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キャプティブ 2020.02.04

OP 2 フェーズ1(キャプティブの事業化調査)Phase 1 (Feasibility study of Captive)

For those who prefer to read this column in English, the Japanese text is followed by a British English translation, so please scroll down to the bottom of the Japanese text.

「キャプティブ設立のメリットと事業化の可能性を検討する最初のフェーズ(段階)」をグローバル・リンクでは、「フェーズ1(第1段階:キャプティブの事業化調査)」(以下、「フェーズ1」)と定義している。

フェーズ1では;

①「キャプティブ(自社専用保険会社)を設立する日本の親会社(以下、「親会社」)と日本の保険会社との間で既に締結されている、既存保険契約のうち、どの保険契約をキャプティブプログラムにするか」

②「現在は、保険を掛けていないが、キャプティブの設立を介して新たな保険を掛けると企業にとって大きなメリットがあるため、海外の再保険市場から再保険のサポートを得ることができる前提で、『海外の最先端の地震保険やサイバー保険等を掛けること』を検討して、それらをキャプティブプログラムにするか」

③「上記①の選択した保険と②を併せてキャプティブプログラムにするか

まず、これら①、②、③のうち、どれを選択するかを決める。しかし、後に記すが「保険のリスクマネジメント」をおこなうことにより、「キャプティブ化する保険」が増えることも当然起こりえる。

次に、「再保険という『リスク』を引受けることになる、キャプティブのリスクマネジメント(リスクヘッジ)」のため、その対象となる保険に対して、ロンドン再保険市場に、出再(再保険・再々保険等を契約して「『再』び保険リスクをリスクヘッジのために『出』すことから、『出再』と呼ばれる。以下、「再々保険」)できるか否かについて調査する。この作業は、グローバル・リンクを通じ、業務提携先である再保険ブローカー、マルニックスによって、再保険会社に対しておこなわれる。

その上で、「キャプティブへの出再を前提とした保険の引受を了承した保険会社」(以下、「元受保険会社」)と、「キャプティブへの出再を前提とする保険契約の内容、キャプティブに出再するにあたっての再保険条件(出再割合、再保険手数料率等)」について折衝、あらかじめ合意を取り付けておく。さらに、この「キャプティブプログラムのフレーム(構造)」が固まった段階で、キャプティブの設立地(以下、「ドミサイル」)の許認可条件との整合性の確認をおこなう。必要であれば、ドミサイルの保険監督当局の事前判断を仰ぐ。

次に、これらの調査・折衝の結果を検討し、事業化後のキャプティブのキャッシュ・フロー等を予測して、事業化の可否を分析・評価して、「キャプティブ設立の効果を享受できる事業化が可能であること」が判明したら、親会社(キャプティブ・オーナー)と「キャプティブの設立」に関して最終検討をおこない、設立の可否を決定する。これらの作業すべてに関して、グローバル・リンクは、コンサルティングサポートを提供する。

以下、「キャプティブの事業化調査(フェーズ1:第1段階))」の概要と留意点を記す。

1.キャプティブで引受けるリスクを明確にする

最初のステップは、上述の「①、②、③、どれを選択するか」を決めることである。キャプティブの設立認可を受けるには、キャプティブが元受保険会社からどのような保険リスクを再保険で引受けるかを明確にする必要があるからである。

その際には同時に、会社が抱える様々なリスクについて調査・分析し、保険へのリスク移転に優先的に取組むべきリスクを炙り出し、当該リスクに関わる現在の保険契約の補償内容を十分に精査する必要がある。「要改善事項」を明確化する、つまり「保険付保(保険を掛けること)のリスクマネジメント」も同時に行なうことになる。

キャプティブプログラム化すると大きな効用を生み出すリスクは、「巨大地震による大災害リスク」や「サイバーリスク」である。「頻度は高くないと予測されるが、ひとたび起きると巨額の損失が発生するリスク(低頻度・巨大損害リスク)」が最も適している。

既存の保険契約では、火災保険分野の商品である、「企業財産総合保険(企業財産包括保険)」を例に挙げると、保険商品名には、「総合」、また「包括」が付いているが、地震リスクは補償されていない。地震保険加入の折衝をしても、ごく限定的な補償額や補償範囲(財物損壊リスクのみ等)の提供に留まっている場合が多い。

