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リスク対応策 2020.06.29

RM37 農業保険(レイヤリング:階層引受)Agricultural Insurance (Layering: Tiered Underwriting)

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

コロナ禍のなか、アフリカ東部で大量発生した「サバクトビバッタ」がアラビア半島、インドへ襲来、2000億匹まで増殖、中国付近にまで迫っており、国際連合食糧農業機関(FAO)は「過去70年で最悪のバッタ被害」と報告している。

サバクトビバッタは寒さに弱くヒマラヤ山脈を超えることはできないため、これ以上の被害が日本を含むアジア地域の東部にまで拡がることは無いと予測されるが、甚大な被害が農作物に発生している。このような、世界の自然災害による損害は、2019年は約1,400億ドル(約15兆円)にのぼり、そのうち損害保険が掛けられ保険金が支払われた総額は500億ドル(約5兆3千億円)と推定されると、最近、欧米の保険専門誌が報道した。

自然災害が起こると大きなリスクと損害に晒される農業。そういった事態に対応するための「農業保険」は、海外では民間保険会社のノウハウの活用をとおして、価格と収穫量の両面から「農業者の収入減少リスク」に対応する等、日本の「農業災害補償制度」とは異なった側面を持っている。

1.海外と日本の「農業保険」の違い

昨今、日本でも被害が多くなっている「雹(ひょう)」。これに対応する「雹害保険」のような、限られた自然災害リスクの場合は、民間保険会社で火災保険の一部として引受けられているが、農業分野における様々な自然災害リスクを複合的に補償する「農業保険」の場合は、リスクが巨大化する可能性が高いため、国が再保険を引受ける等、リスク分散の点で国家が関与することが多い。

日本には、民間保険会社が引き受ける「農業保険」は存在しない。「農協」と呼ばれる「農業協同組合」とは別団体であるが、農家が加入者となって組成する「農業共済組合」が中心となって運営、最終的には農業災害補償法に基づき、国が再保険によりリスクを引受け、その損害を負担する「農業災害補償制度」(「農業共済制度」、もしくは「NOSAI制度」とも呼ばれる)というものがある。

農業保険制度は、国の農業政策の根幹をなすものであり、国の関与が必要な分野であるが、農業者数の減少及び高齢化に伴い、農業災害補償制度の加入者は減少して事業規模は、縮小の一途を辿っている。しかし、国の財政運営は厳しく、国庫負担は、今後、益々難しくなることが想定され課題が多い制度となっている。

また、日本では、主要農産物については価格政策によって農業収入が保証されてきたため、「収穫量減少リスクの農業災害補償制度」のみでも、ある程度農業者の収入減少リスクには対応できていたが、1995 年食糧法が施行され自主流通米が拡大したため、多くの米農家が価格変動リスクに直面するなど、従来の収穫量減少リスクを補償する農業災害補償制度だけでは、農業者の収入減少リスクに対応することは難しくなってきているのが現状であり、海外、特にフランスの例のように、民間保険会社との協業が必要な段階に差し掛かっていると考えている。

2.日本の農業保険制度の概要

終戦から2年後の1947 年、「農業災害補償法」が制定された。風水害等の自然災害、病虫害など不慮の事故による農業者の損失を補償するものである。この制度は、国の農業災害対策として実施している公的な補償制度である。加盟メンバーである農業者が拠出する「共済掛金」によって、損害があった農業者に対して共済金が支払われる「共済」制度であり、概要は以下のとおりである。

 

