究が道を開いた、今回のmRNAワクチン。かつては、実用化は困難というのが常識で、カリコさんも壁にぶつかりました。人工的に作ったmRNAを細胞に加えると炎症反応が起き、細胞そのものが死んでしまうことがあったのです。
それでも、カリコさんたちは実験を繰り返しました。そして、mRNAの一部を別の物質に置き換えると炎症反応が抑えられることを発見。これまでの常識を打ち破ったのです。
一方、山中さんも、動物では不可能とされていた万能細胞「iPS細胞」の作製に成功。パーキンソン病など難病の治療の可能性を開きました。
母国ハンガリーでも、また出国してからも、陽の当たらないRNAの研究一筋に30年間人生を費やしてきたカタリン・カリコ博士、片や「不可能」と言われたiPS細胞の作成に成功した山中教授、共に「不可能」と言われたことに挑戦して成功した二人であったが、上記番組の中での山中教授の次の一言は胸に刺さった。
「私がiPS細胞の研究を始めたとき、ある植物生物学の教授が私にこう言いました。『あなたは非常に困難だと言ったが、植物ならとても簡単なことです』と。その言葉が、私の考え方を変えてくれました。植物ができるのだから、動物でもきっとできると思うようになったのです」
この言葉に対して、カリコ博士は、「不可能だという思い込みが、挑戦することを妨げてしまいます」と語っていた。
「可能と思ったらできるかもしれない、しかし不可能と思ったら絶対に出来ない」という言葉が書かれた色紙を中学校時代の恩師から頂き、それ以来、「紙の色」が変わってしまっているが、筆者はその色紙はずっと自分の勉強部屋、そして今では書斎に掲げ続けている。
企業戦略の策定に於いて、その戦略の評価に関して、「不可能か可能か」を別けるポイントをどこに置くかによって、その戦略の実現可能性とその効用が決まっていく。「人間の意思の強さのみ」にその評価のポイントを置くのか、それとも「戦略の実効性を論理的かつ科学的に追求して評価することをこれに加えるか」である。企業戦略を自社の強み、弱み、事業環境のプラス要因、マイナス要因等を具に評価して、検証、分析していくのか。それとも「意識が薄い」とか、「意志が弱い」という面のみで評価するのかである。
その上で最後は、「実行責任者の意識」にその実現可能性は行き着いてしまうのは、カリコ博士と山中教授との会話からも学んだことである。彼らはその「強い意志」のもと、「類い希な情熱を研究に捧げ、想像を絶する努力をしたこと」は確かであろう。その意味で企業戦略の策定上も、この意識が必須である。だからこそ、グローバル・リンクは「キャプティブの設立を視野に入れる、覚悟を決めた」本格的なリスクマネジメントを推奨しているのである。
2.「新型コロナウイルスに対応する保険」としてこれまでマスコミ、またCMで取り上げられた保険は「新型コロナ感染症に罹患した場合の生命保険、医療保険」等で「個人が掛ける保険」である。「感染症に罹患することは個人の責任で対応すべきである」という考え方であろうか。
しかし、「明らかに本人のミス」と思われるような罹患ではなく、「非常に気をつけていたのですが・・」という場合、その人が勤務する企業、組織、団体の手厚い「福利厚生制度」として、何らかの補償策を設計、提供できないだろうか、そう筆者は考えた。しかしごく最近ある損害保険会社が「役員および従業員の疾病リスクを補償する疾病保険」の 発売を開始した例を除いて、「福利厚生制度」として手厚い補償を従業員、所属員に提供するような保険を見つけることはできなかった。
「米国のモデルナ(Moderna)」ワクチン、「ドイツのビオンテック(BioNTech)と米国ファイザーとの共同開発ワクチン」、いずれのワクチンも発症を防ぐ効果が約95%、感染を防ぐ効果も約90%と非常に高い。しかし、「100%ではない」のである。しかも「ワクチンの十分な効果が出るのは2回目の接種から2週間以上経ってから」と言われている。この「100%-95%=5%」のリスクが明確に存在するのである。「ワクチンを2回接種して適正に2週間以上経過」しても5%、つまり「発症を可能にするようなかなりの量の新型コロナウイルスと『遭遇』した場合、20分の1の確率で新型コロナに罹患する」ということである。
こういった、「ワクチンを2回接種して適正に2週間以上経過したにもかかわらず、新型コロナ感染症に罹患した場合」、上述の新たに発売を開始された疾病保険では、充分な補償が届かない「様々な補償や費用」、また「特別な対応、サービス」等を提供する、「企業、組織、団体の補償制度」を構築して、「キャプティブを活用して海外再保険会社との間で廉価で再保険手配」おこない、日本の元受保険会社と一緒に補償する、そのようなキャプティブ・プログラムは「画期的な福利厚生制度」となるのではないだろか。こういう柔軟な保険商品の開発にこそ、「キャプティブの存在意義」があるのではないだろうか。
グローバル・リンクのホームページ、その「Merit キャプティブを活用するメリット」のページに以下を記している。
海外の保険市場に存在する様々な保険商品を利用することが可能となります