また、保険が「子会社単位で掛けられ、多数の保険証券に分かれていて、補償が限定的な割に『補償の重複』があるため、保険料コストが高い場合」、また「本社でも補償内容を十分に把握・管理できていないこと」がある。

このような状況は、この「保険のリスクマネジメント」をおこなうことによって大幅に改善できる。「本格的なリスクマネジメントには、キャプティブの設立が最適である」とグローバル・リンクが推奨している所以がここにある。

この「保険のリスクマネジメント」の結果を踏まえ、現在の保険契約の見直しや新規加入に向けて、グローバル・リンクを介して、元受保険会社から、「キャプティブ出再を前提にした元受保険契約の提案」を受けることになる。キャプティブへの「出再」を伴わない一般的な保険契約とは異なり、キャプティブへの出再を前提とした、広範かつ高額な補償限度額を希望する場合は、その見積提示に応じる保険会社は限定的になることに留意する必要がある。

グローバル・リンクのキャプティブプログラムでは、この「保険のリスクマネジメント」をおこなうため、「フェーズ1(キャプティブの事業化調査)」の契約と同時に「リスクマジメントに関わるコンサルティング契約」を締結することとなっている。後者の契約書によって、グローバル・リンクは、「親会社」より「リスクマネージャー」の委嘱を受け、元受保険会社、ドミサイルのキャプティブマネジメント会社、再保険会社に対して、業務提携先の再保険ブローカー等とともに折衝をおこなう。

2.再々保険の確保が可能か確認する

前述のとおり、「元受保険会社からは、『キャプティブが引受ける再保険のリスクヘッジ策の確認』として、ロンドン保険市場の再保険会社が再々保険を引受けるか否かの確認を求められる」ため、グローバル・リンクを通じて、業務提携先の再保険ブローカー、「マルニックス」を介して、ロンドン再保険市場にアプローチ、出再したい保険の引受先となる再保険会社を調査、折衝して、「再々保険の保険引受枠」(以下「キャパシティ」)確保の確認を得る必要がある。

「廉価で広範な補償を信頼性の高い再保険会社から確保すること」は、キャプティブ経営の所期の事業収支を安定的に維持するためには、最も重要なことである。したがって、キャプティブプログラムの効用を最大限に引き出すには、「低廉な再保険料コストで広範な補償を長期にわたり提供できる、競争力があり高い信頼性を有する再保険会社を世界の再保険市場から選定・確保できる専門家の存在が鍵」になる。

3.元受保険契約の補償内容、キャプティブ出再の可否、再保険条件を確認する

元受保険会社に対して元受保険の引受を打診するためには、「キャプティブプログラム(キャプティブの概要、保険付保の対象リスク、被保険者、想定保険価額、再々保険、ドミサイル、スケジュール等)のフレーム(構造)」に関する専門的な説明が必要になる。そのうえで、「キャプティブへの出再が可能か」を確認して、元受保険契約の補償内容と併せて、再保険条件(出再比率、再保険手数料、その他の引受条件(キャプティブのセキュリティ確保等))の暫定的な提示を依頼することとなる。

元受保険会社を選定するポイントは、①親会社のリスクマネジメントにとって重要な「元受保険契約の補償範囲や補償限度額が希望する水準に達しているか否か」、また②キャプティブの事業収支にとって重要な「キャプティブにより多くの保険リスクを移転できるか(=出再比率が高いか)、再保険手数料が抑制的か(=再保険手数料率が低いか)」である。

なお、「元受保険契約の内容およびキャプティブへの出再条件が確定する」時期は、親会社としてキャプティブ設立の意思決定を正式に行なった後、スタートする「キャプティブの設立(フェーズ2)」の段階において、元受保険会社から元受保険契約に関する見積提示を受けた後になる。

4.ドミサイルの保険監督当局からの認可取得の可能性を確認する

「元受保険契約」、「再々保険契約」のフレーム(構造)が固まったところで、キャプティブを設立するドミサイルの保険監督当局(米国ハワイ州の場合は、ハワイ州保険局)に対して、キャプティブの概要(キャプティブの申請区分(Class)、資本金、引受リスク、元受保険契約、再々保険契約、親会社等)を説明、キャプティブ設立の可否の調査をドミサイルでのキャプティブの運営・管理業務を委託する、グローバル・リンクの業務提携先、「キャプティブマネジメント会社」によって行なう。