A. 「共済制度」であるため、「加盟メンバー」である農業者の資力を考えると、損害の危険分散を厳格に図る必要がある。そのため、全国各地域、都道府県に「共済組合」を設立、「共済掛金」を拠出して、さらに「共同準備財産」を組成、日本全体の農業者で損害を補償する共済であり、最終的には国が損失を補償する制度となっている。
B. 共済組合の支払能力を超える損害の発生に備えるため、共済組合は、都道府県単位で「農業共済組合連合会(連合会)」を設立して、連合会で「保険プール」を組成、共済組合の支払い能力を超えるリスクに対応するための方策を構築している。
C. 連合会の支払能力を超える農業災害の発生に備えるため、連合会は、さらに保険責任の一部を国に再保険を出してリスク分散を図っている。
D. 農業災害補償制度の「農業共済事業」には、「農作物共済事業」、「家畜共済事業」、 「果樹共済事業」、「畑作物共済事業」、「園芸施設共済」がある
E. 国は、農業者が支払う共済掛金の一部を負担。国庫負担率は、原則 50%であるが作物によって負担率は若干異なる

 

3.海外の農業保険制度の概要

米国の農業保険は、民間保険会社のみで運営される「収穫雹害保険」(Crop Hail Insurance)、公的保険としての「連邦収穫保険」(Federal Crop Insurance)の2つに別れる。米国他、海外の農業保険の概要は以下のとおりである。

A. 連邦収穫保険は、自然災害等による農作物の収穫量減少を補償する「収量保険」、そして収穫量または価格の変動によって起きる農業収入の減少を補償する「収入保険」に別れる。
B. 米国は、国土が広大であるため、地域によって脅威となる自然災害の種類が異なっている。ハリケーンは米国の南部、東部、地震は西部、竜巻は中部において、それぞれ多く発生するが、経済損失額では、ハリケーンによってもたらされた暴風による災害が最大である。
C. 米国の農業保険制度、「連邦収穫保険」は、米国農務省(United States Department of Agriculture: USDA) のリスク管理局(Risk Management Agency:RMA)に所管されている、連邦収穫保険公社(Federal Crop Insurance Corporation:FCIC)が制度の管理・運営をおこなう主体であり、米国政府と協定を締結した民間保険会社18 社が、保険を販売して、損害の調査は民間保険会社の損害調査会社がおこなうこととなっている。
D. 米国政府は、民間保険会社に対して運営費用を補助するとともに、民間保険会社が保有する保険責任の一部を再保険により引き受けている。
E. 仏国でも、米国同様、民間保険会社が保険料補助などに政府の補助を受けながら、農業保険の引受をおこなっている
F. カナダ、インドでは、政府・政府関係機関が農業保険を提供している。

 

4.日本の農業保険の将来

「キャプティブの設立、運営管理をするのがグローバル・リンクではないか、なぜキャプティブとはあまり縁のないものが今回のテーマとなっているのか」と思われる方が、ここまで本稿をご覧になってきた方の大半であろう。

しかし、この「農業保険」は、世界の自然災害による損害に対して支払われた保険金、共済金のかなりの部分を占める分野であり、「リスクマネジメントとしては、看過できない分野」である。また、筆者は、以前農業保険に深く関わる損害保険会社、共済団体の経営コンサルタントの委嘱を受け、欧米でこの農業保険分野を長く調査した経験があり、かつ、「民間保険会社との協業が必要な段階にさしかかっている」と先に述べたとおり、農業保険分野こそ、「キャプティブの設立によって海外の損害保険会社、再保険会社から、再保険の手段によって、海外から大きな引受枠を得なければならない分野である」と考えるため、今回のコラムのテーマとした。

「民間保険会社との協業」は、何も「保険の引受枠そのもの」ではなく、「保険の引受技術」の面でも、民間の保険会社から導入することができるものがある。その一つが「レイヤリング」という損害保険の引受技法である。

損害保険には、必ずといっていいほど付帯されている契約条件に、「免責金額」というものがある。損害保険に関わることの無い方にとって、「なぜこんな小さな金額を免責金額として付けているのか」と疑問に思う方も多いであろう。しかし、この免責金額を付けるか付けないかで、「その保険の引受の可否さえ決まってしまう要素である」と申し上げると驚かれるであろう。

損害保険業では、「頂いた保険料から、お支払いする保険金、そしてそのための人件費等の事業費を差し引いてプラス」になっていれば、「事業から収益があがっている=事業継続への青信号」となるが、これがマイナスであれば「その事業からの撤退も視野」に入れなければならなくなる。

