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キャプティブ 2021.07.30

CA30 なぜキャプティブが必要なのか Why do we need a captive?

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

「貴社のホームページ、コラムを読んで、キャプティブの良さはよく理解できたが社内で話を進めていくうえで、日頃、保険にあまりなじみの無い経営陣にどう説明したら、良く理解してくれるのでしょうか?」というご質問を弊社のホームページ宛てに頂いた。

良い機会なので、原点に立ち戻って「なぜキャプティブが必要なのか、キャプティブの効用は何か」についてお話ししたい。

1.キャプティブの存在意義

リスクマネジメントは、「本来、企業の事業目的の達成を妨げる阻害要因や不確実性を排除・制限するための企業戦略」であるが、「損害保険会社が自らの保険収益を改善させるために顧客に勧奨したことが日本への導入の経緯」という点から、日本では「リスクマネジメント=損害防止軽減活動」とこれまで理解されてきたようである。

しかし、リスクマネジメントは、単なる「損害防止軽減活動」ではなく、企業・団体・組織等が抱える多くのリスクを洗出し、それらリスクの大きさを算定・分析して、受容可能か否かを評価、そのうえでリスクごとに「リスク対応策」の策定・実施へと進め、更にその後も定期的にPDCAサイクルによって着実に改善を図っていくものである。

そのためには、それらのリスクの大きさを明確に把握できる仕組みを「自社内」につくり「リスクの大きさ、頻度」等を把握、更にそれらのリスクに対して「保険を含めてどのような対応策を取れるか、取っているか」を定期的に明確にしておくことが重要である。「保険を損害保険会社に掛ける行為」は、「自社からリスクを外に出しているため、リスクヘッジ(リスクの軽減・削除)」と理解され「リスクを消し去ることができた」と考えられているが、「保険証券にも、損害保険会社が引受けないリスクが『免責』として明確に記されている」事実が存在する、さらに「保険金額」という「補償の金額上の制限」も存在するからである。

こういった「保険を掛けても単純に消えない企業経営上のリスク」を含めて、自社の内包する、また遭遇する可能性のあるリスクを自社内で明確かつ継続的に把握する仕組みが「キャプティブ(自社専用保険会社)を中心としたキャプティブ・プログラム」なのである。

2.キャプティブ設立の目的

「リスクの性質から保険にリスク移転したほうがいいと考えられるリスク=地震リスク等、発生頻度は低いが、発生すると甚大な損害を被る可能性が高いリスク」に関して、日本の損害保険会社では提供が困難とされる補償額を超え、企業が必要とするに足る十分な補償額、また広範な補償範囲を確保するための手段としてキャプティブは機能する存在となり得る。

また、「キャプティブのリスクヘッジのために、キャプティブから必要かつ十分な再保険の手配はおこなう」にしても、キャプティブは自社のリスクを引受ける「自社専用保険会社」であることから、「保険を掛ける=外部の損害保険会社へのリスクヘッジ」という視点ではなく、「キャプティブ(=企業)が損害を被らないように」と全社が努めていく方向に進んでいくため、企業内に「高度のリスクマネジメント態勢」を構築することができる。この副次的な効果によってキャプティブの保険収益が更に良好になっていくことが多くのキャプティブで実証されている。

さらに、「海外の再保険市場に直接アクセスできることによって、保険料の内外価格差をキャプティブが収益化すること」が可能となり、キャプティブ設立前は単なる「コスト」であった保険リスクを事業収益に換える(Turning Risk to Profit ®)ことも可能にする存在となる。この意味から、グローバル・リンクが設立のサポートをおこなう、リスクマネジメントの本義にかなう的確なキャプティブは、「企業のリスク課題に対して効果的な解決策(=ソリューション)となるキャプティブ」という意味で、弊社では「ソリューション・キャプティブ ®」と呼称している。

3.なぜ、キャプティブは「Turning Risk to Profit ®」をもたらすのか

キャプティブは、れっきとした「保険会社」である。「保険会社としての収益」をみるため、損害保険会社の収益構造について見てみたい。損害保険会社の収益構造は、単純化すると、「①保険料収入を得る、②その保険料を得るために掛かる人件費、物件費等が必要であり、③保険事故による損害が発生した場合に支払うべき補償金が必要」となる。①は「保険料」、②は「事業費」、③は「保険金」と呼ばれる。