国内で一般的に得られる地震保険では、震災による製造ラインの停止などにより営業継続が不可能な状況に陥った際に発生する、営業復旧のための費用や営業停止による逸失利益は補償されません。また、国内では、最も新しい保険分野であるサイバー保険においても、サイバー攻撃によるランサムウェア(身代金型ウィルス)など新しい特殊なサイバーリスクに対する補償が普及しておらず、日本の損害保険会社からそのような補償を確保することが困難な状況にあります。
一方、海外の保険市場では、グローバル企業の先進的な保険ニーズに応えるため、地震リスクに関わる営業継続費用や逸失利益の補償、その他特殊なリスクを補償する様々な保険商品が提供されています。国内の企業は、海外に設立したキャプティブを通じて海外の保険市場にアプローチすることにより、補償ニーズに適合した保険商品を取得することが可能となります。
「地震リスクの補償」でキャプティブの有用性と効用が示されているケースが多いが、新型コロナの感染症という当面の課題のみならず、「こういう保険があれば」という保険を「創りあげていく手段」がキャプティブの効用でもある。
昔、日本は、世界をリードした「ワクチン開発国」であったが状況は全く変わってしまった。同様に、「キャプティブを所有している企業の少なさ」という点では、G7のなかでキャプティブの活用が最も遅れている国である。「ワクチン敗戦」の言葉がマスコミを賑わしたが、的確な保険が存在せず「企業リスク敗戦」とならないよう、キャプティブに真摯に取り組む時期が今ではないだろうか。
執筆・翻訳者:羽谷 信一郎
English Translation
Captive (CA) 28 – What mRNA vaccines can teach us about the benefits of captives
The term “mRNA” (messenger RNA) is suddenly in the spotlight as covid-19 vaccine.
DNA (deoxyribonucleic acid) is a word that I learned in junior high school science. DNA is a double-helix structure that exists in cells. This DNA is folded together to form a large organism called a chromosome. The answer to the question “why do parents and children look alike” is often heard as “because we inherit our parents’ DNA”. The area of DNA that contains the genetic information is called the “gene” and it is the one that passes on the characteristics of the organism from parent to child.
In humans, DNA is present in every cell, numbering in the tens of trillions. It is also known as the “blueprint” of the body, as the cells, organs and systems of the body are built on the information contained in DNA. Naturally, this DNA is also present in the sperm and egg, so through fertilisation the characteristics of the parents are passed on to the child.
The information contained in the DNA allows us to pass on to our offspring the physical characteristics of our parents, such as physique, face, hair and eye colour, and many other features. At the heart of the cells that make up a living organism, such as the skeleton, internal organs, muscles, and skin, is the cell nucleus. The nucleus is acidic, and the substances present in the nucleus are called “nucleic acids”. There are two types of nucleic acids: deoxyribonucleic acid (DNA) and ribonucleic acid (RNA).
