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キャプティブ 2020.02.06

キャプティブ 4ーキャプティブに相応しい保険とは①ー保険料の支払い



「リスク管理のマニュアルは以前つくったが、素人の自分が見ても『全く役に立たない』ということが分るようなしろものなので、南海トラフ等の地震リスク、サイバーリスク等考えると、本格的なリスクマネジメントをやらなければならないと考えている。それらに有効な手段がキャプティブなら、キャプティブを設立してみたいが、そもそもどんな保険がキャプティブの設立に相応しいのか、またどんな保険であればキャプティブを設立するメリットがあるのかを教えて欲しい」というご要望が寄せられたので、「キャプティブの設立に相応しい保険とそうではない保険」というテーマで今回から3回に分けて記すことにする。

1.キャプティブの設立手続き

キャプティブは、設立地(「ドミサイル」と呼ぶ)の保険監督当局に対して、「保険会社」としての「認可を受けるための申請書」を提出、検証を受けてその設立が承認されるものである。

そのため、「経営母体及び経営陣の詳細」、「事業計画書」、「キャプティブが引受ける日本の元受保険会社からの再保険の詳細」、そして「その再保険に関して保険数理士(アクチュアリー)が損害率等の予測をおこなったレポート」等からなる、米国ハワイ州であれば、200ページに及ぶ「アプリケーションパッケージ」(キャプティブ設立申請書類一式)を提出、当局の検証を経て、設立の承認状(ライセンス)を受けることになる。

そのライセンスを受領した後、会社登記をおこない、銀行へ設立資本金の払い込みを終えた後、キャプティブとしての営業が開始されことになり、会社としての「収入」である日本の元受保険会社からの再保険を引き受けることができるようになる。会社、しかも「他者のリスクを受ける保険会社」であるから、1年毎に決算をおこない、監査を受けた書類を当局に提出、決算状況を届け出て、検証を受けなければならない。

このように、「キャプティブ」といっても日本の一般の保険会社と同様の存在であることに変わりはないため、決算状況が透明性を持ち、当局にも誰の目にも明らかになる必要がある

2.キャプティブプログラムでの保険料の支払い時期

A. 元受保険会社に対して(元受保険契約)

キャプティブの「保険会社としての収入」は、日本の元受保険会社からの再保険料である。通常、キャプティブの対象となる日本の元受保険契約は、「1契約」であることがほとんどであるため、会社としての収入は明確である。しかし、保険会社であるため、保険事故が起きれば保険金を支払わなければならない。これは、キャプティブの収入となる再保険契約でも同様であり、「再保険金の支払い」は保険事故が発生した場合には当然必要となる。

例えば、「1月1日に地震保険の契約を日本の元受保険会社とした」場合を考えてみよう。その場合、保険契約は前日の12月31日までにおこない、日本の保険料支払いの大原則、「即収の原則」に基づき前日までに元受保険会社に支払う必要がある。ただ、これは元受保険会社が、自らの事業リスク全体をリスクヘッジする再保険プログラムである「特約再保険」を背景にして引き受けた保険契約の場合の手続きである。

元受保険会社からの再保険を「キャプティブを再保険会社」として、個々に再保険を引受けるプログラムである「任意再保険」を背景して保険を引受ける場合は、元受保険会社では通常の処理とは異なる社内の諸手続が必要となる。このため、一般的には、保険開始日の遅くとも2週間前には、元受保険会社へ、元受保険料の支払いがなされていなければならない

 

B. キャプティブに対して(再保険契約)

「再保険契約は、元受保険会社と再保険会社であるキャプティブとの間で締結されるものである」ため、再保険料の支払いは、元受保険会社がおこなうが、一般的に再保険はロンドンを中心とした海外の再保険市場とおこなわれることを前提にしているため、国際間の送金手続きに要する期間を考え、再保険料の支払いは「四半期(3ヶ月)ごとに=支払期日まで3ヶ月として」おこなわれるのが通常である。

元受保険会社から再保険会社であるキャプティブに対する支払いも猶予を持っておこなわれるのが普通であるが、「適格なキャプティブプログラムでは、キャプティブからの再々保険を前提にして元受保険契約が引き受けられる」ため、再々保険を引受けるロンドン保険市場の再保険会社への支払期日を注視して進めていかなければならない。

 

C. ロンドン保険市場の再保険会社に対して(再々保険契約)

上述のとおり、キャプティブは、「元受保険会社にとっては再保険会社であるが、リスクの最終的な引き受けをおこなう再保険会社としての機能を果たすわけではない」ため、キャプティブからの再保険(元受保険会社から見れば再々保険)を引き受け、リスクの最終的な引受をおこなうのは、グローバル・リンクのキャプティブ・プログラムでは、ロンドン保険市場に拠点を持つ世界最大級の再保険会社である。彼らが「再保険会社としての機能(リスクヘッジ機能)を果たす」ことになる。

したがって、「元受保険会社との再保険契約に関して、四半期(3ヶ月)ごと再保険料の支払い(保険料の支払い猶予)の対象となるのは、この再保険会社(再々保険会社)との再保険(再々保険)契約書に記された支払い期日までの期間」となり、元受保険会社からの再保険がキャプティブの口座に入金して、そしてその再保険料のなかから再々保険料がロンドン保険市場に支払われまでの合計期間が「四半期(3ヶ月)」となることに留意が必要である。

グローバル・リンクは、元受保険料、再保険料、再々保険料の支払い期日を具にトレースする。キャプティブ・オーナーの承認のもと、キャプティブのドミサイル(設立地)にあるキャプティブ運営管理会社に対して、キャプティブの銀行口座からロンドン再保険市場の再保険会社(再々保険会社)へ再保険料(再々保険料)の支払いをその期日までおこなうこと等を的確に進め、ウオッチしているので、不測の事態に陥ることはない。

今回のまとめ

なぜ「キャプティブに相応しい保険」の説明でありながら「保険料の支払いの話になるのか」という疑問をお持ちであろう。損害保険契約が通常の商業契約とは異なる一面を持つからである、「再保険」の存在である。

損害保険では、「リスクの巨大化、複雑化」に対応する手段として「再保険」が開発された。しかし、この国際間の送受金を前提とするプログラムでは、「時間的な猶予」が必要になる。これは保険料の支払いに限らず、その反対給付である「事故が起きたときの保険金の支払い」においても言えることであり、まずこれらのことを正確に理解、把握することが必要であると考える。そのことによって、適格なキャプティブの設立が可能になる。その点から、まず「保険料の支払いに関する正確な理解をしていただきたいので記している」とご理解いただきたい。

元受保険会社に支払う保険料(元受保険料)は、保険開始日までに支払わなければならないが、元受保険会社からキャプティブを経由してロンドン保険市場で、最終的にリスクを引き受ける再保険会社に対する再々保険料の支払いは、通常、元受保険の開始日から3ヶ月が支払期日となっている。スムーズなキャプティブプログラムの運営のため、すべての手続き、支払い、連絡は、グローバル・リンクがコンサルティングをおこなっている。