「保険料」とは、一般的には「元受正味保険料」(保険販売で得た保険料(積立保険料を除く))のことを指し、これに「受再正味保険料」(他の保険会社から再保険を引き受けたときに受け取る保険料)を加え、「出再正味保険料」(他の保険会社に再保険を出したときに支払う保険料)を控除した数値が「正味収入保険料」と呼ばれる。一般企業でいえば「売上高」に相当するものである。

「事業費」とは、「保険引受に係る営業費及び一般管理費、そして諸手数料及び集金費」の数値である。損害保険会社の収益構造を見るためよく使われる言葉、「事業費率」とは、「損害保険会社が受け取った保険料に対して、保険の募集や維持管理のために使用した費用の割合」を示したものをいう。

「保険金」とは、一般的には「元受正味保険金」(支払った保険金)のことを指し、「支払った保険金」に「受再正味保険金」(他の保険会社へ再保険で支払った保険金)を加え、「出再正味保険金」(他の保険会社から再保険で回収した保険金)を控除したものを「正味保険金」と呼ぶ。「損害率」とは「保険料に対する『支払った保険金と損害調査に要した費用の合計額』の割合」を示す。

なぜ、全世界で7000社ものキャプティブが設立されるに至ったのか、その「答え」が、この損害保険会社の収益構造から読み取れる。①大きな「保険料」収入が見込めて、③「保険金」の支払いが少額であれば大きな収益をあげることができるからである。しかし、その際に「収益をあげるか否かを決める存在」となるのは、②「事業費」の額である。いくら①が大きくても③が小さくても、その「収入」を超える額の②「事業費」が必要となるプログラムであれば、事態は全く異なってくるからである。

一般の損害保険会社にとって、②「事業費」は経営上大きな負荷となっている費用であり、なかでも「人件費」の負担額が大きい。一例を挙げると、1996年4月、改定保険業法が施行され,8月には、大手生命保険会社6社がそれぞれ損害保険(損保)子会社を設立、生命保険会社全社で50万人規模であった自前の強力な保険販売網「営業職員」(生保レディ)を活用して損保市場になだれ込み、「自動車保険」を「金城湯池」と予測して主戦場と考え、自動車保険販売に資本を集中投下して事業を開始した。しかし、それから四半世紀が経った2021年8月現在「損保子会社」として存在しているのは、ただ一社、明治安田損害保険のみである。

ちょうどその頃、明治生命・明治損害保険(現明治安田生命・現明治安田損害保険)より損保事業に関する経営コンサルタントを委嘱された筆者は、米国で損害保険会社に勤務して「自動車保険の行く末」を熟知していたため、「自動車保険市場からの撤退」を強力に経営陣に進言した。米国勤務で得た知見から、「自動車保険は、いずれ事業費、特にIT投資の多寡によって勝敗が決まる」と踏んでいたからである。英邁な経営陣は、2004年の合併時にそのことを実現させた、「一切の自動車保険の販売から撤退、他社に自動車保険契約の全てを移行させた」のである。

その後は筆者が読んだとおり、自動車保険は激烈な「新商品開発=IT投資の場」となりコスト増に耐えきれなくなった生保の損保子会社は続々と合併、また市場から撤退していったのである。

生命保険会社は、強力な販売網は有していても、「損害保険金の査定、支払い網」は有していない。「自動車事故が起きようと起きまいと、全国に損害サービススタッフを常駐させる査定網を置かなければ、損害保険会社としては機能しない」ため、全国どこでも事故が起きる可能性のある自動車保険のために、全国に査定網を置き続けなければならない。「契約が取れようと取れまいと、事故が起きようが起きまいが」である。

損害保険会社の社会的使命として、それが求められているからである。しかし、「そのコスト」たるや、「膨大な人件費=事業費」である。多くの生保の損保子会社が自動車保険をメイン商品に選んだことは企業戦略上のミス、「『損害保険会社として、主戦場(戦略ドメイン)選択の失敗』であった」と言わざるを得ないであろう。「先を行く国、米国の保険事情」に真摯に注目していたら見えたはずの「失敗のシナリオ」であった。