なお、保険監督当局へのキャプティブ申請の手続および現地キャプティブマネジメント会社とのマネジメント契約の締結は、「キャプティブの設立(フェーズ2)」において行なう。

5.最終的に、事業化の可否を分析・評価する

元受保険契約および再々保険契約の主な内容が固まり、キャプティブの設立が可能であることが判明したら、キャプティブ・プログラムの効果を検証するため、その時点で想定されるキャプティブの事業収支予測を行ない、キャプティブ事業化の可否を分析・評価した「事業化調査報告書」をグローバル・リンクは作成して親会社に提出する。

その上で、キャプティブを設立するか否かを親会社は正式決定することになる。キャプティブの設立が決定された場合、その意向は、グローバル・リンクによって、元受保険会社、再々保険会社、キャプティブマネジメント会社に伝えられ、元受保険会社並びに再々保険会社からは、それぞれ「元受保険契約」、「再保険契約」の見積書が提示されることになる。

これを受けて、「現地のキャプティブマネジメント会社」へ、ドミサイルの保険監督当局に提出する「キャプティブ設立申請書(Application Package)」の作成を依頼するとともに、現地のキャプティブ法務に詳しい法律事務所を選任して、キャプティブ設立に向けたプロセス(フェーズ2:第2段階)に入ることになる。

今回のまとめ

「キャプティブ事業」を成功させることができるか否かは、「フェーズ1(キャプティブの事業化調査)」をおこなう「コンサルティング会社の専門性」にかかると言っても過言ではない。

キャプティブ事業全般に関わる高い専門性、損害保険に関する卓越した高い知識、日本の元受保険会社との強固な信頼関係をはじめ、世界の再保険市場およびドミサイルの専門組織と相互に信頼できるネットワークを有しているか否かが大変重要になる。

それは、設立時だけではなく、それよりもむしろ「万が一の損害(=保険事故)が起きた時の再々保険金の回収で、不測の事態を起こさないため」だからである。保険事故の際、再々保険金が、的確に適時に回収できなければ、キャプティブ(=親会社)は大きな損失を被る可能性があるからである。優秀な再保険ブローカーを起用しても、キャプティブのコンサルティング会社と再保険会社が如何に緊密な関係を有しているかが、最後には大きな力となるものである。

そのため、キャプティブのコンサルティング会社については、「スタッフが損害保険会社の役職員としての経験を有しているかどうか」、「再保険会社のアンダーライター(保険引受人)との折衝を考えると同じアンダーライターとしての経験を有しているスタッフがいるかどうか」は、欧米のキャプティブの世界では「当然のこと」とされている。

しかし、日本では全くの畑違いの保険関係者が、「税の優遇策」としてキャプティブの設立コンサルティングをおこなっていることも聞く。キャプティブは、あくまでもリスクマネジメントのためのものであり、損害保険の本当のプロフェッショナルでなければ、的確かつ適格な継続的な運営はできず、不測の事態を招く可能性があることを申し添えておきたい。

執筆者:菅原   伸 雄
 翻訳者:羽谷 信一郎

English Translation

Operational Practices 2 – Phase 1 (Feasibility study of Captive)

Global Link defines the “first phase (stage) of examining the merits and commercialization potential of establishing a captive” as “Phase 1.”

In Phase 1;.

① “Which of the existing insurance policies already in place between the Japanese parent company and the Japanese insurance company that establishes the captive will be used as the captive program?

② “Do we consider ‘taking out state-of-the-art earthquake insurance, cyber insurance and make them a captive program, on the premise that you don’t currently carry insurance but can get reinsurance support from the overseas reinsurance market with respect to insurance that would be of great benefit to your company if you took out new insurance through the establishment of a captive?”

③ “Do we want to combine ② with the insurance selected in ① above for a captive program?

First of all, it is necessary to decide which of the above three options should be selected. However, as we will discuss later, the number of captive insurance policies may increase as a result of “insurance risk management”.

Next, for the purpose of “captive risk management (risk hedging), which involves underwriting the ‘risk’ of reinsurance,” it is possible to contract for ceded reinsurance and reinsurance, etc., in the London reinsurance market to the subject insurance policies, which are “ceded to hedge the ‘re’ insurance risk. (“Reinsurance”). This process is conducted by Marnix, a reinsurance broker, through Global Link to the reinsurance companies.

