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キャプティブ 2022.07.20

CA39 キャプティブはどんなメリットを生むのか

当コラム内の文章の無断転載・引用・複製を固く禁じます。

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

ホームページにお問い合わせを戴いた不動産会社の役員の方から;

「旧知の社長が、『キャプティブのコンサルティング会社を紹介され、地震保険のキャプティブをハワイに造ったら、いままで補償されなかった地震が起きたときの収益低下も補償され、保険料も実質的に四分の一になり、その収益がキャプティブに貯まっている。おまけに社内のリスクマネジメント態勢も進んでいて、良いことずくめだよ』と言っていたけど、うちでつくっても本当にそうなるのでしょうか?キャプティブをつくるメリットは何でしょうか?」というご質問を受けた。

「旧知の社長」の会社名は伺わなかったが、「会社の概要を伺ってみて、そのキャプティブのコンサルティング会社は弊社であるということ」を知り、日本でも静かにキャプティブの市場が拡大していることが分かった

そこで、今回のコラムでは、「キャプティブを設立すると、具体的にどんなメリットが生まれるのか」ということを記していきたい。

1.キャプティブの設立によって、「広範な補償を得ること」、「保険料を低くすること」が可能となる

損害保険会社はその事業の「社会的使命」から様々な制約を課されている。「損害保険料率算出団体に関する法律第8条」により、「保険料は合理的かつ妥当なものでなければならず、不当に差別的なものであってはならない」と定められており、国内の保険会社の保険料設定には厳しい制限がある。

一方、競争原理が強く働く海外の保険市場では、保険料率(保険料)の算定はそれぞれの保険会社が決定する。海外の保険会社では「アンダーライター」と呼ばれる、「保険引受の権限を有する専門職」が補償金額や保険料を決めている。保険市場での引受補償枠(キャパシティ)の需給状況によって異なることもあるが、海外の保険市場は激しい競争状態にあるため、一般的に国内と比べて保険料が低い傾向にある。

しかし、日本の企業が海外の保険会社に「日本に存在する人もしくは財産」に関する保険を直接掛けることはできない。日本で免許を受けない保険会社によって日本のマーケットが混乱をきたす可能性があることに対応する法律、「保険業法第186条」によって禁止されているからである。

第186条(日本に支店等を設けない外国保険業者等)

日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定める保険契約を除く。次項において同じ。)を締結してはならない・・・。

しかし、キャプティブを介せば別である。普通、損害保険分野では、「元受保険→再保険→再々保険」の矢印のような段階を経て「引受けたリスク」は、リスク・ヘッジされていく、このフローの中で、キャプティブは「再保険会社」として機能するからである。

ただ、通常の流れと異なり、「キャプティブ・プログラム」では、この矢印が逆方向に話が進む。それが「広範な補償を得ること」、「保険料を低くすること」が可能にすることになるのである。

「企業向け地震保険のような高額な引受が難しい分野でも、高額の補償に加えて、さらにそれを廉価で提供することが可能な、世界的な規模を有する信用力のある再保険会社を再保険市場(ロンドンマーケット)で調査、交渉して、まず『補償の確保=再々保険の確保』をすること」が第一歩となるのである。

次に、この「再々保険の確保」をもとに「元受保険会社」と「どのようなキャプティブ・プログラムが構築できるか」を検討していくことになる。このように、野菜等の「産地直送」と同じく「キャプティブ・プログラムとは、損害保険の本場ロンドンから、世界第一級の保険を廉価で産地直送すること」なのである。

その結果として、日本で免許を得た損害保険会社が、まず企業が掛けたい保険を「元受保険会社」として引受け、そして「再保険会社」として海外に設立された「キャプティブ」にそのリスクの再保険を掛ける。そして、そのリスクは更に「再々保険」としてロンドン・マーケット(ロンドン再保険市場)へリスク・ヘッジされていくのである。

2.キャプティブの設立によって、「海外の最先端の保険を掛けること」が可能となる

日本の損害保険は、日本独自に生み出されたものより海外から導入した保険商品の方が圧倒的に多い。生命保険と異なり損害保険では、地震、台風等の自然災害、サイバーリスク等、「大規模な損害が発生する可能性が高い」ため、「再保険の手配は必須」となっている。その世界最大の再保険市場はロンドンにあるため、どうしても海外で開発された商品が導入される傾向が強いからである。