このように、損害保険会社の経営に非常に大きな影響を与える存在が、②「事業費」なのである。業務はキャプティブのコンサルティング会社、運営管理会社に委託、保険金の支払い査定は、元受保険会社がおこなうことによって、「事業費を大幅に圧縮できている保険会社」、非常に効率的な損害保険経営ができている保険会社がキャプティブである。

だからこそ、キャプティブからの再保険手配を的確におこなうキャプティブが設立されれば、本来は「リスクを事業収益に換えること(Turning Risk to Profit ®)」が可能となる。そのためには、損害保険に関するプロフェッショナル、世界の保険・再保険市場に関して豊富な知見を有するキャプティブのコンサルティング会社のサポートとアドバイスを得てキャプティブを設立することが肝要であることは言うまでもないことではないだろうか。

4.なぜ「キャプティブという存在」が必要なのか

損害保険会社はその「社会的使命」から様々な事業上の制約を課されている。「損害保険料率算出団体に関する法律第8条」により、「保険料は合理的かつ妥当なものでなければならず、不当に差別的なものであってはならない」と定められており、国内の保険会社の保険料設定には厳しい制限がある。

一方、競争原理が強く働く海外の保険市場では、すべてが「自己責任の原則」に基づき、料率の算定もそれぞれの保険会社が決定する。したがって、提供できる補償の金額やその保険料水準は、保険会社のアンダーライター(保険引受の権限を有する専門職)のリスク判断や保険市場での引受補償枠(キャパシティ)の需給状況によって大きく異なるが、海外の保険市場は激しい競争状態にあるため、国内の保険商品と比べて保険料がかなり低い傾向にある。

しかし、インターネットが発展して世界経済を動かす存在になっても、こういった海外の保険を直接掛けることは、保険業法第186条によって原則としてできない。日本で免許を受けない保険者によって日本のマーケットに混乱をきたす可能性があることがその主因である。

第186条(日本に支店等を設けない外国保険業者等)

日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定める保険契約を除く・・・。

日本の企業が、例えば「英国の保険会社の商品が良く、また保険料も安く、大きな補償枠を得られるから」と考えてもその英国の保険会社と「日本にある人もしくは財産」に関わる保険契約を直接締結することは原則としてできない。

しかし、その保険に掛けたいリスクを日本で免許を得た損害保険会社が「元受保険会社」として引受、そしてそのリスクを「元受保険会社」が「キャプティブ」を再保険者として再保険を掛けることはできる。

つまり、海外に設立する「キャプティブ」に保険を掛けることを日本の元受保険会社経由でおこなうことはできるのである。しかし、「再保険」によって、自社のリスクを「自社の保険会社」であるキャプティブに掛けることは、当然「リスクヘッジ」にはならない。キャプティブに元受保険会社からヘッジされたリスク(再保険)がそのままに残っているからである。しかし、そのリスクが更に外部に「再々保険」としてヘッジされれば話は別である。

ここまでご覧になってきた方は疑問をお持ちのはずである。「日本を代表するような損害保険会社でさえ難しい、『例えば地震保険のように引受が難しい保険分野で、高額の補償を廉価で提供すること』が、キャプティブ・プログラムではどうして可能になるのか」と。

「元受保険→再保険→再々保険」の矢印のように、通常、保険のリスクはこのように流れていく。しかし、「キャプティブ・プログラム」では、「元受保険会社が引き受けられない補償額、補償範囲を引き受けてくれる世界的な規模を有し、かつ信用力のある再保険会社をロンドンマーケットで調査、そして交渉して、『補償の確保=再々保険の確保』をすること」が第一歩となる。

次にこの「補償の確保」をもとに「元受保険会社」と「どのようなキャプティブ・プログラムが構築できるかを検討していく」ことになる。つまり、「キャプティブ・プログラム」の構築に於いては、「上記の『矢印』はまったく逆の方向を向くこと」になる。野菜等の「産地直送」と同じ、キャプティブ・プログラムとは、損害保険の本場ロンドンから「保険を産地直送すること」であり、そのための手段がキャプティブなのである。

日本の「元受保険会社」は、保険事故が起きた際に日本で契約者に支払う「保険金」の原資となるべき「再保険金」の回収元である「再保険を掛ける先=再保険会社は、安定した存在であること」を当然求める。通常、損害保険会社が再保険を掛ける先である「再保険会社」は、こういった点から「然るべき格付け、通常『A格』をMoody’s、S&P等から得ていること」が再保険契約成立の大前提となる。