The proteins synthesised by RNA are essential to all parts of the human body, including muscles, bones, organs, skin, hormones, and enzymes. The proteins synthesised by RNA are essential to all parts of the human body, including muscles, bones, organs, skin, hormones, and enzymes. DNA and RNA play a significant role in the production of these proteins, which are produced every second of every day in living cells.
1. RNA
By the time Darwin published “The Origin of Species”, DNA had already been discovered as the main material of the cell nucleus. One of the types of RNA that has the role of “temporarily creating” the genetic information is messenger RNA (mRNA), which “transcribes or copies the genetic information of DNA” in the cell nucleus, and in the cytoplasm outside the cell nucleus, “translates” the “genetic code” into amino acids to produce proteins, which are used to form living organisms. This is the entity that shapes the organism.
RNA copies the genetic information of DNA, but because its chemical structure is slightly different from that of DNA, it is much more fragile than DNA. This method of using fragile RNA as the main component of a vaccine is very convenient for controlling genetic information, because it can be expected to disappear as soon as its presence is no longer needed. That is why it has become the entity used in the new coronary vaccine. But it has taken decades of challenging work by researchers who have devoted their lives to RNA to get to that point.
2. Vaccines
When a virus or other “external enemies” invades the human body, the body’s own mechanisms are triggered to attack the virus. Vaccines help the body’s immune system to work more smoothly against the invading “external enemy”.
The vaccines that have been used in Japan so far are based on a system in which “some proteins of a virus” are administered to the human body and immunity is expected to develop against them. In other words, the invading “foreign enemy” was diluted to the extent that it did not cause illness in the human body and was introduced into the body to make it easier for the immune system to recognise the “foreign enemy”. These live vaccines are still used today for measles and chicken pox, but they were developed by inserting fragments of the virus into the body for the sole purpose of making the virus recognisable to the immune system, rather than inserting a live virus, which is considered risky. These are called “inactivated vaccines”. They are used in the seasonal influenza vaccine given annually. Inactivated vaccines are safer because they are “non-living viruses”, but they are also less effective, with a lower efficacy of 30-40% for influenza vaccines compared to the extremely high efficacy of 95% for covid-19 vaccines. Another type of vaccine is the “toxoid” vaccine, which is made by extracting only the toxin produced by the pathogenic virus or bacterium and making it less toxic.
There are two main types of vaccine against covid-19 that have been developed worldwide over the past year. The first, developed by AstraZeneca in the UK, developed by China, the Gamaleya Institute in Russia and Johnson & Johnson (J&J) in the US, is a vaccine that uses a different virus to fight covid-19.
This type of vaccine, called a “virus vector vaccine”, uses a harmless virus as a “carrier” (vector) to carry the genes of covid-19, the new coronavirus, into human cells. This is because the human body may develop immunity to the vector itself, and researchers are concerned that the effectiveness of the vaccine may be lost if annual vaccination is required to cope with mutated strains.
This is because, in 2007, clinical trials of an AIDS vaccine that was being developed using this approach were discontinued after it was found that it could increase the risk of infection in people who were highly immune to the virus that had become the “vector”.
The other type of vaccine available in Japan is the “mRNA (messenger RNA) vaccine”, which is a completely innovative technology “developed jointly by Germany’s BioNTech and the US company Pfizer” and “made by the US company Moderna”. This vaccine is “a vaccine that puts the ‘blueprint of the virus’ into the body to kill the virus”. In other words, it is a vaccine that does not introduce the virus itself (a live object or fragment) into the body, but the RNA (mRNA) that contains the structure of the virus. Thus, the mRNA vaccine is a substance that only encodes a gene and is regarded as a very safe vaccine.
This idea of “mRNA medicine” made from “mRNA”, which is not a “living thing”, and the method of its development attracted attention in Europe and the United States from early on, but Japan, which could not change its old way of thinking that “vaccines are made by cultivating eggs”, did not pay attention to mRNA, and has therefore fallen behind Europe and the US in the “race to develop vaccines”.