例えば、「サイバーリスクに対応する保険」は日本でも販売されているが、ロンドン市場で販売されているサイバー保険に比べて、「補償範囲はかなり狭く、保険料は高い」と感じる。サイバー攻撃によるランサムウェア(身代金型ウィルス)など特殊なサイバーリスクに対する補償が盛り込まれておらず、日本でそのような補償を確保することが困難な状況にある。これが、「日本企業がサイバー保険の購入にあまり積極的ではない理由」と筆者は考えている。

日本損害保険協会が2019年3月に実施した「サイバー保険に関する調査 2018」によると、サイバー保険の加入状況は12%程度である。加入していない理由としては、「保険の必要性を感じなかった」また「保険の存在を知らなかった」が多く、さらに、「加入を検討したが、加入しなかった企業の半数近く」は、「保険料が高かった」と回答、特に売上高 100 億円以上の企業では「保険料が高かった」が最多で、「補償内容がわかりづらかった」も比較的高い結果となっていた。

つまり、「海外の最先端の新保険商品を掛けること」を可能にする手段がキャプティブと言えるであろう。

3.キャプティブの設立によって、「海外に会社資金を保管すること」が可能となる

よく受ける質問に「なぜ、キャプティブは日本では設立できないのか、なぜ海外に設立するのか」がある。日本で設立できれば良いが、以下の理由によって、キャプティブを日本で設立することはできない。

① 日本では「一社のみに保険を提供する(引受ける)保険会社=自社専用保険会社(キャプティブ)」という存在は、保険会社及び保険募集の規制を目的とした、保険に関する根本法である「保険業法」には定められておらず。また、

② 前回のコラムにも記したが、日本損害保険協会の行動規範にも、「安心かつ安全で持続可能な社会の実現と、経済および国民生活の安定と向上に資する相互扶助制度を円滑に運営することが、損害保険事業の社会的使命として求められている」とあるとおり、保険会社はその社会的使命として、国内の個人、企業に遍く広く一円に補償を提供することを求められているからである。

しかし、キャプティブを海外に設立することによって新たな効用が生まれる。

「20年ぶりの円安水準」と最近報道されているが、南海トラフ地震、また富士山の噴火等、これら「国難」とも思えるような大災害に襲われた時、「日本の通貨、円への評価」はどのようになっているのだろうか?

経済活動に甚大な損害を与える事象によって日本経済への評価は大変厳しくなり、「通貨価値の大幅な下落」が予期されるのではないだろうか。その時、海外に設立したキャプティブの銀行口座に収益として蓄えられている「ドル資金」は、企業が復興するためには非常に大きな力を果たすのではないだろうか。

4.キャプティブの設立によって、「新たな事業分野を開拓すること」が可能となる

米国の損害保険料は約9000億ドル(約120兆円)の規模であり、日本の約12兆円の約10倍の規模である。また、損害保険会社の数は約2,000社である。これだけ大きな規模の市場であるということは、「自己責任原則」を背景としながらも損害保険会社には自由で広範な活動が認められているということであり、また保険監督当局の監督姿勢にも「柔軟性を見受けることができる」と言われている。

こういった点から、保険会社の一形態である「キャプティブ」を米国に持つことは、「自社リスクのみを引受けるキャプティブ(自社専用保険会社)」という存在から「一般の保険会社への事業拡大の途」を進め、企業の新たな事業展開を可能にすることにもなるのである。

ロイズ(Lloyd’s of London)ビルの内部

Interior of the Lloyd’s of London building

今回のまとめ

日本企業が海外に保有するキャプティブ(自社専用保険会社)の数は、未だに100社程度のレベルである。一方、米国の企業、団体が設立したキャプティブの数は4,000社を超え、世界全体では8000社を超える規模にまで拡大してきている。この彼我の差はどこから来ているのであろうか。

