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運営実務 2020.01.30

運営実務 1ー キャプティブ設立コンサルティング(全体像)

海外にキャプティブを設立して、保険会社としての事業を開始するまでには、様々なステップを踏むことになる。キャプティブは、「自社専用」とはいえ、ドミサイル(設立地)の保険監督当局の設立認可を受けて営業する保険会社である。

キャプティブ設立にあたっては、キャプティブ設立・運営全般にわたり専門的なコンサルティング・サービスを提供するグローバル・リンクがキャプティブを設立する日本の親会社と綿密な打ち合わせをおこないながら、ドミサイルでキャプティブの運営管理の実務を担当するキャプティブ・マネジメント会社、キャプティブの登録代理人(法律事務所)等と緊密に連携して、キャプティブの設立準備を行なう。

キャプティブ設立地(ドミサイル)の保険監督当局より認可を受けキャブティブが設立され、その営業が開始されたら、さらに税務担当会計事務所、監査担当会計事務所、アクチュアリー(保険数理士)といった保険会社を運営するために不可欠な有資格専門家のサービス提供を受けながら運営する。

今回は、キャプティブの設立から運営にかけた全般に関わるステップにつき、全体像を解説する。

1.キャプティブの事業化調査 (フェーズ1)

キャプティブの設立に入る前に、まず、キャプティブの設立が可能か否かを調査・分析して、その実現可能性を明らかにするフェーズ(段階)である。

親会社が日本の保険会社(元受保険会社)に引受けを依頼する保険のうち、どの保険をどれだけ元受保険会社からキャプティブに再保険として出再するかを明確にしておくことが前提となる。それがまだ不明瞭な場合には、グローバル・リンクから別途リスクマネジメントに関わるコンサルティングを受けて、親会社のリスクマネジメントと保険契約の補償内容の分析を行ない、キャプティブに出再するリスクを明らかにする必要がある。

次に、再々保険の手配である。元受保険会社がキャプティブへの出再を前提とする元受保険契約を引受ける場合の条件として、元受保険会社は、親会社に対してキャプティブが引受ける再保険リスクに対する再々保険の確保を求めてくるのが一般的であることから、ロンドン保険市場などの再保険市場から予めキャパシティ提供の確認を得ておく必要がある。

その上で、元受保険会社と折衝して、キャプティブ・プログラムの引受に関して、元受保険契約の補償内容、キャプティブへの出再条件につき合意を得る必要があるが、これらのことに関しては、グローバル・リンクがコンサルティングをしていくことになる。「キャプティブ保険プログラム」の大要が決定されたら、キャプティブのドミサイルの保険監督当局と接触して、キャプティブ設立認可の可能性を調査する。

グローバル・リンクは、これら、再々保険のキャパシティ確保、元受保険会社との合意、キャプティブ設立認可に関わる調査・折衝の結果などを検討し、事業化後のキャプティブのキャッシュ・フローを予測して、事業化の可否を分析・評価する。

2.キャプティブの設立(フェーズ2)

ドミサイルに法人を設立し、保険監督当局にキャプティブの設立申請を行ない営業認可を受けて、資本金払込みを経て保険事業を開始するフェーズ(段階)である。

ドミサイルが米国ハワイ州の場合は、ハワイ州の商業・消費者庁(Department of Commerce and Consumer Affairs)保険局(Insurance Division)に設立申請書等一式を提出する。

ハワイ州の申請書類には、キャプティブの区分(Class)、所在地、オーナー、キャプティブの取締役・執行役員、キャプティブ運営に携わる専門組織を記載する書式(セクションC)の他、親会社および元受保険契約の情報(セクションD)、今後5年間のBS/PL予測値(シミュレーション)(セクションF)、キャプティブの事業戦略(セクションG)、キャプティブ設立申請者の経歴(セクションH)、支払準備金証明申請(セクションI)、公認会計士の申請書(セクションJ)、キャプティブ・マネジャーの申請書(セクションK)、保険数理人による保険数理分析報告書、キャプティブの親会社の財務諸表、親会社取締役会の全会一致書面決議書、会社定款・付随定款などを含んでおり、設立を認可する保険局が設立の可否を判断する上で必要な情報が網羅されているものであり、これらをアプリケーション・パッケージ(申請書類一式)と呼称されている。これらの申請書類は、グローバル・リンクが総括して、キャプティブ・マネジャーの就任が予定されているキャプティブ・マネジメント会社に送達、準備・作成するのが一般的である。