The mRNA that enters the human body in the form of an mRNA vaccine is not incorporated into the human genetic information (DNA), as it is degraded in a matter of minutes or days to produce “antibodies”. In the human body, mRNA is produced from DNA, but the flow of mRNA is one-way, and DNA is not produced from mRNA. This means that the mRNA information does not remain in the body for extended periods of time, nor is it incorporated into the genetic information of sperm or eggs, making it an extremely safe vaccine. This is because, unlike conventional vaccines, which use live or dead viruses or parts of the virus shell to activate the body’s immune system, this vaccine is a short-lived “courier” whose only function is to carry copies of genes into our cells where they can be directed to produce proteins.
3. Characteristics of covid-19 (new coronaviruses)
The new coronavirus, commonly known as covid-19 in Europe and the United States, is a virus that, before a major pandemic broke out early last year, former US President Trump said, “It’s just like the common cold”. The world already knows that the phrase “it’s just like the common cold” is a gross underestimate when it comes to post-infection symptoms, but from the point of view of coronaviruses, the virus is the same as the common cold.
According to the official website of the Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW), the characteristics of new coronaviruses are as follows
Q1 What kind of virus is a “new coronavirus”?
The SARS-CoV2 coronavirus is a coronavirus. Coronaviruses include viruses that cause the common cold, the severe acute respiratory syndrome (SARS) and the Middle East Respiratory Syndrome (MERS) virus, which has been present since 2012.
Coronaviruses are a type of RNA virus (single-stranded RNA virus) that contains RNA as its genetic information and has a double-layered lipid membrane called an “envelope” on the outermost surface of the particle. They cannot grow on their own but can grow by attaching themselves to cells such as mucous membranes.
Viruses can enter mucous membranes, but they cannot enter healthy skin and only attach to surfaces. The virus on the surface of an object will break down over time. However, depending on the type of object, the virus can remain infectious for 24 to 72 hours.
Washing your hands, even if only with running water, is effective because it helps to flush out the virus and washing with soap is even more effective because it breaks down the coronavirus film. The fingertips, inter-fingers, wrists, and creases of the hands are most likely to be contaminated, so it is important to wash these areas very carefully. If washing with running water and soap is not possible, hand rubbing alcohol can also be used to break down the fatty film and make it less infectious.
The new coronaviruses are called “coronas” because of the similarity in shape of the outer “envelope”, which has a “projection” like that of a crown. Therefore, they are called “coronaviruses”, which means “crown” in Greek, and because the common cold, which we catch in winter, has a similar shape.
The outer “protrusions” of the new coronaviruses are called “spike proteins”, which can attach to human cells and invade them, causing the virus to multiply, leading to the development of the new coronavirus condition.
4. Dr. Katalin Karikó
Last month, on May 27th, NHK’s “Close-up Gendai+” broadcasted an article entitled “Overcoming the Crisis with Vaccines? Dr. Katalin Karikó, Senior Vice President of BioNTech, an Associate Professor at the University of Pennsylvania, and Dr. Shinya Yamanaka, Director of the Kyoto University iPS Cell Research Institute and winner of the Nobel Prize in Physiology or Medicine 2012, talked about the development of the new coronavirus vaccine. I was extremely interested to watch the broadcast.
Katalin Karikó was 30 years old when her home country, Hungary, went into economic crisis and all research funding was cut off. In search of “a way out of RNA research”, she decided to sell her car, hide the money in her daughter’s stuffed animals and travel to the USA, where she had no other contacts, based on an invitation from Temple University. Fortunately, she found a place to work and immersed herself in basic research on mRNA, but in those days, when genes were DNA, RNA was not particularly valued, and her research funding was reduced, and she was demoted from her job.
In “CA27 – Soseki Natsume (“Fortune is unpredictable and changeable”)”, I introduced the life of Soseki Natsume in the following words, which he himself wrote in his “London Shosoku” (Notes from London).
