キャプティブを活用したリスクマネジメントなら株式会社グローバル・リンク「お知らせ・コラム」ページ

キャプティブを活用したリスクマネジメントなら株式会社グローバル・リンク「お知らせ・コラム」ページ

Contact Contact
Contact Contact

Menu

Close

お知らせ・コラム

News & column

キャプティブ 2020.01.29

キャプティブ 1ーキャプティブとは(金融時事用語集)



「キャプティブ」という言葉は聞いたことがあるものの、「その意味をしっかりと理解していない」という方は、多いのではないだろうか。その理由として、一つには「非常に優れたリスクマネジメントの手段」でありながら、本来の意義と異なり「不適格な節税手段として紹介、マーケティングをした保険関係者の方々が多かったから」という話をよく聞く。また、一部の保険会社でも、正確な紹介と説明をせずに顧客に対応したため、そのような「間違ったイメージ」が日本では広まったようである。

そこで、本コラムの開始にあたり、まず、2012年「月刊金融ジャーナル」の編集長から要請を受け、筆者が「2013年版金融時時用語集」に寄稿した「キャプティブの用語説明」を記載したい。

1.キャプティブとは

 

日本では、国内に設立できないため海外に設立される、企業、団体等の出資者が自らのために設立した「自家保険会社」と訳される保険子会社。

購入している保険のなかで、損害率が低く収益性が高いと予測される保険をキャプティブに再保険の形でリスク移転して保険を引き受けさせる。単独で設立する「ピュア・キャプティブ」と既にキャプティブを有しているキャプティブ運営会社からその一部を借りる「レンタ・キャプティブ」の2種類に大別。

日本企業による第一号は1970年代に設立。世界的な淵源は1800年代にさかのぼる。全世界のキャプティブ数は、日本金融ビックバンの1996年は約4,000社、設立地別では、カリブ海のバミューダ1,038社、ケイマン418社、米国391社であったが、2011年には総数が約6,000社と急増している。特徴は、米国が2,039社に増加、バミューダは862社に減少。

寄与したのが、「米国内で設立された年間正味収入保険料120万ドル以下の小型キャプティブは投資収益のみが課税対象」となる、国税庁にあたる「内国歳入庁(IRS)」の税法831条(b)項の規定。結果、米系企業(含む個人)は全世界で約4,000社のキャプティブを保有。

一方、日本企業が有するキャプティブは約70社。 1996年からほとんど変化せず、むしろ減少気味。業種は損保、総合商社、海運、エネルギー、自動車、電機等。1社で複数以上保有する企業もあり、保有企業数としては約40社。

導入のメリットは、①保険コストの低減、②保険事業収益・運用益の獲得、なかでも最大のものは③導入後は自社の努力で損害率を下げれば保険料に反映することから、企業・団体内のリスクマネジメントを強化することができるところにある。

(出典:2013年版「金融時事用語集」(金融ジャーナル社[編])

 

2.月刊金融ジャーナル「金融時時用語集」への寄稿経緯

2012年9月10日、「月刊金融ジャーナル」(金融ジャーナル社)の編集長から書状が届いた。

 

「『金融時事用語集』の2013年版を2012年12月中旬に発行する予定です。1989年12月創刊以来、今回で第24版となりますが、関係各第一線の方々にご執筆いただき、広く金融マンの参考書としてご利用いただいております。2013年版につきましても、最近の金融界の激変に合わせて精選した最新の時事用語 約200語につき、的確な解説文と図表等を読者に提供したいと存じます。つきましては、ご多忙のところ誠に恐縮ですが、是非ともご執筆に協力いただきたく、お願い申し上げます。」「お願いする用語-キャプティブ(新規)」、「定義(結論)を56~84字で単なる用語の解説だけでなく、課題やポイントを、時事的にお願いします」

という要請であった。学校を出て外資系損害保険会社に入社、多くの方々のおかげで、若くして枢要な立場に就かせていただいたが、「どうしても世界最先端の損害保険にたずさわりたい」という気持ちが強くなり、日本を出て米国に向かった。入った会社は、当時世界最大と言われた生損保のコングロマリットであった。配属された先は、日本では、全く所縁がなかった「キャプティブ部門」であった。理由を採用面接で会ったCEOに確認すると、「日本企業が世界に有するキャプティブは70社余り、日本ではまだ全く未知の分野だろうが、わが国では既に2000社も設立されている。将来必ず大きな市場になるから」という答えであった。それから、18年後の出来事であった。

金融ジャーナル社は、金融論専攻の大学教授が中心となって1960年10月に創刊された歴史のある金融専門誌であり、しかもその1年の掉尾を飾る「金融時事用語集」への寄稿は、締め切りが10月5日と時間が無かったが、光栄なこととお引き受けをした。

今回のまとめ

今回は、筆者が2012年に月刊金融ジャーナルの編集長から要請を受け、「金融時時用語集」に寄稿したキャプティブの用語説明を記載した。第1回目として、キャプティブの用語説明を行なったが、企業がリスクマネジメントを行う上では、他の関連用語についても正しく理解する必要があるため、他の用語説明も併せてご覧いただければと考えている。

今後のコラム執筆について

今後、コラム欄は、「企業戦略」「リスク対応策(リスマネジメント)」「キャプティブ」、そして「(キャプティブの)運営実務」、これら4つのカテゴリーで記していくこととしたい。

日本では、リスクマネジメントは「損害保険に関連する防災活動」としての位置づけが長年なされ、所管部門は、総務、保険部門であることが多いが、「本来のリスクマネジメント」は、企業戦略の根幹を成すものであり、本格的なリスクマネジメントを進めていくと必ずと言っていいほど、その「必要性」を感じ、設立がなされていく「キャプティブ」は、企業戦略の要になるものである。

したがって、キャプティブに関しては、通常、「経営陣直轄」、もしくは「経営企画部門が所管部としてダイレクトに経営に報告、決裁を仰ぐもの」となっている。こういったことからも、「企業戦略の切り口」からも、リスクマネジメントとキャプティブに有用となると考える投稿をしていきたいと考えている。

また、的確なキャプティブの設立、そのメリットが最大化できるように、「リスクマネジメント」そのものについても様々な事例から、そのエッセンスを記していくことにしたい。「キャプティブ」のコラムでは、より具体的なキャプティブの姿、モデル等。「運営実務」においては、キャプティブの事業化調査、設立のステップ、キャプティブの運営管理、そしてキャプティブをさらに有効活用するための更なるリスクマネジメントの手法等について記していくことにする。

4つのカテゴリーでは、ボリュームの差はあるが、是非、継続的にご覧いただき、キャプティブの設立を視野に入れた、本格的なリスクマネジメントをおこなっていただければと思っており、本コラムが貴社の企業価値向上への一助になればと考えている次第である。