「キャプティブ」は、企業が海外に設立する「小さな損害保険会社」であり、「格付け取得の要件を満たすこと」は無い。その代わりとなる存在が、「キャプティブから、優良格付けを有する再保険会社へ再々保険契約が成されるという証し」、つまり「再々保険契約」なのである。これが、日本で保険を引受ける元受保険会社がキャプティブに対して「再保険」を掛ける(再保険を出す)ことができる「保証」としての存在となる

グローバル・リンクがキャプティブ事業を開始するまで、有名大手企業を除いて、「キャプティブ設立」を検討、進めていた企業の多くは、「キャプティブ=リスクマネジメント」ではなく、「キャプティブ=貯金箱」と考える企業であったといわれている。「キャプティブのリスクマネジメント=キャプティブからの再保険手配」であるにも関わらず、「世界の再保険市場」を知悉した「キャプティブの設立を勧奨するプレーヤー(キャプティブ・コンサルティング会社)」が存在しなかったからである。

ホームページの「沿革」に、またこれまでのコラムにも記してきたとおり、グローバル・リンクは事業開始とともに、まず川田剛先生(元仙台国税局長、元明治大学大学院教授、税理士)に顧問をお願いして、「適正であり、適格、的確な事業推進」をご指導いただき、続いて、「タックスヘイブンの泰斗」であった志賀櫻先生(元大蔵省東京税関長、弁護士)にも顧問としてご参加いただき、「適正、適格、的確なキャプティブ(ソリューション・キャプティブ®)の設立、運営」をおこなってきたが、顧問の先生方との打ち合わせのなかで常に議論されたことが、「キャプティブからの再保険が、適格にまた的確にロンドンマーケットの世界最大級の再保険会社になされているか」ということであった。

今回のまとめ

日本は、地震・津波などの地震災害国であるにも関わらず、地震保険分野であっても、国内の損害保険会社が販売する一般的な地震保険商品では、企業が必要とする高額の補償を確保することは困難な状況が続いていると仄聞する。

一方、海外の保険市場には、巨大な保険引受力(キャパシティ)が存在するため、国内の一般的な企業向け地震保険商品では提供できない高額の補償を得ることができる可能性が非常に高い。

しかし、日本損害保険協会の行動規範には、「安心かつ安全で持続可能な社会の実現と、経済および国民生活の安定と向上に資する相互扶助制度を円滑に運営することが、損害保険事業の社会的使命として求められている」とあるとおり、損害保険会社はその社会的使命として、「ある特定の一社にのみ補償を提供することではなく、日本国内の個人、企業に遍く広く補償を提供すること」が求められている。「一社のみの要望に応える存在」になることはできないのである。

だからこそ、「一社のみの要望に応えるキャプティブ」が果たす役割は非常に大きいと言える。また、前述のとおり、キャプティブはコスト構造の面から非常に効率的な運営ができる企業体である。

海外に設立したキャプティブを通じて、海外の保険市場からキャプティブの再保険(元受保険会社から見れば、再々保険)を廉価で確保できれば、元受保険会社と海外の保険会社との保険料の差額はキャプティブの利益となる。事実、キャプティブの年次総会の度に、「Turning Risk to Profitが大きく達成できていますね」と「キャプティブの財務諸表」をご覧になるお客さま方からそういうお声をいただいている。

コロナ禍の先に薄日が垣間見えるようになってきた今、「企業収益の回復」に大きく寄与出来得るキャプティブの設立を検討する良い機会ではないだろうか。

グローバル・リンクが提唱する「ソリューション・キャプティブ®・プログラム」とは、電気機関車が登場する前、蒸気機関車を2両以上連結して険しい山越えをおこなった「重連運転」(俗称「トンボ連結」)のように、「世界最大級の再保険会社と日本の最大級の保険会社(元受保険会社)がキャプティブを『連結器』にして連携、連結して、一見不可能と思えるような『補償の提供』を可能にするプログラム」ということができるであろう。

執筆・翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

Captive 30 – Why do we need a captive?

“I have read the website and your column and understand the benefits of captives, but how can I explain them to my management team who are not familiar with insurance?” This is the question we received on our website.

To answer this question, I would like to go back to the basics and explain why we need captives and what they can do for us.