フェーズ2において、キャプティブ運営に携わる現地の専門組織である法律事務所(ハワイ州では州政府からの通知を受取るRegistered Agentにも任ずる)、取引銀行、アクチュアリー(保険数理士)、税務・会計事務所を選定・任用する。

3,キャプティブの維持・管理(フェーズ3)

キャプティブの事業開始とその後の年間の維持・管理を行なうフェーズである。

キャプティブは規模こそ小さいが、保険会社である。そのため、事業計画の策定・執行、保険引受、再保険手配、保険金支払、再保険金請求、保険会計、監査、税務申告・納税、年次株主総会・年次取締役会の開催、保険監督当局への各種報告等の業務をおこなう必要があり、現地の専門組織を活用してこれらを行なっている。

キャプティブは、日本の元受保険会社が引受けている親会社の保険リスクの大半を、元受保険会社から再保険の形で引受け、リスクマネジメントのため、その再保険のリスクの大半を再保険会社に再々保険として出再する。元受保険契約の毎年の更改時に、再保険引受と再々保険の出再に伴う再保険料の受入れと再々保険料の支払を行なう。

元受保険会社との再保険契約は、元受保険契約締結時に自動的に決定されるが、再々保険会社との再々保険契約は、グローバル・リンクが業務提携している、大手総合商社丸紅の保険部門会社、再保険ブローカー(再保険仲立人)である、株式会社マルニックスを通じて手配する。キャプティブの利益の多くは、再保険料と再々保険料との差額(いわゆる保険料の内外価格差)から生み出されることから、再々保険手配の巧拙は、キャプティブ事業の収益性に大きな影響を与えることになる。ここに、グローバル・リンクのロンドン保険市場との関係が大きく寄与していくことになるのである。

キャプティブでは、決算期末の他に四半期毎にBS/PLの試算表を作成する。期末決算では、保険数理士による支払備金、IBNR等の数理計算、独立監査法人による監査を経て、保険監督当局には、期日までに報告する必要がある。米国ハワイ州の場合は、決算期末から6ヶ月以内である。税務申告は、米国ハワイ州の場合は、申告期限、予定納税制度、複雑な小規模保険会社向け優遇税制が存在すること等から、適切に対応できるキャプティブ会計・税務の経験豊かな専門組織を任用することが重要である。

年次株主総会・年次取締役会(年次総会)は、キャプティブにとって最も重要な機関である。米国ハワイ州の場合は、暦年で年1回以上をハワイ州で開催する必要があるが、電話会議によって、日本にいながら「出席すること」も可能である。年次総会では、キャプティブ事業に関わる全ての重要事項が報告され、承認される。

今回のまとめ

キャプティブは、自社専用の小規模保険会社であるが、保険監督当局から営業認可を受けた保険会社である。

一般の大手保険会社は数万人規模の従業員を抱えて運営されるが、キャプティブは、役員以外はキャプティブ事業に習熟した外部の専門組織にアウトソーシングして運営されるため、キャプティブ事業にとっては、この専門組織の質とサービスは、設立準備時から営業開始後まで、大変重要である。

米国ハワイ州の場合は、その専門組織がホノルル市の中心部に集積立地しており、緊密に連携することが容易である。ドミサイルとしてのハワイは、ハワイ州政府によるキャプティブ事業への積極的なコミット、日本との短い時差(5時間)に加えて、日本語で連絡、相談が出来るキャプティブ関連の専門組織の存在は、非常に大きな魅力である。