It is the principle of Daiko (ie: (pompous) me) to work in the present with all one’s strength, not to cling to the past or to hope for the future unnecessarily.
Dr. Karikó said the same thing on the programme: “You can’t change other people or your environment, you have to concentrate on what you have to do now”.
Now, Dr. Karikó’s research has finally had the chance to see the light of day. While the rest of the world was studying the iPS cells announced by Professor Yamanaka, researchers at Harvard University in the US discovered that”Dr. Karikó could efficiently create iPS cells using mRNA technology”. It was now 30 years since she left Hungary.
Last year, on 23 December 2020, the University of Pennsylvania in the eastern United States released a video of two of the researchers behind the development of the new coronavirus vaccine, Katalin Karikó, associate professor at the university, and Drew Wiseman, professor at the university, receiving the vaccine as part of a promotional campaign to encourage people to get vaccinated against the new coronavirus. Thanks to their discovery of mRNA-based technology, the vaccine was produced, trialled, and administered less than a year after it was launched.
Both the US Moderna vaccine, used for “mass vaccination” in Japan, and the local government-led vaccine developed in collaboration with BioNTech of Germany and Pfizer of the US, were developed based on their discoveries. While many pharmaceutical companies were unaware of the potential, BioNTech took notice of the research results and invited Dr. Karikó, who is now working as Senior Vice President of BioNTech.
5. The future
The successful development of covid-19 (the new coronavirus) vaccine not only has the potential to end a pandemic, but also shows that “mRNA” can become a new tool for drug production. For example, mRNA vaccines, “a type of vaccine that delivers temporary genetic information into cells”, could be used to develop vaccines against herpes, malaria, HIV (“AIDS”: human immunodeficiency virus) and other diseases, as well as to increase the effectiveness of conventional vaccines.
Although mRNA is valued for its “immense power”, it has not been used in any pharmaceutical products for many years. The first attempt to use mRNA to produce a protein in animals was made in 1990, but it was a long way from being practical, and the new coronavirus pandemic came just when it was ready. If this had been done ten years ago, or even five years ago, we would not have had a vaccine production system in place, and we would not have been able to talk about the possibility of an end to the new coronavirus pandemic.
Summary of this issue
1.The following conversation took place in the NHK’s “Close-up Gendai+” program, “the man and woman played a key role in the development of the vaccine and Professor Shinya Yamanaka”, as “An out-of-the-box idea that surprised the world”.
Ms.Karikó and Mr. Yamanaka made a discovery that surprised the world. What resonated with both during the conversation was their “out-of-the-box” approach to research.
Ms. Karikó’s research has paved the way for the mRNA vaccine. In the past, it was common knowledge that practical application of mRNA vaccines would be difficult, and Ms. Karikó also hit a wall. Adding artificially created mRNA to cells could cause an inflammatory reaction that could kill the cells themselves.
Nevertheless, Ms. Karikó and his colleagues repeated their experiments. They found that replacing part of the mRNA with another substance suppressed the inflammatory reaction. This was a breakthrough.
Mr. Yamanaka also succeeded in producing iPS cells, which were previously thought to be impossible in animals. This has opened the possibility of treating Parkinson’s disease and other intractable diseases.
Dr. Katalin Karikó, who spent 30 years of her life in Hungary and after she left Hungary doing research on RNA, which has never seen the light of day, and Professor Yamanaka, who succeeded in creating iPS cells, which were said to be “impossible”.
The following words from Professor Yamanaka in the above program stuck with me.
”When I started my research on iPS cells, a professor of plant biology said to me: ’You said it was very difficult, but with plants it is very easy’. Those words changed my thinking. I started to think that if plants can do it, then animals can do it too”.
In response to these words, Dr. Karikó said: “The belief that it is impossible prevents us from trying”.
My teacher in junior high school gave me a piece of paper with the words “If you think it is possible, you may do it, but if you think it is impossible, you will never do it”, which I have kept in my study room and now in my den, although the colour of the paper has changed since then.