1. Why captives exist

Risk management is a corporate strategy for eliminating or limiting impediments and uncertainties that prevent a company from achieving its objectives. In Japan, risk management has always been understood as “loss prevention and mitigation activities”, as this is what non-life insurers recommended to their clients to improve their own insurance profits. However, risk management is not just “damage prevention and mitigation activities”. It is about identifying the many risks that companies, groups, and organisations face, calculating and analysing the magnitude of those risks, assessing whether they are acceptable or not, developing and implementing risk-response measures for each risk, and then making steady improvements through the PDCA cycle on a regular basis.

To achieve this, it is important to establish a system “within the company” to clearly understand the magnitude and frequency of the risks, and to regularly clarify “what measures, including insurance, can be taken or are being taken” to deal with those risks.

“The act of placing an insurance policy with a non-life insurer” is understood to be “hedging” (reducing or eliminating risk)” because the company is taking the risk out of its own hands and is considered to have “eliminated the risk”, but there is a fact that “insurance policies also clearly state risks that non-life insurance companies do not assume as ‘exclusions'”. There are also “limits on the amount of cover”. A captive programme, led by a captive, provides a clear and continuous overview of the risks that a company has or may have, including those risks that cannot be simply eliminated by insurance.

2.Objectives of the captive

A captive is a means to ensure that a company has sufficient and broad coverage beyond what Japanese non-life insurance companies can provide for “risks that are deemed to be insurable due to their nature, i.e. risks that occur infrequently but are likely to cause significant losses when they do occur, such as earthquake risks”.

②In addition, even if a captive “arranges for reinsurance from the captive as necessary and sufficient to hedge the captive’s risk”, the captive is an “in-house insurance company” that underwrites its own risks, and therefore, the captive should not take the view that “insuring” means “hedging risks with external non-life insurance companies”. As a result, captives are expected to develop a “high level of risk management” within their companies, and in fact, many captives have found that this side effect has led to better insurance returns for their captives. 

③Furthermore, “captives can monetise the difference between domestic and foreign premiums by accessing the overseas reinsurance market”, which enables them to convert insurance risk, which was a mere “cost” before the establishment of the captive, into business profit (Turning Risk to Profit ®).Therefore, we call the captives that Global Link helps to establish “Solution Captives ®”, as they can be an effective solution to a company’s risk challenges.

3.Why Captives bring “Turning Risk to Profit ®”

A captive is clearly an “insurance company”. To understand the profit structure of an insurance company, I would like to describe the profit structure of a non-life insurance company in Japan. The profit structure of a non-life insurance company can be simplified as follows: (1) premium income, (2) personnel and property costs are required to obtain the premium income, and (3) money is required to be paid in the event of a loss due to an insurance accident. (1) is called “insurance premium”, (2) is called “business expense”, and (3) is called “insurance payment”.

(1) “Insurance premium” means “direct premiums” (premiums earned from insurance sales (excluding reserve premiums)), to which “net premiums received” (premiums received when reinsurance is underwritten by other insurance companies) is added, and “net premiums ceded” (premiums paid when reinsurance is ceded to other insurance companies) is deducted. In the case of an ordinary company, the figure is called “net premiums written”. In the case of general companies, this is equivalent to “net sales”.

(2) “Operating expenses” are the figures for “operating and general administrative expenses related to insurance underwriting, as well as commissions and collection expenses. Expense ratio”, a term often used to look at the profit structure of non-life insurance companies, refers to “the ratio of expenses used for soliciting and maintaining insurance to premiums received by non-life insurance companies”.

(3) “Claims” refers to ” claims paid” in general, and “net claims” is the sum of “claims paid” plus “net reinsurance received” (reinsurance paid to other insurance companies) and less “net reinsurance ceded” (reinsurance recovered from other insurance companies). The “loss ratio” is the ratio of “total claims paid and loss adjustment expenses” to premiums.

The profit structure of non-life insurance companies provides the answer to why some 7,000 captives have been established around the world. The reason is that they can generate large profits if (1) premium income is large and (2) claims payments are small. However, it is the amount of (2) “business expenses” that determines whether the company will make a profit. No matter how large (1) is or how small (3) is, if the program requires (2) “business expenses” more than the “income”, the situation will be completely different.