欧米では「リスクマネジメント=企業戦略の中心」とされているにも関わらず、一般的に日本では企業経営陣はリスクマネジメントに関心が薄く、リスクマネジメントを企業戦略の柱としている企業が少ないのもその理由の一つとなろう。

しかし、グローバル・リンクがキャプティブの設立、運営を委託された企業すべてでは、検討の初期の段階から経営陣がその検討の中心者として強く積極的に関与され、設立後も「キャプティブの年次総会」には必ず出席、「キャプティブ設立によって、収益面、リスクマネジメント体制の確立等で大きな効用」を自らの目で確認され、その効用を享受されている。

また、元受保険会社となるべき損害保険会社の対応も欧米と日本では大きく異なっていることも挙げられるであろう。この点については、実際の事例であるが、「キャプティブ化によって収益が減少する」懸念からか、メインの損害保険会社がキャプティブの設立を検討している企業に対してキャプティブに関して片手落ちなネガティブなことを伝えていると感じている。

一方、日本でも先進的な損害保険会社は存在していて、日本の損害保険分野をガラパゴス化させている旧態依然とした損害保険会社との間には、キャプティブに関して非常に大きな見解の相違があることも事実である。

一昨年来のコロナ禍によって、「二次災害」とも言うべき「サイバー犯罪」が起きている。サイバー犯罪が急増、「サイバー保険」分野で保険金の支払いが急増して損害率が大きく悪化して保険料率も大幅に上げてきている状況が海外の保険専門誌等で報道されている。こういう事態に対応するため、海外では「もう、損害保険会社には頼ってはおられない」とばかりに「キャプティブの設立ラッシュ」が起きていることも同時に報道されているが、なぜか日本のマスコミでは一切報道されていない。

「感染拡大の報道」の一方で、経済復興の動きも活発化してきている、コロナ禍の影響を受けた事業の再構築のためにも、「コロナ禍以上の最大級のリスク、巨大地震リスクに備える」ためキャプティブの設立を検討する良い機会ではないだろうか。

執筆・翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

Captive (CA) 39 – What benefits do captives generate?

A director of a real estate company who contacted us about our website said.

’The president of an old acquaintance said: “I was introduced to a captive consulting company and we built an earthquake insurance captive in Hawaii, which covers the loss of earnings in the event of an earthquake, which was not covered before. In addition, the company’s internal risk management system is also progressing, which is a good thing,” he said, but will that really happen if we create a captive? What are the benefits of creating a captive?’ We were asked.

Although we were not asked the name of the “company “, we learned that the consulting company for the captive was us, after we asked for an overview of the company.

In this column, I would like to explain the advantages of establishing a captive.

1.Benefit No. 1: “Broader coverage” and “lower insurance premiums” are possible.

Non-life insurance companies are subject to various restrictions due to the ” social mission” of their business. Article 8 of the Law on Non-Life Insurance Premium Rate Calculation Bodies stipulates that premiums must be reasonable and appropriate and must not be unjustifiably discriminatory, and there are strict restrictions on the setting of premiums by domestic insurance companies.

On the other hand, in overseas insurance markets, where the principle of competition is strongly enforced, the calculation of premium rates (premiums) is determined by the respective insurance companies. In foreign insurance companies, compensation amounts and premiums are determined by ” underwriters”, i.e. professionals with the authority to underwrite insurance. Although this may vary depending on the supply and demand situation for underwriting capacity in the insurance market, premiums generally tend to be lower than in Japan due to the highly competitive nature of the overseas insurance market.

However, Japanese companies cannot directly insure ” persons or property located in Japan” with foreign insurance companies. This is prohibited under Article 186 of the Insurance Business Law, which addresses the potential disruption of the Japanese market by insurance companies that are not licensed in Japan.

Article 186 (Foreign insurers without branches in Japan, etc.)

A foreign insurance provider that does not establish a branch office, etc. in Japan may not conclude insurance contracts (excluding insurance contracts specified by Cabinet Order) pertaining to a person having a domicile or residence in Japan or property located in Japan, or a ship or aircraft having Japanese nationality. The same shall apply in the following paragraph).