勿論、お支払いする保険金が「計算式」のなかで一番大きな要素となるが、次は「人件費」である。営業は、インターネット等を介することを含めて省力化、省コスト化ができる分野であるが、「保険金の支払い」に関する業務、「査定(損害サービス)業務」だけは、こうはいかない。

どうしても「人間の目が必要」な業務である。AIに取って代わられる部分が、非常に少ない分野なのである。だから「免責金額」を付帯することによって、「小損害を保険支払いの対象から外す=損害サービスの人件費のカット」ということをしているのである。

「レイヤリング(レイヤー方式)」とは、この「免責金額を非常に大きくする」という考え方に似ている。引受保険会社が、単独で引受が難しいリスク、また保険金額やてん補限度額が大きくて、一社では引受けられないリスクに関して、「保険金額やてん補限度額を数段階の階層(レイヤー)に分け、各保険会社が独立して階層(レイヤー)の引受条件を決め、その階層部分を引き受ける方式」である。

レイヤリング(レイヤー方式)は、それぞれの保険会社の考え方(引受姿勢)によって、レイヤー上層部または下層部かによって、保険料率や提供できる保険引受枠に大きな差が出ることが多いため、各保険会社の特長を活かしながら保険プログラム全体を構築できる方式である。

今回のまとめ

ここまで読んで頂けたら、「なぜ、農業保険のことを縷々記してきたか」、その理由をご理解いただけたであろう。リスクマネジメントを進めていくと、農業保険と同様に「一般の損害保険会社ではなかなか引受けすることが難しいリスク」、例えば地震リスクのようなものが「早急に対応すべきリスク」として浮上してくることがある。

その場合、単純に、現行の「農業保険制度」のように「割合(%)を出す再保険」で、キャプティブからの再保険をロンドンマーケットで探しても、なかなか望む保険引受枠(補償枠)が見つからないことがある。その時に、活かせる保険技術、再保険技術がこのレイヤリングなのである。

A.「保険の対象となる物件や財産が大きくて非常に大きな保険の引受枠(補償枠)が必要な場合」;

B.「キャプティブを設立して、その後、業容が拡大したため、対象財産が増え、キャプティブからの再保険の引受枠を増額したい場合」;

C.「保険引き受けが非常に困難なリスク、例えば新型コロナのパンデミックリスク、特殊なリスクを補償するサイバー保険等を引き受けて欲しい場合」;

このような場合、「キャプティブからの再保険枠を確保、増額するための損害保険の技術」が、このレイヤリングなのである。

執筆・翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

Risk Management 37-Agricultural Insurance (Layering: Tiered Underwriting)

The Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) has called it the worst grasshopper outbreak in 70 years.

Although the grasshoppers are not expected to spread to eastern parts of Asia, including Japan, as they are vulnerable to cold and cannot cross the Himalayas, extensive damage is still occurring to crops. Global losses from such natural disasters are estimated to be around $140 billion in 2019, of which a total of $50 billion has been insured and paid out by property and casualty insurance, according to a recent report by a Western insurance journal.

Agriculture is exposed to a great deal of risk and damage in the event of a natural disaster. Agricultural insurance for such situations differs from Japan’s agricultural accident compensation schemes in other countries in that it deals with the risk of reduced income for farmers in terms of both price and yield by utilizing the expertise of private insurance companies.

1.Differences between Japanese and foreign “agricultural insurance” systems

Hail is becoming increasingly common in Japan these days. Limited natural disaster risks, such as hailstorm insurance, are underwritten by private insurance companies as part of fire insurance, but agricultural insurance, which combines various natural disaster perils in the agricultural sector, is likely to be so large that the government has to re-insure the damage. The state is often involved in terms of risk diversification.