In formulating a corporate strategy, the feasibility and effectiveness of the strategy is determined by the point at which it is evaluated as either impossible or possible. Should the evaluation be based on the strength of human will alone, or should it also include a logical and scientific evaluation of the effectiveness of the strategy? Do we evaluate, verify, and analyse our corporate strategy in terms of our strengths, weaknesses, positive and negative factors in the business environment? Or do we evaluate it only in terms of “lack of awareness” or “weak will”?
At the end of the day, it comes down to the “consciousness of the person responsible for implementation”, as I learned from the conversation between Dr. Karikó and Professor Yamanaka. With their “strong will”, they have “devoted unparalleled passion and unimaginable effort to research”. In this sense, this awareness is essential for the formulation of corporate strategy. It is for this reason that Global Link recommends full-scale risk management “with a view to setting up a captive, and with determination”.
2. “Insurance against covid-19 (new coronaviruses)” has been discussed in the media and in commercials as “life insurance and medical insurance against new coronaviruses”, i.e. “Insurance for individuals”. The idea is that it is the individual’s responsibility to take care of himself/herself in case of infection.
However, I wondered if it would be possible for the company, organisation, or group where the person worked to design and provide some form of compensation for cases where the person was “very careful” and not “clearly their fault”. However, except for a recent launch by a property and casualty insurer of a sickness insurance policy covering the risk of illness for directors and employees, I have not been able to find any “benefit plan” that would provide such generous coverage for employees and associates.
The Moderna vaccine from the USA and the vaccine developed in collaboration with BioNTech from Germany and Pfizer from the USA are both highly effective in preventing the onset of the disease by about 95% and in preventing infection by about 90%. However, they are not 100% effective. Moreover, it is said that the full effect of the vaccine does not appear until at least two weeks after the second dose. So, there is a clear risk of 100% – 95% = 5%. Even if “two doses of vaccine are properly administered over a period of two weeks”, there is still a 5% chance, i.e. “a 1 in 20 chance of contracting the new coronavirus if you have ‘encountered’ a significant amount of the new coronavirus that would allow you to develop the disease”.
If a person contracts the new coronavirus “despite having received two doses of vaccine and having been properly vaccinated for at least two weeks”, a “company, organisation or group indemnity scheme” could be set up to provide “various indemnities and costs” and “special responses and services” that are not covered even by the newly launched sickness insurance mentioned above. Such a captive program could be a “revolutionary employee benefit program”. The development of such a flexible insurance product would be the raison d’être of a captive.
The following is from “the Merit Captive Benefits” section of Global Link’s website.
Allows access to a wide range of insurance products that exist in overseas insurance markets
Earthquake insurance available in Japan does not cover the costs of restoring operations or lost profits due to business interruptions, which occur when it is impossible to continue operating due to the stoppage of production lines because of the earthquake. In addition, even in cyber insurance, which is the newest insurance field in Japan, coverage for new and special cyber risks such as ransomware (ransom-type virus) caused by cyber-attacks is not widespread, and it is difficult to secure such coverage from Japanese non-life insurance companies.
On the other hand, overseas insurance markets offer a variety of insurance products to meet the advanced insurance needs of global companies, including coverage for business continuity costs and lost profits related to earthquake risks, as well as coverage for other special risks. By approaching foreign insurance markets through captives established abroad, domestic companies can obtain insurance products that meet their coverage needs.
In many cases, the usefulness and utility of captives has been demonstrated around “earthquake risk coverage”, but the utility of captives is not only in the immediate issue of new coronary infections, but also in the “means to create” insurance “if such insurance is available”.
In the past, Japan was a world leader in vaccine development, but the situation has completely changed. Similarly, Japan is the least developed country in the G7 in terms of the number of companies that own captives. While the term “vaccine defeat” has been bandied about in the media, now is the time to take captives seriously to avoid a “corporate risk defeat” due to the lack of adequate insurance.
Author/translator: Shinichiro Hatani