In fact, for general non-life insurance companies, (2) “operating expenses” are a major burden on management, with “personnel expenses” being the largest burden. To take one example, in April 1996, the revised Insurance Business Law came into force, and in August, six major life insurance companies set up their own non-life insurance subsidiaries and entered the non-life insurance market by using their own powerful insurance sales network of 500,000 “life insurance ladies”. The company began to concentrate its capital on automobile insurance sales, anticipating that this would be its main battleground. However, as of August 2021, a quarter of a century later, only one company, Meiji Yasuda General Insurance, exists as a “non-life insurance subsidiary”.

At that time, I was commissioned by Meiji Mutual Life Insurance Company and Meiji General Insurance Company (now Meiji Yasuda Life Insurance Company and Meiji Yasuda General Insurance Company) as a management consultant for their non-life insurance business. Having worked for a non-life insurance company in the U.S., I was aware of the future of automobile (Motor) insurance. Based on the knowledge I had gained during my time in the US, I believed that the auto insurance market would eventually be won or lost depending on how much IT investment was made. The wise and intelligent management of the time achieved this when they merged in 2004, “withdrawing from the sale of all motor insurance and transferring all motor insurance policies to other companies”.

Since then, as I have predicted, motor insurance has become an area of intense “new product development = IT investment” and the non-life subsidiaries of life insurers, unable to cope with rising costs, have merged or withdrawn from the market one after another.

Life insurers have a strong sales network but no claims assessment and payment network. They must keep a nationwide network for motor insurance because “a non-life insurer cannot function without a nationwide network of assessors, whether there is a motor accident or not”, whether they get a policy or not, whether there is an accident or not. It is the social mission of non-life insurers to do so. However, the cost is high. The choice of motor insurance as a main product by many life insurers’ non-life subsidiaries was a strategic error, a “failure of a non-life insurer to choose its main battleground (strategic domain)”. “It was a scenario of failure” that could have been avoided if the company had paid serious attention to the insurance situation in the US.

As we have seen, the cost of business is a major factor in the management of non-life insurance companies. By outsourcing these costs to captive consulting and management companies, and by having the primary insurer assess claims payments, captives can “significantly reduce operating costs” and achieve highly efficient non-life insurance management. Therefore, it is possible to “turn risk into profit ®”.

It is obvious that it is essential to set up a captive with the support and advice of a captive consulting firm that is a true professional in non-life insurance and has extensive knowledge of the global insurance and reinsurance markets.

4. Why do we need a “captive presence”?

Non-life insurers are subject to a number of business constraints due to their “social mission”. “Article 8 of the Law on Non-Life Insurance Rate Calculation Bodies” stipulates that “premiums shall be reasonable and proportionate and shall not be unreasonably discriminatory”, which places severe restrictions on the setting of premiums by domestic insurers.

On the other hand, in overseas insurance markets, where the principle of competition is strong, everything is based on the “principle of self-responsibility” and the calculation of premium rates is decided by each insurance company. As a result, the amount of coverage that can be provided and the level of premiums vary greatly depending on the risk judgement of the underwriter and the supply and demand for underwriting capacity in the insurance market. They tend to be considerably lower than those of domestic insurance products.

However, even with the development of the internet and its ability to drive the global economy, it is not possible in principle to directly place such overseas insurance, according to Article 186 of the Insurance Business Act. The main reason for this is that the Japanese market is confused by insurers who are not licensed in Japan.

Article 186 (Foreign insurers, etc. not having branches, etc. in Japan)

A foreign insurer which does not establish a branch office, etc. in Japan shall not issue insurance contracts (excluding insurance contracts specified by a Cabinet Order…) relating to a person having a domicile or residence in Japan, or property located in Japan, or a ship or aircraft having Japanese nationality.

Generally, a Japanese company cannot directly conclude an insurance contract with a foreign insurance company relating to “persons or property located in Japan”, even if it considers, for example, that “the products of a British insurance company are better and cheaper and provide a larger coverage limit”. However, a non-life insurance company licensed in Japan can underwrite the risk of the company as a “primary insurer”, and the “primary insurer” can re-insure the risk with a “captive” as a reinsurer. In other words, a captive established overseas can be insured through a Japanese primary insurer. However, ensuring your own risk with a captive that is “your own insurer” is not, of course, a “risk hedge”. This is true if the captive retains the risk hedged by the primary insurer (reinsurance), but not if the risk is further hedged externally as “reinsurance”.