The Global Link will then negotiate with the “insurance company that has agreed to underwrite insurance on the basis of ceding to a captive” (the “primary insurer”) and agree on the terms and conditions of ceding to a captive (ceding rate, reinsurance commission rate, etc.). It should get their consent in advance. In addition, once this “captive program frame (structure)” has been solidified, it will be checked for consistency with the licensing requirements of the captive’s place of establishment (“Domicile”). If necessary, a prior determination will be sought from the Domicile’s insurance regulator.

Next, the results of these investigations and negotiations will be reviewed, the cash flow and other factors of the Captive after commercialization will be projected, and the feasibility of commercialization will be analyzed and evaluated, and if it is found that “it is possible to commercialize the Captive to enjoy the benefits of the Captive’s establishment”, and final discussions with the parent company (captive owner) regarding the “establishment of the captive” will be held to determine whether or not it can be established. Global Link will provide consulting support for all of these tasks.

The following is an overview of the Captive Feasibility Study (Phase 1) and points to consider.

1. Identify the risks to be taken on by the captive

The first step is to decide which of the above is appropriate:①, ②,or③. In order to obtain approval to establish a captive, because it is necessary to clarify what insurance risks the captive will underwrite from the primary insurer through reinsurance.

At the same time, the various risks the company faces must be investigated and analyzed to identify risks that should be prioritized for transfer to insurance, and the coverage of the current insurance policies related to those risks must be thoroughly examined. In other words, the risk management of insuring risks will be carried out at the same time.

Risks that would benefit greatly from a captive program include “catastrophe risk from a major earthquake” and “cyber risk”. Risks that are not expected to be frequent, but when they do occur, they can result in huge losses (low frequency and high loss risk) are the most suitable for captive programs.

Take the example of an existing insurance policy in the field of fire insurance, “Comprehensive Business Property Insurance”, which has “comprehensive” and “inclusive” in the product name but does not cover earthquake risk. In many cases, even when negotiating for earthquake insurance, the amount and scope of coverage (e.g., property damage risk only) is very limited.

In addition, insurance premiums are often high because insurance policies are issued by subsidiary companies, are divided into many different policies, and have overlapping coverage despite the limited coverage, and the head office does not fully understand and manage the coverage.

This situation can be greatly improved by implementing this “insurance risk management” approach. This is why Global Link recommends that the establishment of a captive is the best way to conduct serious risk management.

Based on the results of this “Insurance Risk Management” study, Global Link will receive a “proposal for primary insurance policies based on the assumption of a captive ceded” from the primary insurer to review the current insurance policies or to purchase new policies. It should be noted that, unlike a typical policy that does not involve a “ceding” to a captive, only a limited number of insurers will be willing to offer quotes for broad and high coverage limits that are contingent on a ceding to a captive.

The Global Link captive program requires that a “Risk Management Consulting Agreement” be signed at the same time as the “Phase 1 (Captive Feasibility Study)” agreement in order to provide this “insurance risk management”. Under the latter agreement, Global Link will be appointed by the Parent Company as a risk manager to negotiate with primary insurers, captive management companies and reinsurance companies, together with reinsurance brokers and other business partners.

2. Confirming the availability of reinsurance

As noted above, “we will be asked by the primary insurers to confirm whether reinsurers in the London insurance market will underwrite reinsurance as a ‘confirmation of risk hedging measures for reinsurance underwritten by the captive'” and therefore, through Global Link, through its business associate reinsurance broker, “Marnix will approach the London reinsurance market, and the reinsurers to whom the company wishes to cede insurance need to be researched and negotiated in order to obtain confirmation that they have the “reinsurance capacity” to do so.

Securing low-cost, broad-based coverage from a reliable reinsurer is of paramount importance to maintaining the stability of the captive management’s desired balance of business. Therefore, the key to maximizing the effectiveness of a captive program is to have experts in the global reinsurance market who can select and secure competitive and reliable reinsurers from the global reinsurance market who can provide a broad range of coverage at low premium costs over time.