In Japan, there is no “agricultural insurance” underwritten by private insurance companies. The Agricultural Mutual Aid Association is a separate organization from the Agricultural Cooperative Association, but it is run mainly by farmers, and is a “Agricultural Accident Compensation Scheme” (or “Agricultural Mutual Aid System” or “Agricultural Insurance Scheme”), in which the government underwrites risks through reinsurance and bears the losses under the Agricultural Accident Compensation Law. (also known as the “NOSAI system”).

With the decrease in the number of farmers and the aging of the population, the number of subscribers to the agricultural accident compensation system has been decreasing and the scale of the program has been shrinking. However, the government’s financial management is tight, and it is expected that the burden on the national treasury will become more and more difficult to bear in the future, making it a system with many challenges.

In addition, in Japan, because agricultural income from major agricultural products was guaranteed through price policies, the “Agricultural Accident Compensation Scheme for the Risk of Reduced Yield” alone was to some extent able to deal with the risk of reduced income for farmers, but since the Food Law was enacted in 1995 and self-distribution of rice has expanded, many rice farmers have had to deal with the risk of price fluctuations and the loss of income. We believe that it is becoming more and more difficult for conventional agricultural accident compensation schemes, which compensate farmers for the risk of yield loss, to deal with the risk of declining income, such as the exposure to being confronted to a decline in crop yields, and we believe that we are approaching the stage where cooperation with private insurance companies is necessary, as is the case in other countries, especially in France.

2.Outline of Japan’s Agricultural Insurance System

In 1947, two years after the war ended, the Agricultural Accident Compensation Act was enacted. This law compensates farmers for losses caused by natural disasters, such as wind and flood damage, as well as disease and pest damage and other unforeseen accidents. This system is a public compensation program implemented by the government as a measure against agricultural disasters. Under the Mutual Aid Scheme, member farmers contribute a premium to the Mutual Aid Association, which pays out a sum of money to farmers who have suffered losses.

  1. As it is an “Insurance Scheme”, there is a need to strictly diversify the risk of loss, given the financial resources of the farmers who are “members” of the scheme. In order to achieve this, mutual aid associations are set up in every region and prefecture of the country, where they contribute premiums and form joint reserves, and where farmers throughout the country are compensated for their losses.
  2. In order to prepare for losses beyond the solvency of the Cooperative Associations, the Cooperative Associations have established prefectural-based “Federations of Agricultural Mutual Aid Associations” (federations), and the federations have established “insurance pools” to deal with risks that exceed the solvency of the Cooperative Associations.
  3. To prepare for the occurrence of agricultural disasters that exceed the solvency of the federation, the federation further diversifies the risk by issuing reinsurance to the state for part of the insurance liability.
  4. The Agricultural Mutual Insurance Scheme includes the Crop Mutual Insurance Scheme, the Livestock Mutual Insurance Scheme, the Fruit and Vegetables Mutual Insurance Scheme, the Mutual Insurance Scheme for Field Crops, and the Mutual Insurance Scheme for Horticultural Facilities.
  5. The government bears a portion of the premiums paid by farmers. In principle, the national government pays 50% of the premiums, but the rate varies slightly depending on the crop.

 

2.  Overview of overseas agricultural insurance schemes

Agricultural insurance in the U.S. is divided into two categories: Crop Hail Insurance, which is operated exclusively by private insurers, and Federal Crop Insurance, which is a public insurance program. An overview of agricultural insurance in the United States and other countries is as follows

  1. Federal crop insurance is divided into two types: yield insurance, which covers the reduction in crop yields due to natural disasters, etc., and income insurance, which covers the reduction in farm income caused by fluctuations in yields or prices.
  2. Because of the vastness of the United States, the types of natural disasters that threaten the United States vary by region. Hurricanes, earthquakes, and tornadoes are more common in the South and East, the West, and the Central U.S., but in terms of economic losses, storm-related disasters brought about by hurricanes are the largest.
  3. The U.S. agricultural insurance program, “Federal Harvest Insurance,” is administered by the Federal Harvest Insurance Corporation (FIG), which is administered by the Risk Management Agency (RMA) of the United States Department of Agriculture (USDA). The Federal Crop Insurance Corporation (FCIC) is the entity that administers and administers the program. Eighteen private insurance companies signed an agreement with the U.S. government to sell the policies and have their loss adjusters investigate the losses.
  4. The U.S. government subsidizes the operating costs of private insurance companies and reinsures some of the insurance liabilities held by private insurance companies.
  5. In France, as in the U.S., private insurance companies underwrite agricultural insurance with government subsidies for insurance premiums and other purposes.
  6. In Canada and India, governments and government agencies provide agricultural insurance.