If you have read this far, you must be wondering. “Even Japan’s leading property and casualty insurers are finding it difficult. How can a captive program provide high value coverage at a low price in an underwriting area as difficult as earthquake insurance?”

Normally, insurance risks flow in this way: “primary insurance → reinsurance → retrocession (reinsurance from a captive)”. However, with a captive programme, the first step is to “secure coverage” in the London market from a global, reputable reinsurance company that can underwrite the amount and scope of coverage that the primary insurer cannot.

The next step is to develop a captive programme with a primary insurer based on this “‘security of cover”. ​In other words, the arrows point in exactly the opposite direction when it comes to building a captive programme. In a sense, it is like sending vegetables directly from their place of origin, from London, the home of non-life insurance. Captives are the means to achieve this.

Japanese “primary insurers” also want to ensure the stability of the “reinsurance company”, which is the source of the “reinsurance money” that should be paid to policyholders in Japan in the event of an insurance accident. For this reason, reinsurance companies must be rated “A” by Moody’s, S&P, etc. to be eligible for reinsurance contracts.

A “captive” is a “small non-life insurance company” set up overseas by a company and does not “have to meet the rating requirements”. Instead, it is the “reinsurance contract” that is the “evidence of a reinsurance contract from the captive to a reinsurance company with an appropriate rating”. It is a “guarantee” that the underwritten primary insurer will be able to “reinsure” the captive.

Prior to the launch of Global Link’s captive business, most companies, except for the biggest names in the industry, had a captive as a piggy bank rather than a risk management vehicle. This is because there were no players in the global reinsurance market to encourage the establishment of captives, even though “captive risk management = reinsurance arrangements from captives”.

As noted in the “History” section of the website and in our web site and in previous columns, when Global Link began its operations, we first sought the advice of Dr. Go Kawada (former head of the Sendai Regional Taxation Bureau, former professor at Meiji University Graduate School, and certified tax accountant) for “proper and accurate business promotion”. During these meetings, we have discussed with our advisors how we can ensure that the reinsurance from the captive will be sufficient to cover the cost of the reinsurance. In meetings with our advisors, the question has always been: “Is the reinsurance from the captive being accurately placed with one of the world’s largest reinsurers in the London market?”

Summary of this issue

Despite Japan being a country of earthquakes and tsunamis, it continues to be difficult for companies to secure the prominent levels of coverage they require with the standard earthquake insurance products sold by domestic non-life insurers, even in the earthquake insurance sector. On the other hand, the huge underwriting capacity of overseas insurance markets means that there is an exceptionally good chance that companies will be able to obtain the prominent levels of coverage that are not available through standard earthquake insurance products for domestic companies.

However, as the Code of Conduct of the General Insurance Association of Japan states, “The social mission of the non-life insurance business requires the smooth operation of a mutual assistance system that contributes to the realization of a safe, secure and sustainable society and to the stabilization and improvement of the economy and people’s lives”. It is the social mission of the non-life insurance business to operate a system of mutual assistance smoothly,” and as such, non-life insurance companies are required to “provide compensation not only to one company, but also to individuals and companies throughout Japan. “They cannot be a company that meets the needs of only one company”.

Therefore, the role of a “captive” is so important. In addition, as mentioned above, captives are very efficient in terms of their cost structure.

If a captive can secure reinsurance (or reinsurance from the perspective of the primary insurer) from overseas insurance markets through a captive established overseas at a lower price, the difference in premiums between the primary insurer and the overseas insurer will be the captive’s profit. In fact, at every captive AGM, clients who read the “Captive Financial Statements” tell us that “Turning Risk to Profit has been achieved very well”.

Now that the Corona disaster is behind us, it is a suitable time to consider establishing a captive that can make a significant contribution to the recovery of corporate profitability.

Global Link’s” Solution Captive® Program” is a program that enables the world’s largest reinsurers and Japan’s largest insurers (primary insurers) to work together using captives as” couplers” to provide seemingly impossible” coverage”, much like the” double-coupled operation” (commonly known as” dragonfly coupling”) of two or more steam locomotives to cross a steep mountain before the advent of electric locomotives.

Author/translator: Shinichiro Hatani