3. Confirm primary policy coverage, availability of captive ceding and reinsurance terms and conditions

In order to approach a primary insurer about underwriting primary insurance, a technical explanation of the “frame (structure) of the captive program (including an overview of the captive, insurable risks, insureds, expected insured value, retrocession, reinsurance, domicile, schedule, etc.)” is required. The insurer will then confirm whether it is possible to cede the policy to the captive and request a tentative presentation of the reinsurance terms (ceded ratio, reinsurance fee, other underwriting conditions (e.g., security of the captive)) along with the coverage in the primary insurance policy.

The key factors in selecting a primary insurer are (1) whether the coverage and coverage limits of the primary insurance contract are at the desired level, which is important for the parent company’s risk management, and (2) whether the captive can transfer more insurance risk to the captive (i.e., high ceded reinsurance ratio) and whether the reinsurance commission is moderate (i.e., low reinsurance commission rate), which is important for the captive’s business balance.

The “determination of the primary insurance contracts and the terms and conditions of ceding to the captive” will be made after the parent company formally decides to establish a captive, and after receiving a quote from the primary insurer for the primary insurance contracts during the start of the captive’s establishment (Phase 2) phase.

4. Confirming the possibility of obtaining approval from the insurance regulator for the domicile

Once the frame (structure) of the “primary insurance contract” and “reinsurance contract” has been established, an overview of the captive (captive application class, capitalization, underwriting risk, primary and reinsurance contracts, parent company, etc.) is presented to the insurance regulator of the domicile establishing the captive (or, in the case of the State of Hawaii, the Hawaii Department of Insurance), and an investigation into the feasibility of establishing a captive is conducted by Global Link’s business partner, a “captive management company,” which is entrusted with the operation and management of the captive at Domicile.

Application to the insurance regulatory authorities for a captive and the conclusion of a management agreement with the local captive management company will be carried out during the Establishment of a Captive (Phase 2).

5. Final analysis and evaluation of the feasibility of commercialization.

Once the primary and reinsurance contracts have been finalized and it has been determined that a captive can be established, the Global Link prepares and submits a “feasibility study” to the Parent Company, which analyzes and evaluates the feasibility of establishing a captive by forecasting the business income and expenditure of the captive at that point in time in order to evaluate the effectiveness of the captive program.

The parent company then makes a formal decision on whether or not to establish a captive. If the decision to establish a captive is made, the Global Link will inform the primary insurer, the reinsurance company and the captive management company of its intention to establish a captive, and the primary insurer and the reinsurance company will provide quotations for a primary insurance contract and a reinsurance contract, respectively.

Upon receipt of the quotations, the Global Link will request the “local captive management company” to prepare an “Application Package” for the establishment of the captive to be submitted to the insurance regulatory authorities in Domicile, and a local law firm with expertise in captive law will be appointed to begin the process of establishing the captive (Phase 2).

Summary of this issue

It is no exaggeration to say that the success of a captive business depends on the expertise of the consulting firm that conducts Phase 1 (Feasibility study of Captive).

It is very important that the firm has a high level of expertise in the overall captive business, outstanding knowledge of property and casualty insurance, strong relationships with Japanese primary insurers, and a mutually reliable network of professional organizations in the global reinsurance market and domiciles.

The reason for this is not only at the time of establishment, but rather “to ensure that there are no unforeseen circumstances in the recovery of reinsurance claims in the event of a loss (i.e. insured accident)”. If a captive (i.e., the parent company) is unable to accurately and timely recover reinsurance claims in the event of an insurance accident, it may suffer a significant loss. Even with the appointment of a good reinsurance broker, how close the captive’s consulting firm and the reinsurer have a close relationship with each other will be a major force at the end of the day.

Therefore, with respect to captive consulting firms, “whether the staff has experience as officers and employees of a property and casualty insurance company” and “whether the staff has experience as underwriters of the same underwriters, given the negotiations with reinsurance companies’ underwriters” are “a given” in the Western captive world.

In Japan, however, I have heard that some people in the insurance industry, who are in completely different fields, offer consulting services to establish captives as a “tax incentive”. I would like to emphasize that captives are only for the purpose of risk management, and without true professionals in the field of non-life insurance, they will not be able to operate accurately and continuously, which may lead to unforeseen circumstances.

Author:Nobuo Sugawara
Translator: Shinichiro Hatani