3. The future of agricultural insurance in Japan

Most of you who have read this paper so far are probably wondering, “Isn’t Global Link supposed to be the one who establishes and manages the captives, and why is the subject of this article something that has little to do with captives?”

However, “agricultural insurance” accounts for a significant portion of the insurance claims and mutual aid payments made for losses caused by natural disasters around the world, and it is an area that cannot be overlooked in terms of risk management. The author has been working as a management consultant for non-life insurance companies and mutual insurance organizations deeply involved in agricultural insurance for a long time and has studied agricultural insurance in the United States and Europe. The agricultural insurance sector is the subject of this column because I believe that this is the area in which the establishment of a captive must obtain significant underwriting quota from foreign property and casualty insurers and reinsurers by means of reinsurance.

There are some things that can be introduced from private insurers in terms of “collaboration with private insurers,” not anything in terms of “insurance underwriting quota itself”. One of them is the “layering” underwriting technique for non-life insurance.

There is always a “deductible” attached to the policy terms and conditions of non-life insurance. For those who are not involved in non-life insurance, there are many people who wonder why such a small deductible is attached to the policy. However, they will be surprised to know that whether or not to set a deductible is a factor that determines whether or not the insurance is accepted.

In the non-life insurance business, if the insurance premiums you receive are positive after deducting the amount of money to be paid and business expenses such as labor costs, it means that your business is profitable, but if it is negative, you will have to consider going out of the business.

Of course, the insurance payment is the biggest factor in the “calculation formula”, and the next is “labor cost”. Sales is an area where labor and cost savings can be achieved, including via the Internet, but this is not possible only for claim payment and underwriting (claim service).

This is an area in which there are very few areas that can be replaced by AI. Therefore, by adding a “deductible”, the company is trying to “exclude small losses from insurance payment = cut labor cost for loss service”.

The “layering method” is similar to the idea of “making the deductible amount very high”. In the case of risks that are difficult to be underwritten by a single company, or that cannot be underwritten by a single company because of the amount of money insured or coverage limits are too high, “the amount of money insured and coverage limits are divided into several layers, and each insurance company decides on its own underwriting conditions for each layer, and then underwrites the layered portion of the risk.

In many cases, depending on the approach (underwriting stance) of each insurance company, there is a significant difference in premium rates and the amount of quota that can be offered depending on whether it is an upper or lower layer.

Summary of this issue

Now that you have read this article, you will understand why we have been writing at length about agricultural insurance. In the course of risk management, risks that are difficult for ordinary non-life insurers to underwrite, such as earthquake risk, may emerge as risks that need to be addressed immediately.

In such a case, it is not always easy to find the desired underwriting limit (coverage limit) even if you look for reinsurance from a captive in the London market with a “percentage reinsurance” as in the current “Agricultural Insurance Scheme”. This is where layering comes in handy, as it is an insurance and reinsurance technology that can be utilized.

  1. “When the property or property to be insured is large and requires a very large insurance underwriting quota (indemnity quota)”;.
  2. “If you establish a captive and then expand your business and your covered property increases because of the expansion of your business and you want to increase your reinsurance underwriting limit from the captive”; and
  3. “If you want us to underwrite risks that are very difficult to underwrite, e.g., the pandemic risk of a new corona, cyber insurance to cover special risks, etc.”; and

The layering is the “technique of property and casualty insurance to secure and increase the reinsurance limit from the captive” in such cases.

Author/translator: Shinichiro Hatani