However, this is not the case if it is through a captive. Normally, in the non-life insurance sector, ”underwritten risks” are hedged and flow through the stages in this order, as in the arrow of ”primary insurance → reinsurance → reinsurance”. In ”captive programmes”, however, the story proceeds in the opposite direction of this arrow.

The first step is to ”secure coverage = secure reinsurance” by researching and negotiating in the reinsurance market (London market) with reinsurers of global scale and creditworthiness who can offer not only high coverage but also lower prices, even in areas such as earthquake insurance for companies where high underwriting costs are difficult to obtain. This is the first step.

Next, based on this ”securing of reinsurance”, the company will consider ”what kind of captive programme can be established” with the ”primary insurer”. In this way, like “direct shipment of vegetables”, “a captive programme is the direct shipment of world-class insurance from London, the home of non-life insurance, at a low price”.

As a result, non-life insurance companies licensed in Japan first underwrite the insurance the company wants to insure as a ”primary insurer” and then reinsure the risk with a ”captive” established overseas as a ”reinsurer”. The risk is then further hedged as a ‘reinsurance’ to the London market (London reinsurance market).

2.Benefit No. 2: “Cutting-edge overseas insurance” is possible.

The vast majority of non-life insurance products in Japan are imported from abroad, rather than being developed independently in Japan. Unlike life insurance, non-life insurance is “highly susceptible to large-scale losses” from natural disasters such as earthquakes and typhoons, cyber risks, etc., making “reinsurance arrangements essential”. This is because the world’s largest reinsurance market is located in London, which inevitably tends to introduce products developed abroad.

For example, “insurance for cyber risks” is available in Japan, but the coverage is felt to be “much narrower and the premiums higher” compared to cyber insurance sold in the London market. It does not include coverage for special cyber risks such as ransomware (ransom-type viruses) caused by cyber attacks, and it is difficult to secure such coverage in Japan. The author believes this is the reason why “Japanese companies are not very active in purchasing cyber insurance”.

According to the Survey on Cyber Insurance 2018 conducted by the General Insurance Association of Japan in March 2019, only around 12% of respondents have cyber insurance. The most common reasons for not subscribing were that they did not feel the need for insurance or did not know that insurance existed, and furthermore, almost half of the companies that considered but did not subscribe said that the premiums were too high, especially for companies with sales of JPY 10 billion or more, and The number of respondents who said they found it difficult to understand the contents of the coverage was also relatively high.

In other words, captives are a means of making it possible to “purchase new, cutting-edge overseas insurance products”.

3. Benefit No. 3: Company funds can be stored abroad.

A question we often receive is ” why can’t a captive be established in Japan and why should it be established abroad”. While it would be better if a captive could be established in Japan, it is not possible to establish a captive in Japan for the following reasons.

(i) The existence of an insurance company that provides (underwrites) insurance to only one company = an insurance company dedicated to itself (captive) in Japan is not stipulated in the Insurance Business Law, the fundamental law on insurance, which aims to regulate insurance companies and insurance solicitation. Also.

(ii) As noted in the previous column, the Code of Conduct of the General Insurance Association of Japan also states that “the social mission of the non-life insurance business is to smoothly operate a mutual assistance system that contributes to the realisation of a secure, safe and sustainable society and the stability and improvement of the economy and people’s lives”. The social mission of insurance companies is to provide coverage to individuals and companies in the country in a broad and universal manner.

However, establishing a captive abroad creates a new utility.

The yen has recently been reported to be at its weakest level in 20 years, but how will the Japanese currency, the yen, be valued in the event of a catastrophe such as the Nankai Trough earthquake or the eruption of Mt Fuji, which could be considered a “national disaster”?

The events that inflict enormous damage on economic activities will probably result in a very severe evaluation of the Japanese economy, and a “significant fall in the value of the currency” can be expected. At that time, the “dollar funds” stored as earnings in the bank accounts of captives established abroad would play a very significant role in the recovery of the companies.

3. Benefit No. 3: Company funds can be stored abroad.

A common question we receive is: ‘Why can’t a captive be established in Japan, why establish it abroad?” While it would be better if a captive could be established in Japan, it is not possible to establish a captive in Japan for the following reasons.

(i) The existence of an insurance company that provides (underwrites) insurance to only one company = an insurance company dedicated to itself (captive) in Japan is not stipulated in the Insurance Business Law, the fundamental law on insurance, which aims to regulate insurance companies and insurance solicitation. Also.

(ii) As noted in the previous column, the Code of Conduct of the General Insurance Association of Japan also states that “the social mission of the non-life insurance business is to smoothly operate a mutual assistance system that contributes to the realisation of a secure, safe and sustainable society and the stability and improvement of the economy and people’s lives”. The social mission of insurance companies is to provide coverage to individuals and companies in the country in a broad and universal manner.

However, establishing a captive abroad creates a new utility.

The yen has recently been reported to be at its weakest level in 20 years, but how will the Japanese currency, the yen, be valued in the event of a catastrophe such as the Nankai Trough earthquake or the eruption of Mt Fuji, which could be considered a “national disaster”?

The events that inflict enormous damage on economic activities will probably result in a very severe evaluation of the Japanese economy, and a “significant fall in the value of the currency” can be expected. At that time, the “dollar funds” stored as earnings in the bank accounts of captives established abroad would play a very significant role in the recovery of the companies.

4. Benefit No. 4: Development of new business areas is possible.

Non-life insurance premiums in the US are worth approximately USD 900 billion (approximately JPY 120 trillion), which is approximately ten times the size of Japan’s premiums of approximately JPY 12 trillion. In addition, there are approximately 2,000 non-life insurance companies. Such a large market means that non-life insurance companies are allowed to operate freely and extensively against a background of the “principle of self-responsibility”, and it is said that “flexibility can be seen” in the supervisory attitude of the insurance supervisory authorities.

In these respects, having a captive in the US, a form of insurance company, can enable a company to expand its business from being a captive that only underwrites its own risks to a general insurance company, and to develop new businesses.

Summary of this issue

The number of captives (insurance companies dedicated to their own business) owned by Japanese companies abroad is still at the level of around 100 companies. In contrast, the number of captives established by US companies and organisations exceeds 4,000, and has grown to more than 8,000 worldwide. Where does this difference between the two come from?

One reason may be that, despite the Western view that risk management is central to corporate strategy, Japanese corporate executives generally have little interest in risk management and few companies have made risk management a pillar of their corporate strategy.

However, in all of the companies where Global Link has been commissioned to establish and operate a captive, management has been strongly and actively involved in the discussions from the initial stages, and has always attended the annual general meeting of the captive after its establishment, confirming that “the establishment of the captive has had significant benefits in terms of profitability and the establishment of a risk management system”. He has confirmed with his own eyes the “significant benefits of establishing a captive in terms of profitability, establishment of a risk management system, etc.” and has enjoyed the benefits of this.

It may also be mentioned that the response of non-life insurance companies, which are supposed to be the primary insurers, differs greatly between Europe, the US and Japan. In this respect, as an actual example, we feel that the main non-life insurers are telling companies considering the establishment of a captive something negative and one-sided about captives, perhaps because they are concerned that “activating captives will reduce their profits”.

On the other hand, it is also true that there are progressive non-life insurers in Japan, and that there is a very big difference of opinion on captives between them and the old-style non-life insurers that have Galapagos-ised the non-life insurance sector in Japan.

The covid-19 disaster of the year before last has led to a “secondary disaster”, “cybercrime”. The surge in cybercrime has led to a sharp increase in insurance payments in the field of “cyber insurance”, which has led to a significant deterioration in loss ratios and a sharp increase in insurance premium rates, as reported in foreign insurance journals and other media. It is also reported that, in order to cope with this situation, there is a rush to establish captives overseas, as if to say, “We can no longer rely on non-life insurance companies”, but for some reason this is not reported at all in the Japanese media.

While there are reports of the “spread of infection”, economic recovery is also gaining momentum, and this may be a good time to consider setting up a captive to “prepare for the biggest risk of all, even bigger than the covid-19, the risk of a huge earthquake” in order to rebuild businesses affected by the covid-19.

Author/translator: Shinichiro Hatani